古代の中国とアステカ帝国で「お金」として使われたモノ

 

前回、チョコレートの話を書いたのですよ。

日本通のアメリカ人、バレンタインデーの違いを語る

今回はそのスピンオフで、チョコに関する話をちょこっと書いていこう。

 

 

知人のメキシコ人が日本語の授業を受けていると、先生からこんな興味深い話を聞いた。
古代の中国人は貝をお金として使っていたから、買・財・貯・貸・費など「貝」のつく漢字にはお金に関するものが多い。
「負ける」という漢字も、敗者は財産を勝者に分け与えることを表している。
彼はこの話を聞き、表意文字である漢字のおもしろさに触れて感動した。と同時に、アステカ帝国のことを思い出す。

 

チョコレートの主原料であるカカオは中南米が原産地で、5000年以上前から栽培され、現地で食べられていた。
15〜16世紀、現在のメキシコの地で栄えていたアステカ帝国では、カカオ豆から作られるチョコレートはとても貴重で、皇帝や貴族が飲むような高貴な一品とされていた。

アステカ帝国を滅ぼしたスペイン兵士の記録によると、皇帝モクテスマ 2世は食事をするとき、黄金の器に入ったチョコレート以外の飲み物を口にしなかった。

that when Moctezuma II, emperor of the Aztecs, dined, he took no other beverage than chocolate, served in a golden goblet.

Cocoa bean 

モクテスマ2世(1466年 – 1520年)
アステカ最後の君主

 

この当時のチョコは、トウガラシなどの香辛料などを入れた苦い飲み物で、体力をつけるために飲まれていたという。
つまり、アステカ版の「リポビタンD」や「レッドブル」のようなもの。
「チョコレート」の言葉の由来はアステカ民族の言葉、ナワトル語のショコラトル(苦い水)という説がある。

 

カカオ豆はそれ自体に高い価値があり、使いやすい大きさで、乾燥させれば長期の保存が可能になる。
そんな特性から、アステカ帝国(やマヤ文明)ではカカオ豆が通貨として使われていた。
たとえば、七面鳥1羽ならカカオ豆100個、新鮮なアボカド1つがカカオ豆3個で買うことができた。

Cocoa beans were often used as currency. For example, the Aztecs used a system in which one turkey cost 100 cocoa beans and one fresh avocado was worth three beans.

Chocolate

カカオ豆

 

16世紀にマヤ文明を滅ぼしたスペイン人もこのシステムを利用し、植民地として支配していた時期に、現地の人たちに労働の対価としてカカオ豆を支給していた。
まだコインが存在していなかった時代、古代中国では貝、アステカ帝国やマヤ文明ではカカオをお金として使っていたのだ。
それぞれのお国事情が表れている。

 

「カカオ」を表すマヤ文字
わりとかわいい。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。