きょう8月29日は年に一度、全国の焼肉民が歓喜する「焼肉の日」。
この日は全国の焼肉屋で、肉が29%増量とか半額とか、495円の焼肉セットが31円になるといったキャンペーンが行われる。
ちなみに、「焼き肉」と「焼肉」の2つの表記があるけど、どっちも正解だから、ここでは焼肉とする。
日本にいた知人のドイツ人は、この焼肉の食べ放題を超気に入っていた。
その理由はシンプルで、彼は焼肉が大好きで、ドイツで食べ放題の店を見たことなかったから。
彼からすると、いろいろな肉の部位があることはオドロキで、こういうところに、日本の焼肉文化の奥深さを感じる。
ただ、彼が知らないだけで、ドイツでもデュッセルドルフなら、食べ放題の店があるかもしれないと言う。
2021年のデータによると、ヨーロッパで日本人がたくさん住んでいる都市はこの3つだ。
1位:ロンドン(約3万2000人)
2位:パリ(約1万人)
3位:デュッセルドルフ(約7100人)
この中でロンドンとパリは人口が多いから、日本人の「密集度」で言えば、デュッセルドルフがもっとも高い。
このヨーロッパ最大の日本街なら、たしかに焼肉食べ放題の店がある可能性は高い。
*調べてみたら、韓国系の食べ放題の店があった。
それにしても、焼肉の食べ放題なんて、世界中の国に普通にあるものだと思っていたら、実はそうでもないらしい。
ポーランド出身で日本に住んでいた外国人に聞いても、「焼き肉の食べ放題? ポーランドではそんなの見たことないな~」と首をかしげる。
リトアニア人も同じで、母国にそんなお得な店はなかったから、日本では牛角をこよなく愛していた。
インドネシア人がSNSにアップした焼肉
日本の食文化では、肉食をタブー視する見方がとても強かった。
それでも皆無だったわけではない。
江戸時代には、農民が猪や鹿を捕まえて、人口の多い江戸へ持ち込んで、「ももんじ屋」と呼ばれる店でコッソリと販売していた。
*「ももんじや」は百獣屋の当て字らしい。
当時、肉食は社会的にはイケナイことだったから、猪肉は「山鯨(やまくじら)」、鶏肉は「柏(かしわ)」、鹿肉は紅葉(もみじ)と呼ばれていた。
現代の日本でいうなら、覚醒剤や大麻を隠語で呼ぶようなものだ。
そんな日本も幕末に“鎖国”を廃止した後、欧米人の食文化の影響を受けて肉が食べられるようになり、明治時代には一般に広がっていった。
一方、ヨーロッパの食文化では、肉をタブー視する見方はほとんどなく、昔から肉をガツガツ食べていた。
最近、ウクライナ人と話をしていた時、ついこんなことを言ってしまった。
「日本は米文化の国だから、ご飯(白米)が主食だけど、ヨーロッパの国は小麦粉文化で、パンが主食になんですよね」
すると彼らがすかさず、「それは違います。ヨーロッパ人の主食はお肉ですよ」と訂正する。
その指摘を受けて、以前、同じことをリトアニア人に言って、「ちょっと待って」と同じツッコミを入れられたことを思い出した。
ドイツ人に聞いてみても、「そうそう。ドイツ人は確かにパンをよく食べるけど、主食は肉だよ」と太鼓判を押す。
「ヨーロッパ人の主食はパン」という固定観念を持っている日本人は、けっこう多い気がする。
日本とヨーロッパの食文化を比べたら、いまでも肉食の本場はヨーロッパだろうけど、焼肉の聖地なら日本だ。
年に一度、「焼肉の日」があって、全国の焼肉店がさまざまなキャンペーンを行うことがヨーロッパにあるとは思えない。
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洋食屋やファミレスに行くとライスorパンで選んでいるし
無意識にそう思っていました
ポテトが野菜ではなく穀物と知ったのも大人になってからでしたw
餃子定食やお好み焼き定食まで本当に日本人は米好きですね
そうなんですよね。
日本人にとっての米は、欧米人にはてっきりパンかと。
知人の香港人は冷たいお米が嫌いでしたが、日本に来てからはおにぎりが好きになりました。
日本のお米は別格ですよ。