つい先日、ロシアでプーチン大統領の政敵だったナワリヌイ氏が、不自然な死に方をして世界中の注目を集めた。
ロシアではこの2年間で、射殺されたり、病院の窓から転落死したり、なかには紅茶を飲んだら突然死した人がいて、不可解な死をとげた人が50人以上もいるという。
朝鮮日報の記事(2024/02/19)
紅茶を飲んで意識喪失、首をつった遺体も…プーチン大統領に反対し不可解な死を遂げた人物はわずか2年で50人
「これ、毒です」と教えてくれる人がいれば、救えた命もあったと思うのだけど…。
上のアニメでは、さまざまな毒草で耐性を身につけた「猫猫(マオマオ)」という少女が毒見役をしている。
実際、中国の歴史では、要人の暗殺にさまざまな毒が使われた。
古代の中国で、もっとも恐れられた毒は「蠱毒(こどく)」だろう。
2021年に、神奈川県で子どもたちがカブトムシやクワガタムシを戦わせる「昆虫王者決定戦」が開かれた。
このときはカブトムシ部門でコーカサスオオカブトが、クワガタムシ部門ではスマトラオオヒラタクワガタがそれぞれ頂点に立った。
蠱毒の発想もそれとよく似ている。
これは、蛇・カエル・クモ・ムカデなどの毒のある生き物を集め、それらを容器に入れて殺し合いをさせて作る呪術的な毒のこと。
古代の中国人はこの蠱毒を心の底から恐れていたから、法律でその使用を禁止し、使った者は処刑された。
蠱毒は日本にも伝わり、同じように法律によって禁止された。
8世紀に、聖武天皇の娘である井上内親王が蠱毒を使用し(とされ)、罪に問われた例がある。
蠱毒は中国でうまれた毒なのに、現代の外国人は「日本のもの」と認識している。
九尾の狐(きゅうびのきつね)
霊獣(または妖怪)の九尾の狐は人間を食べるとされる。
逆に、この霊獣を食べた者は蠱毒に打ち勝つという。
この蠱毒について、外国人はどう思うのか?
ネットで聞いてみたところ、西洋の文化や価値観からすると、東アジアの呪術的なものに魅力を感じる人は多いらしい。
・Lol now I understand how naraku in inuyasha works….
ようやく、『犬夜叉』の奈落の仕組みがわかったような気がするwww
・Coming from a foreigner. I can say I don’t believe in any kind of magic, But I find the stories very interesting.
外国人の立場からすると、わたしはこの手の魔法を信じないが、その話はとても興味深い。
・Darwin’s Theory
ダーウィンの理論だね。
・I have heard of this. I found it fascinating and disgusting at the same time.
蠱毒を聞いたことがある。魅力的であると同時に、嫌悪感を覚えたよ。
・Good thing it’s illegal now. I heard that it was also became an inspiration for a thriller manga.
今は違法になってよかった。
蠱毒はホラー漫画の題材にもなったと聞いた。
・I heard about it on a paranormal YouTube channel, sadly I can’t remember which one. Very fascinating story, and I would be interested to learn more.
ユーチューブの超常現象チャンネルでこの話を聞いた。
とても興味深い話なので、もっと知りたい。
・First time I hear of this, and find it very interesting.
初めて聞いたが、とても興味深い。
以下、日本語訳のみ。
・(蠱毒は)なんて恐ろしい作り方なんだ。
悪魔が考えそうなことだ。
・西洋社会では、「呪い」という概念がほとんど存在しない。
韓国のシャーマンや日本の陰陽師、中国の道士のように、人を呪ったり悪魔祓いの儀式をしたりする人はいなかった。
迷信や超自然的なものを信じる人は、教養がないと見なされる。
しかし、わたしたちは怖がることが大好きだから、たくさんのホラー作品や幽霊のテレビ番組がある。
個人的には、キャンプファイヤーで火を囲んで怖い話を聞いたことはあるけど、日本の「きもだめし」みたいな活動は知らない。
・中世のヨーロッパでは、呪術は厳禁されていて、その疑いをかけられた人物は火あぶりにされることがありました。
・イギリスも同じく。
15世紀から18世紀にかけて、イギリスでもそんなことがあった。
裁判は茶番で、有罪か処刑かを決めるだけ。
・そう、この概念は西洋の文化や歴史にはほとんど見られない。
日本のアニメで蠱毒を知って、わたしはとても魅了された。
わたしは西洋文化にはないアジアの神話や幽霊、悪魔の話が大好き。
・呪術(魔法)はキリスト教で強く非難されていたので、魔術に関する技術や呪文についてはアジアほど知られていない。
イギリスのヴィクトリア朝時代には科学が重視され、迷信や超自然的なものは否定され、軽蔑された。
密かに錬金術の研究は盛んだったけどね。
・わたしは蠱毒の話を聞くと、「毒娘(poison girl)」を思い出す。
毒娘とは、毒草や毒の花に囲まれ、毒を養分として育った女性のことで、普通の人がその息に触れただけで命を奪われることがある。
いろんな毒に耐え抜いた毒娘は、蠱毒で生き残った虫と似ている。
彼女は多くの作品に登場するが、その人生はほとんど悲劇的だ。
現実の世界でも、昔のヨーヨッパでは王族が少しずつ毒を摂取することで、毒への耐性を高め、毒による暗殺を防ごうとしたという話を聞いたことがある。
*毒娘の具体例には、小説の「ラパチーニの娘(Rappaccini’s Daughter)」がある。
毒草の中で育った女性ベアトリーチェは強い毒耐性を持ち、ついには彼女自身が毒の化身となった。(つまり猫猫の大先輩)
彼女の近くを飛んでいだチョウが地面に落ちたり、彼女が触れると新鮮な花束が急にしぼんだりした。
しかし、ベアトリーチェはとても美しく、彼女を見た男性がホレてしまい…、続きは小説で。
・資本主義が一種の蠱毒だ。
ビジネスに強いものだけが生き残れる。
前に誰かが言ったようにダーウィン的だね。
したがって、その理論はめずらしいしいものでも、理解しにくいものでもない。
ただ、たくさんの毒虫をツボに閉じ込めて、もっとも強い者が勝つというアイデアはとても詩的で、人生の苦難を耐え抜く寓話のようだ。
私は蠱毒の話をとても楽しんでいる。
わりとグロいので、自己責任で。
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