大統領「日本は外国人が嫌い」 米国民が考える失言の背景

 

・どんだけ日本人嫌いやねん
・これがアメリカの本音だよ
・移民で出来た国(ネイティブアメリカンを追いやって)と日本ではまた違うわな
・日本のルールを守らない外国人は嫌いだよ
日本の社会に溶け込もうとする外国人はウェルカム
・好き勝手言ってんね

今月はじめ、バイデン米大統領がワシントンで行なった演説で、中国やロシア、インドと並べ、日本について「外国人が嫌い(xenophobic)」と発言したことで、日本のネットではこんな不満が噴出。
日本政府の関係者も「何を言っているのかとあきれる」とお怒りの様子だ。

バイデン大統領は 11月に行われる大統領選に向け、有権者に移民を大切にする姿勢をアピールするつもりで、こんな発言をしたらしい。
ホワイトハウスの報道官は発言の真意について聞かれ、「大統領は米国にとって移民がいかに重要かについて話していた」と釈明した。
なんで、この文脈で同盟国を“ディスる”必要があったのか?

 

 

知人のアメリカ人女性は日本の学校で英語を教えていて、静岡に3年ほど住んでいたことがある。
「最近は卵の値段が上がって、生活が大変なのよ〜」とスムーズに言えるほど、日本語のレベルは高いく、日本の事情にもくわしい。
今は母国にいる彼女に、今回の「バイデン発言」ついて意見を聞いてみた。

すると、彼女は「“日本は外国人が嫌い”って大統領が言ったの? それは初耳」と、このニュースを知らなかった模様。
大騒ぎした日本と違って、アメリカ国民にとっては、卵の値段のほうがはるかに重要なことかもしれない。
彼女は発言の内容を確認すると、

「たしかに日本には排他的なイメージがあるけど、中国やロシアと同一視することには違和感がある。彼が言いたかったのは、本当は別の国じゃないの?」

と言う。
81歳のバイデン大統領は言い間違えが多く、この発言のすぐ後にも、北朝鮮の金正恩(キム·ジョンウン)国務委員長を「韓国大統領」と言ってしまった。記憶力に問題があるようで、ことし2月には、米検察に「(大統領の)記憶力にはかなり制限があった」と指摘されたほど。

 

だとしても、バイデン氏が別の国と間違えて「日本」と言ったのなら、それを認めて訂正すればいい。そうしていたら、「何を言っているのかとあきれる」と日本の政府関係者を不快にさせることも、日米関係に(小さな)悪影響を与えることもなかったはずだ。
その点について、彼女はこんな話をする。

「いや〜、いま彼は自分のミスを認めることはできないでしょ~。11月に大統領選挙があるのは知ってるよね? 彼は絶対に勝って再選したい。でも、ライバルのトランプがバイデンを“認知症”呼ばわりして、検査が必要だと主張してるの。トランプは、バイデンにはまともな判断力や記憶力がないことを強調している。だから、日本と言い間違えてしまったと認めたら、トランプに攻撃材料を提供することになって、選挙で不利になる。だから、それだけは絶対にできない」

つまり、バイデン大統領は演説中、自分が“日本”と言ったことに気づいてなかったと。
しかし、今はそれを認めて訂正することはできないから、関係者は「大統領は米国にとって移民がいかに重要かについて話していた」と的はずれなコメントをするしなかった。
そのウラでは日本政府側へ、「ウチの大将がヘンなことを言い出して、こっちも驚いたよー。メンゴメンゴ」と謝っていたかもしれない。

バイデン大統領の「日本人は外国が人嫌い」発言は、本当はそんなことを言うつもりはなかったが、今は“誤っても謝れない”という状況にあるため、公式に言い間違えと認めることができなかった。
真相はこんなところかもしれない。

 

 

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5 件のコメント

  • バイデン大統領(民主党)の掲げてきた移民政策は、合法も不法も一緒くたにした無尽蔵の移民受け入れ派。
    トランプ前大統領は移民嫌いのレッテルを貼られてますが、あくまでも合法移民のみ受け入れ、密入国者は強制送還すべきとしています。
    そして、日本政府が現行の移民政策はトランプ氏側なんですよね。

    何より無尽蔵の移民受け入れは、民主党寄りの州でも限界に達し、民主党支持層にも懐疑的な意見が増えてまして。
    移民拒否(正確には合法移民のみ)で少子高齢化により衰退する筈だった日本社会の安定振りが、SNSや観光客によって欧米にも知られるようになりました。
    もしかしたらバイデン大統領も、支持層から治安悪化や高インフレ(特に住宅価格の高騰)について日本を引き合いに出され非難されたのかも知れません。

  • さすがアメリカ人、なるほど、バイデン大統領発言は確かにそういう解釈もできますね。

    もう一つの可能性として、本当は「中国、ロシア、インド」の次に「日本」を出す予定が無かったところ、頭の中で他の話とごっちゃになってしまって、つい「日本」と言ってしまったのかもしれませんね。たとえ本人の考えとして「日本は排他的だ」と実際に思っていても、この文脈で最後に日本を列挙してもいいことはないだろうし。

  • さすがにこの並びで日本が出てくるのは不自然ですね。
    日本を名指しで批判しても、アメリカにとっていいことがない。
    予定になかったことをつい口にしてしまった気がします。でも、後には引けない事情がある。

  • 自分の主張を正当化する為に他者を批判する論法は
    賛同者を容易に惹きつけるけれどそれ以外との溝をより深める
    とても排他的な方法ですよね

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。