外国人がお好み焼きを好きなワケ・ほかの料理と違うトコ

このまえ広島で行われた先進７カ国首脳会議で、日本人での知名度が急上昇したのがイギリスのスナク首相。
＊でも、「すなくしゅしょう」で漢字変換したら、「砂区首相」になったからそんなでもないかも。
スナク首相は渋谷で焼き鳥を食べ、岸田首相との会談では広島カープの赤い靴下を見せて、広島ではお好み焼きに挑戦した。
その様子をSNSで公開すると日本のメディアが取り上げて、親しみやすさから人気と知名度が爆上がり。
でも、Ｂ級グルメで庶民派をアピールする一方で、日本企業から約３兆円の投資を呼び込むことに成功した超有能な人でもある。

岸田首相のおすすめで、スナク首相がお好み焼き作りに挑戦！ pic.twitter.com/1JA6oGEssq

— 🇬🇧UK in Japan🇯🇵 (@UKinJapan) May 20, 2023

今回の広島サミットで、日本の強力なサポーターになってくれたのは、間違いないなくお好み焼きさんだった。
もうこれを入れて「G８」にしていいレベル。
あの丸い形は禅の思想に由来して、完全な調和や円満を象徴するという話はウソだが、日韓のファーストレディーがそれを食べて、韓国の全国メディアが取り上げたのはホント。

朝鮮日報（2023/05/22）

尹大統領夫人と岸田首相夫人、「お好み焼きランチ」で交流

５月上旬に岸田首相夫妻が韓国を訪れた際、金建希（キム・ゴンヒ）夫人が「広島のお好み焼きを楽しみにしている」と語ったことから、このランチ会がセッティングされたという。

ただ戦後の広島で、お好み焼きが盛んになったことには悲しい理由もあるのだ。

お好み焼きの歴史／広島のソウルフードになった“悲しい”理由

５年ぐらい前にアメリカ人の友人から、近いうちに両親が日本へ旅行に来るから、彼らに浜松市内を案内してほしいと頼まれた。
で当日、ご両親を浜松城やお寺に案内した後、そのアメリカ人と合流して夕食を食べに行く。
もう寿司や天ぷらといった日本食は満喫したということで、お好み焼きと焼きそばの食べ放題の店をチョイス。
後で友人から聞い話では、日本旅行で両親がいちばん気に入った食べ物はそのお好み焼きだった。

日本料理はとても美味しいし盛りつけもすごくキレイで、基本的に大ざっぱなアメリカ人と違って日本人が繊細なことが分かる。
でも、アメリカ人の胃袋のサイズからすると圧倒的に量が少ない。
（日本人がアメリカへ行って油断すると、すぐに日本から持ってきた服がきつくなることがある。）
だから、「食べ放題」はその不満を完ぺきに解消してくれるし、お好み焼きのクリスピーな食感やソースの味もいい。
それとその両親にとって新鮮だったのは、いろんな具材のお好み焼きを選んで、それを自分で作ることができたという点。
肉や野菜を切るといった面倒な部分は店がやってくれて、最後の仕上げの部分だけをまかされるから、簡単だし達成感もある。
両親にとってはレストランで、料理を自分で作る経験をしたのはあれが初めてだったからとても印象的だったらしい。
焼き加減でパリパリ、サクッ、シットリと食感が変わるし、かつお節や青のりといったトッピング、ソースやマヨネーズの有無や量によって味がいろいろ変化するのもいい。
＊アツアツのお好み焼きの上でカツオ節が踊っていたから、父親は最初に見た時、「なんだこれ…」と気味悪く感じたらしい。

このアメリカ人以外にも、豚肉や牛肉を食べられないイスラム教徒やヒンドゥー教徒、それと「生肉は苦手だから寿司はちょっと…」という外国人にもお好み焼きの受けはすごくよかった。

英語でお好み焼きの情報を集めると、こんな感じに「DIY」という言葉がよくセットになっている。

・DIY Okonomiyaki Kit Japanese Savory Pancake Easy Cooking
・[DIY] Making ‘OKONOMIYAKI’ Turner
・Great DIY okonomiyaki – Review of Hatsuse, Chuo, Japan

大坂メトロのHPにある外国人向けの食レポ記事で、ガーナ人のセドリックさん（だれ？）がお好み焼きを推している。
シェフが目の前で焼いてくれるお好み焼きもいいけど、自分で作ってみたいとずっと思っていたという。

whether they cook it in front of you at the counter or at your table, or bring out freshly made okonomiyaki on an iron plate—but I’d always wanted to try the art of making okonomiyaki myself.

DIY Okonomiyaki,An Osakan Favorite

日本へきた外国人におもてなしをするのなら、お互いに作ったお好み焼きをシェアするという選択肢はきっと失敗しない。
相手の体のサイズによっては食べ放題へGO。
今回のG７広島サミットでそれが証明されたといってヨシ。