【日本の新幹線】イギリス人を感激させる3つのポイント

 

外国人が日本へ旅行に行くとしたら、何をしたいと思うか?
秋葉原で「メイドカフェ体験」、京都で「舞妓体験」をする外国人は多いが、それを楽しめる層は限られている。
性別や年齢に関係なく、幅広い外国人に人気のある体験と言えば、新幹線に乗ることだ。
今回は対象をイギリス人にしぼって、彼らを感激させる新幹線の3つのポイントを紹介しよう。

 

ことしの夏、スコットランドの名門サッカーチーム「セルティック」が来日して、ガンバ大阪などと試合を行った。
その時のチームの様子は、公式サイトの「旅ブログ」で見ることができる。
イギリスのマイルドな気候に比べて、日本の蒸し暑さは控えめに言って強烈だから、セルティックの選手や関係者は来日すると、さっそくそれにマイっている。
日本ツアーの4日目の記録には、彼らはみんな新幹線(bullet train)に乗ることを楽しみにしていたと書かれている。(Japan Tour Travel Blog: Day 4

「I think everyone was excited that we were travelling to get the bullet train.」

新幹線は、海外では「弾丸(bullet)」と呼ばれるほどの速さを誇るが、乗ってしまうと、あまりのスムーズさに速度を忘れてしまう。

「once on the train you forget the speed you’re moving at because the thing is just so smooth.」

この旅ブログのライターは、個人的に新幹線での移動を日本滞在のいちばんの楽しみにしていて、実際、それは期待を裏切らなかったと満足そうに書く。
少し残念だったのは、途中の景色は素晴らしかったものの、富士山が雲に覆われていたこと。
横浜~大阪の500㎞を移動する最高の方法は、世界的に有名な新幹線に乗ることだと、筆者は新幹線をべた褒めだ。
ちなみに、ネギトロの寿司が4つでわずか2ポンド(約360円)だったことには、「アメージングだった」とビックリした様子。

イギリス(スコットランド)人の『新幹線体験記』に、日本のネット民の感想は?

・なんかブラピの新幹線の車内を舞台にした映画からバズってるみたいね
・リニアは速いが景色が無い
・トンネル区間が8割を占める北海道新幹線……
・新幹線乗りたいがために日本に来たチームも以前あった
・ほら見てみ 新幹線ではご飯食べるものだ
551の豚まん解禁せい
・昔のイギリスで長距離乗ったが、特急クラスでも200km/hくらいで遅いし時間守らんし、長時間遅れで特に案内も無し

 

 

高速移動を感じさせないほどスムーズだったというのは、きっと新幹線の安定感ある乗り心地のことだ。
以前、知り合いのイギリス人と話をしているときに、彼女が「500円チャレンジ」に挑戦した話を聞いた。
ある日、そのイギリス人がSNSを見ていると、たまたまこんな動画を見つけた。
どこぞの外国人が「みんな、新幹線の乗り心地は最高なんだ。移動中でもコインが立つんだぜ!」と言って、窓際の水平なスペースに500円玉を垂直に立ててみせた。
彼女は「マジか!」と驚き、ビュンビュン流れる窓の外の景色とコインの「動と静」の組み合わせに魅了された。
その後、新幹線に乗る機会があったから、自分もその動画をSNSにアップしようと挑戦してみたが、なかなかうまくいかない。
それでもわずかの間、500円玉が立っていたから、彼女が「クララが立った!」みたいな感動を感じる瞬間はあったらしい。

*ネット情報によると、これはどの新幹線でもいいワケではなく、北陸新幹線のW7系でやると成功する可能性が高いとのこと。

 

新幹線について、イギリス人が感激するポイントは、スピードと安定感に加えて「時間厳守」がある。
1975年に来日したエリザベス女王は、「新幹線は時計よりも正確だと聞いています」と話し、新幹線に乗ることを楽しみにしていた。
女王陛下を待たせた公共交通機関なんて、世界で新幹線だけでは?

【日本の鉄道】エリザベス英女王が新幹線に期待したこと

 

数年前、日本で英語を教えていたイギリス人の娘に会うために、母国から母親がやってきた。
成田(か羽田)空港に降りてから、在来線や新幹線を利用して浜松駅に到着した母親は、

「ここに来るまで、1分の遅れもなかった! イギリスならこれは事件よ!」

と興奮気味に語ったという。
娘の方は、この国でそれはアタリマエのことだと知っているから、「ようこそ日本へ」とニッコリ笑って母を出迎えた。

 

1894年のきのう10月5日、日本初の本格的な時刻表(汽船旅行案内)が出版された。
(この年の7月に日清戦争が始まったのだけど、国内はわりと穏やかだったのか?)
1872年(明治5年)に日本で鉄道が開業したときから、簡単な時刻表は使われていて、列車はその時刻表通りに運行されていた。
乗客は当然、その時刻に合わせて行動しないといけなくなり、このことで日本人の時間厳守の感覚が向上したとされる。

スピードと乗り心地、そして分単位で正確な運行。
現代のイギリス人を驚かす新幹線の歴史はこの時代にはじまった。

 

 

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

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ヨーロッパ人が話す日本人との違い:権利と主張・規律と協調性

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。