「外国人は納豆が苦手」という日本人の認識は時代おくれ?

 

世界の料理をランキング化して紹介するサイト、それが「テイスト・アトラス」。
去年のいまごろ、そのサイトで「世界のワースト料理100」が発表され、日本の食べ物が2つランクインして、ちょっとした話題になった。
その不名誉な2つとは、「雷おこし」で有名な米菓子の「おこし」(40位)と「ナポリタン」(26位)。

外国人に不評だった理由は、「おこし」は作るのに手間がかかることで、「ナポリタン」は麺をゆですぎることらしい。
このとき日本のネット界隈では、世界ワースト料理にこの2つが選ばれて、納豆が入っていないことに疑問を感じる人が多かった。
外国人が苦手な日本の食べ物の鉄板は納豆、そう考える日本人はよくいる。

 

(個人差はあるけど)日本人のソウルフードである納豆は、どうやってこの島国で生まれたのか?
諸説ある中で有力なのが、豆と藁(わら)のマリアージュ(良き出会い)。
古代から日本には大豆があったが、そのままだと硬くて食べにくいから、弥生時代の日本人は大豆を煮ていたと考えられる。
その時代、住居の床には藁が敷かれていたから、ある暖かい日、煮豆に藁の納豆菌が付着し、ぐうぜん発酵して糸引き納豆が誕生した。

この説はヨーグルトのはじまりと似ている。

日本にいるブルガリア人の話/ヨーグルトの歴史

 

日本人と納豆の付き合いには、約2千年の歴史があって、いまではすっかり朝の定番メニューになっている。
でも、初めて見る外国人にとっては衝撃的な一品。

知人のアメリカ人は日本の学校で英語を教えていて、ある日、給食で納豆が出てきた。
彼女は以前から悪評を耳にしていたから、スーパーやコンビニで見かけても手に取ることはなかった。
お金を出して食べたいと思っていなかったから、これは神さまが与えてくれた機会だと思い、彼女は納豆チャレンジをすることにした。
しかし、「見た目・におい・(かき混ぜるときの)音・味・食感」の五感すべてが納豆を拒否したから、すぐに撃沈される。
その学校では基本的に、外国人の先生も給食を完食することになっていたけれど、教室にいた先生と生徒は満場一致で「納豆なら仕方ない」となって、彼女には特例が認められた。

 

そんな納豆に対する外国人の見方も、最近では変化しつつある。

『フライデーデジタル』の記事(2/17)

【海外でブーム】「納豆」の輸出が6年で倍増…「スープに入れて」の中国、米国では「そのまま」が主流

「納豆は健康に良いんだぜ」というイメージが広がって、このところ海外での人気が高まっていて、日本からの輸出額は6年で倍増した。
健康志向だけなく、訪日外国人が納豆を食べて気に入り、帰国後に購入するようになったことや、日本食品は安心・安全という信頼感が輸出増を後押ししているらしい。

日本ではご飯のマブダチの納豆も、海外ではいろんな食べ方がされている。
中国や東南アジアではスープに入れたり、アメリカでは辛子やたれを使わず、納豆をそのまま食べたりする。
もちろん、五感すべてが拒否反応を起こす外国人はいるし、国によっては納豆の原材料が法律にひっかかって輸出できないこともあって、まだ世界的なブームにはなっていない。

このニュースに日本のネットユーザーの感想は?

・スープはないわ
ネバネバが美味しいのにスープに入れたら納豆菌が…
・単に今は円安でクソ安く買えるからっていう一時的なあれちゃうの?
・日本人は納豆と米さえ有れば生きていける
・タレ使わないは無理だわ
アメリカ人のほうが通っぽい食べ方しやがるとは
・いやいや、そんなに食うなよ
日本国内で品薄とかシャレにならん

「外国人は納豆が苦手」という日本人のステレオタイプは、もう時代と現実に合わなってきている。

 

 

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

ここまで進んだ日本の昆虫食!ゴキブリカレーにセミの揚げ

ジャガイモの歴史:ヨーロッパ・宗教の禁止・ポテトの由来

外国人の質問「すしを食べるのは箸か素手か?」の答え

親日アメリカ人の話:日本との歴史や文化の違い、驚いた食べ物

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。