日本に住むインドネシア人の話 宗教・多様性・失敗など

 

日本の大学で学んでいるインドネシア人の知り合いがいて、彼とはもう2年の付き合いがある。
しばらく会ってなかったし、もうすぐ冬休みだから、一緒に御飯を食べに行こうと彼に連絡すると、「そのころには母国にいるから、それはできない」と返信がきた。
冬休みに帰国する外国人はよくいる。
彼にいつ日本へ戻ってくるのか聞いたら、「いや、一時帰国ではなくて“完全帰国”なんだ」と言われてサプライズ。

イヤイヤ、2年の付き合いがあるのに、なんで「お別れ」を伝えてくれなかったのかな?  という思いが彼には通じない。
インドネシアに戻った後でも、話ならいつでもネットでできるから、彼にとってはそれほど重要なことではないらしい。
むしろ、「帰国の準備で忙しいオレの状況を理解しやがれ」という思いだった予感がする。
インドネシアの人たちは基本的に「こまけぇこたぁいいんだよ!!」という考え方をしていて、時間の遅れや他人のミスをあまり気しない。
インドネシア人と付き合っていると、日本人とはこのへんの感覚の違いがどデカいとよく思う。

それでも、帰国する前に彼と会って話をしたから、今回はその内容を紹介しよう。
ちなみに彼はインドネシアによくいるイスラム教徒だ。

 

リラックス法

論文の締切に追われたり、身内に不幸なことがあったりして、ストレスがたまりまくって夜もあまり眠れない時期があった。
そういう時は、深夜に静かに神(アッラー)にお祈りをするか、クルアーンを読むと心が心がリラックスして、落ち着いて眠ることができる。

 

バラカ

イスラム教の考え方では、お米の一粒一粒に「バラカ」(神の祝福・恩恵)がある。
だから、出された食事を残さずに食べることは、日本人にとってはマナーとして大切だけど、イスラム教徒にとっては宗教的に重要な行為になる。

 

多様性

インドネシアではいろんな民族が暮らしいて、文化や常識はそれぞれの場所によって違う。
自分が育った地域では、食事を残すことが礼儀だとされていたから、別のところでも同じようにしたら、「それはマナー違反だ」と注意されたことがある。
インドネシアでは違いを受け入れることが重要だから、人々は細かいことを気にしない。

 

国民をまとめるもの

「インドネシアは多民族国家だから、同じ国民でも地域によって言葉が通じない」と言うと、日本人はよくビックリする。
*ネットで調べてみたら、民族は1000以上、言語は700以上もあると説明するサイトもあった。
それで、20世紀のはじめに、共通語としてインドネシア語が作られた。
それによって、すべてのインドネシア人がお互いに会話できるようになった。

 

日本語をあきらめたワケ

日本に来た時は、日本語を学ぶ気マンマンで、大学の日本語教室に通っていた。
でも、そのころ、たまたま断食をするラマダンの時期と重なっていた。
それでお腹が減っていたり、睡眠不足だったりして、体調が良くなかった。
そんな事情を説明したのに、日本人の先生は理解してくれず、ほかの宗教の留学生と同じように、たくさんの宿題を出してきた。
その先生が厳しすぎたから、日本語を学ぶこともイヤになってしまった。

 

日本のお土産

両親に何が欲しいか聞いたら、父は日本の服、母は化粧品をリクエストしたから、今回の帰国ではそれを用意した。
友だちや知人には、個別包装された「バラマキ菓子」で十分。
姉は「iPhone 15」が欲しいと言っていたから、このまえビックカメラでそれを買った。
インドネシアでは輸入品に高い税金がかけられるから、日本のほうが安く手に入る物もある。

 

失敗談

日本には、抹茶やミカンなどさまざまな味のキットカットがあるから、一時帰国した時、お土産にめずらしいキットカットを買って友だちに配った。
そしたら、後でそれはハラルじゃなかったと分かった。

*イスラム教徒は豚肉やアルコールを禁止されていて、ハラル(“許された”の意)の飲食物を口にしている。

でも、知らずに口にした場合は許されるから、みんなにはいまでも黙っている。

 

ということで今回の結論

インドネシア人は「こまけぇこたぁいいんだよ!!」という主義だけど、イスラム教に関することについては日本人よりも細かく、用心深くなる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。