中国・シンガポールで縁起の良い数字と風水、その使用例

 

羽生さんは「1」の数字に特別な意味を感じているようで、その告知をSNS上で行ったのは夜の11時11分でした。さらに興味深い事実がいくつかあります。

先日、羽生結弦さんが結婚することを公表し、日本中がどよめいた。
羽生さんは数字の「1」にこだわりがあるようで、SNSでその告知をしたのは午後11時11分だった。
他にもこんな事実がある。

・公式YouTubeチャンネル「HANYU YUZURU」に、初めてアップした動画の長さは1分11秒だった。
・ツイッター(いまのX)の「羽生結弦official_Staff」を午前1時11分に公開した。
・午前11時11分に自身のアイスショー開催を発表した。

これまで羽生さんが「1位」や「初(1番目)」 を強く意識してきたから、こんなこだわりが生まれたというのがもっぱらのウワサ。

この吉報はすぐに中国にも伝わり、SNSでは「羽生結弦老婆」という言葉がホットワードに入った。

【我愛老婆】日本と中国(台湾)で違う、“妻”を表す漢字

 

ラッキーナンバーは個人だけでなく、民族にもある。
民族の特徴の一つは、同じ言葉を共有していること。
中国人の間では、数字の「8」の人気がすこぶる高い。
中国で「8」は、お金持ちになることを意味する「发财(発財)」の「发」と発音が似ているという理由で、縁起の良い数になっている。
これは同音異義語の考え方だから、日本人が死を連想させる「四」を避けることと発想は同じだ。
電話番号や車のナンバープレートでは「8」のあるものが人気で、入手困難になっている。
また、店をオープンしたり、何かのイベントを開いたりする際には、「8」の付く日を選ぶことも多い。
極めつけは、2008年の北京オリンピックだ。
世界の注目を浴び、中国が国家の威信をかけて行った五輪の開会式は、2008年8月8日午後8時8分8秒に始まった。
中華文化圏ではこれ以上のタイミングはない。

 

では、ここで地理のクイズを一つ。
この独特の形をしたホテルのある国はどこ?

 

答えは、「ライオンの都市」を意味するシンガポール。
シンガポールでは人口の約 75%が中国系で、社会では中国語が使われていて、中国文化の影響も強くある。
上のホテル「マリーナベイ・サンズ」は、風水的に縁起良いとれる「入」の文字をデザインして建てられた。

シンガポールの象徴であるマーライオンは、ライオンの上半身と魚の下半身を持つ合成獣になっている。
マーメイド(人魚)とライオンをくっつけて「マーライオン」となった。
マーライオンの像も風水の考え方によって、「繁栄」をもたらす方向である東を向いている。

マリーナベイ・サンズのすぐ近くに、アジアでは最大、世界でも最大級の観覧車「シンガポール・フライヤー」がある。
料金は約8千円で、30分ほどの空中遊覧を楽しむことが可能だ。
2018年に開業した当初、シンガポール・フライヤーは時計と逆回りに動いていた。
だがしかし、どこぞの風水師がその方向は縁起が悪く、お金や幸運が出て行ってしまうといった不吉なことを言う。
そのため、相当な費用をかけ、観覧車の回転方向を反対にした。
結果、現在は海に向かって回るようになり、幸運をシンガポールへ呼び寄せているという。

シンガポール・フライヤーの乗客を乗せるカプセルは、三菱重工が製作したもの。
カプセルは全部で28個あり、1つのカプセルの定員も28名になっている。
これは偶然ではない。わざとだ。
中国文化で、「8」が縁起の良い数字であることはさっき書いた通りで、「2」もまたラッキーナンバーとされている。
中国系シンガポール人から聞いた話では、2は「対」を象徴していて、「8が2つ」ということでラッキーだとか。

ネットで調べると、中国文化の専門家がこんな説を紹介している。
中国人は左右対称のシンメトリーが好きで、対を意味する「2」は縁起が良いから人気がある。

ウィキベテアの「シンガポールの超高層建築物」によると、高い建物のランキングはこんな感じだ。

1位:グオコタワー(290m)
2位:ワン・ラッフルズ・プレイス(280m
2位:リパブリックプラザ(280m
2位:UOBプラザ(280m

シンガポール政府は、建物の高さを最高で 280mに制限したから、2位が3つ存在している。
1位のグオコタワーは例外だ。
政府が 280mに設定した理由は、飛行機の離発着を考慮したことや、こんな「縁起かつぎ」があるらしい。
「2 8 0」は中国語で
「èr shí bā」と発音する。
これは、「容易に繁栄する」という意味につながるから、中国系のビジネスマンが喜ぶ数字だという。

ソース:下の中国語学習のサイト

今の中国人は数字の「8」を本当にラッキーナンバーと思っているか?

 

ということで、中国人や中華系の人たちは基本的に偶数が好きだ。
一方で、羽生結弦さんとは違い、中国文化で奇数は好まれないらしい。

 

 

中国を知ろう! 「目次」

「縁起の悪い」という日本人の発想や迷信/亀有の由来

【言霊信仰】外国人から見た、日本の迷信の特徴

今の日本と中国:”精神的な日本人になりたい中国人”が増加中

4・13・666 はなぜ不吉? 日本と欧米の「忌み数」の特徴

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。