アメリカ人から見た“たこ焼き” 自分は好きだけど難点は… 

 

1997年に群馬県で爆誕した「築地銀だこ」。
実演販売や新鮮な具材を使うといったこだわりに加え、関西風と違って表面をカリッカリに焼き上げるスタイルのたこ焼きが人気を集めた。
すぐに天下を統一し(全国に店舗がつくられ)、2004年には香港に海外1号店がオープンした。

直近では、「オオタニ効果」をねらったのだろうけど、築地銀だこがアメリカのドジャー・スタジアムにも進出。
日本と同じようなたこ焼き以外にも、チーズとサルサ、チーズとワカモレ、天ぷらとスウィートとサワー」といったアメリカ風たこ焼きがラインナップされていて、たこ焼きとホットドックという日米のコラボ商品も販売されている。

でも、どうせお高いんでしょ? と思うかもしれないが、6個で13・99ドル(約2100円)とやっぱり高かった。
日本人の感覚からすると、これはもう庶民の食べ物じゃない。
ネットを見ると衝撃を受けたり、あきらめたりする人が続出中だ。

・2時間働いてたこ焼き6個かよ!
・たこ焼き6個&ビール1杯で4000円以上www
・先進国と比べるなよ
・握手1000円の方が非常識だろ
・ワイの近所は8個300円やで

 

ニューヨークに住んでいる知人の話では、ラーメン1杯を食べるとチップを含めて3〜4000円になると言っていたから、ドジャー・スタジアムという場所代も加わっていると考えれば、たこ焼き6個で2100円というのはアメリカでは妥当な値段か。
それに、「American size」という英単語は「非常に大きい」と訳せるように、アメリカの食べ物は基本的に何でも大きい。
たこ焼きも日本のジャンボサイズが、あちらでは標準サイズかもしれない。

 

ドイツ人がヨーロッパのネットストアで買ったたこ焼き器

 

知り合いのアメリカ人は数年前まで日本で英語を教えていて、いまは母国に戻ってジョージア州で働いている。
以前、彼女と話をしていると、たこ焼きの話題が出てきて、こんなことを言っていた。

 

私は日本に来て、初めてたこ焼きを食べた。
味・食感・においが良くて気に入ったから、たこ焼き器を買って自分で作ったり、友だちを呼んでタコパを開催したこともある。
もちろん、みんな喜んでくれた。
アメリカでは寿司が超有名で、最近ではラーメンが知られるようになってきたけど、たこ焼きはまだまだ無名。
アメリカ人にとってタコはなじみのない食材だから、拒否感を感じる人もいると思う。
海岸近くの都市にいて、シーフードをよく食べる人たちならまだいいとしても、内陸部だとハードルが高そう。
アメリカでは、たこ焼きを売っている店やスーパーで冷凍のたこ焼きを見たことはない。
たまに行く韓国系アメリカ人が経営している雑貨店には、たくさんのアジア食品があるから、そこならたこ焼きがあるかもしれない。

 

ということで、彼女が考えるに、アメリカ人にとっては「タコ」がネックになりそう。
これはタコ焼きにとっては致命的だ、ということでもない。
いまの日本でもタコの代わりにチーズやお餅、エビ、納豆、アボガド、チョコレートを入れて、“何でも焼き”になっているから、アメリカ人がチーズを具材にしてサルサソースをつけて食べるのも十分アリ。

では最後に、「Q&A」サイトのクォーラにある、「アメリカ人はタコ焼などの日本食が好きなの?」に寄せられたコメントを紹介しよう。

Do Americans like to eat Japanese food such as takoyaki?

・私はたこ焼きが好きだけど、それを一般化することはできない。
率直に言って、アメリカ中西部の人たちは中にタコが潜んでいると知ったら、引いてしまうだろう。でも、もし、そうでなかったら、きっとたこ焼きを楽しむことができる。

・正直なところ、たこ焼きは多くのアメリカ人の好みから、少し外れていると思います。

・たこ焼きやお好み焼きは、ほとんどのアメリカ人にはあまりなじみがないだろう。

・「好きな人もいれば、そうでない人もいる」ということだ。日本人でも嫌いな人はいるだろうさ。
・アメリカでたこ焼きを見たことはない。
「日本祭り」が開催されると、屋台で出されることはあるかもしれない。

・私の知っているほとんどのアメリカ人はたこ焼きが好き。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。