タイ人が「欧米人より日本人が好き」と感じる2つのポイント

 

いまの日本の若い人たちは知らないだろうけど、1990年代に「タイは若いうちに行け」というCMのコピーが話題になった。
タイは世界的に人気のある観光地だから、毎年さまざまな国から、おびただしい数の旅行者がやってくる。
だから、タイの観光業で働く人にとっては、外国人の「キャラ」の違いが見えてくる。
今回のテーマはタイ人から見た、日本人と欧米人の考え方や行動の違いについて。

 

タイの鉄道駅で飾られていた国王夫妻の写真(か絵)

 

日本とタイの共通点といえば、天皇と国王という「君主」の存在がある。
皇族と王族はむかしから交流があって、これが日泰友好の土台になっている。
たとえば昭和の時代に、現在の上皇さまがタイの食糧難を知り、50匹のナイルティラピアを養殖用にタイへ贈った。
その後、プラー・ニンはタイ全土に広まり、いまでは国民的な食材になっている。
上皇さまのお名前「明仁(あきひと)」の「仁」にちなんで、プラー・ニンと名付けられたところに、タイの人々の天皇に対する感謝の気持ちが伝わる。

日本とタイの関係・天皇と国王の友好の魚「プラー・ニン」

 

ただ、国民の「思いの深さ」で言えば、日本がタイに勝てる気がしない。
タイを旅行中、駅や空港といった公共の場で、ロイヤルファミリーの写真が飾られていたのを何度も見たし、あるショッピングモールでは、入口にあった王の写真に手を合わせ、頭を下げてから店に入る人もいた。
王の像の前にひざまずき、手を合わせて祈る国民もいる。

日本でも新年の一般参賀では、コロナ前には8万人が皇居に集まり、皇族の方々に国旗を振って歓声を上げていたが、手を合わせて祈る人なんて見たことない。
王室に対するタイ国民の思いの深さは別格だ。
それでも日本人なら、ちょっとついていけない部分もあるけれど、タイの人たちの気持ちは理解できると思う。
しかし、欧米人はそうじゃない。

知人のタイ人はバンコクの大学でこんな経験をした。
アメリカ人やヨーロッパ人の留学生と話をしていると、街中に王族の写真があることについて、「洗脳しているみたい」と言われ、イラッとなって「それは違う。タイの国民にとって国王は父親みたいな存在だから、見守られているようで安心できる」と反論する。
そしたら、「だーかーらー、それが洗脳なんだって」と重ねて言われ、「この人たちには理解できないんだ」と壁を感じ、心から不快になった。
そのタイ人が日本の大学に通っていた時は、日本人もタイの国王には一定の敬意を持っていたから、いろいろな話をしても、不愉快な思いをしたことは一度もなかったという。

 

 

ラーマ5世は、おそらくタイで最も尊敬されている国王。
国民が彼を神のように思い、熱心に祈りを捧げる光景はタイの日常だ。

 

 

タイの人たちが欧米人と比べて、日本人に親しみを感じるポイントとしては、「王族への配慮」だけでなく、「肌の露出が少ない」ということもある。
たくさんの外国人観光客が集まるバンコクのカオサンロードで、お土産屋のスタッフと話をしていると、彼が急に不機嫌そうな顔をして、「なあ、あれを見ろよ」と指をさす。
その先には、自分の肉体を誇示するような2人の白人がいた。

 

韓国人だと別のポイントで怒る。

 

この店員の話によれば、上半裸で通りを歩く欧米人はめずらしくない。
ビーチならそんな格好でもいいが、街なかではマナー違反。
彼の感覚では、こんな外国人を見ると、「タイを見下している」と不愉快になる。
その点、日本人はここまでの露出はしないから、タイ人の常識に合っていて、違和感は感じても不快感はないと言う。
タイ南部のリゾート地へ行った時には、現地のホテルスタッフから、欧米人に対する別の苦情を聞いた。
ビーチで水着姿で日光浴をするのはいいが、欧米人女性の中にはトップレスで横になる人もいる。
タイの文化に対する理解や配慮がないから、それを失礼に感じるタイ人は多い。
日本人観光客はマナーが良いし、部屋もきれいに使うから、ホテルとしては大歓迎らしい。

 

とうことで、ボクの経験からすると、タイの人たちにとっては「王室への敬意」と「露出度の低さ」の点では、欧米人よりも日本人のほうが好まれている。
最近、そんな欧米人のマイナス面がコンボになった事案が発生。
あるタイ人が王宮の前の広場で、2人の白人女性がビキニ姿で寝そべり、気持ちよさそうに日光浴をしているのを目撃し、それを写真に撮ってSNSにアップした。
するとすぐに炎上し、多くのタイ国民を怒らせた。

 

 

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タイ人の反応を見ると、「日光浴をして、この広場を有効活用しましょう 555」というコメントが例外的にあったが、ほとんどは批判的だ。

「彼らはタイの文化を理解していない」
「外国に対する敬意がありません。彼らには教育が欠けています」
「国によって文化や宗教が違うのは当然。海外へ行くのなら、最低限のマナーは調べて理解しておくべきだ」

タイの王宮は、日本なら皇居に相当するから、この広場でこんな格好をする日本人がいるのは想像できない。
そもそも日本には、公園で水着姿になって日光浴をする習慣がない。
いろんな意味で、日本人なら起こり得ない事案だ。
こういう点では、きっとタイ人は欧米人よりも日本人に親近感を感じる。
でも、「金払いの良さ」ということでは、日本人はチップを渡さないから、タイ人は欧米人のほうが好き。
日本人としてのマナーや配慮を持って、タイは若いうちに行け。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。