昨年は猛暑と酷暑の連続攻撃がつづき、観測史上最も暑い年になった。
しかし、悲報があって熱地獄は終わらない。
2024年の夏も去年と同じぐらいの暑さで日本列島を襲う予定で、すでに 40℃を超えたところもある。
かつての異常が今では通常、ニューノーマルになったことで、最近はこんな男性が増えてきた。
毎日新聞の記事(2024/7/7)
メンズ日傘「周りの目より実用性」 猛暑で“市民権” 売り上げ急増
男が日傘をさして街中を歩いていたら、昭和の時代だったら完全に浮いて、当時のジェンダー感覚なら、きっと「女みたいなヤツ」とバカにされていた。
しかし、近年の「軽く死ねる」という暑さがそんな意識を変えた。
さらに紫外線対策の観点からも、このところ男性の間で日傘の人気が上っていて、街中でそれをさして歩くサラリーマンが増えているという。
そんな「日傘男子」の1人が記事の中で、周囲の目は気になるものの、日傘で日光をさえぎると体感温度が1~2度低く感じるから、やめられないと言う。
アニメやドラマで男性が建物から出る時、太陽を見上げて、カバンから折りたたみ式の日傘を取り出すシーンが出てくるのは時間の問題だ。
「イオン」では2019年に男性用日傘の売り場がつくられ、5年後(23年)には売り上げが6倍になったという。
イオンで日傘を買うのは 40~50代が最も多く、色は雨傘とは対照的に、涼しげな印象を受ける白色が人気だとか。
10~40代の男性を対象に、ことし4月におこなったアンケート調査では、男性が日傘を使うことに 92・2%が「肯定的」と回答した。22年の調査では 79・7%だったから、支持は確実に広がっている。
ただし、実際に使っている人は 13・5%とまだまだ少数だ。
前向きな気持ちはあっても、やっぱり、周囲の目が気になる人が多いらしい。
これにネット民の感想は?
・まじで外出たら死ぬレベルの暑さやで
・麦わら帽子みたいな日除けのツバが大きな帽子を使えば良い
・暑さ凌げるんならバンバン使おうぜ
・邪魔すぎる
・去年使ったら知らない人に笑われた
タイの水上マーケットをボートに乗って見学した。
先頭の日本人女性が日傘をさすと、後ろの人から「見えませーん」と文句を言われたから、女性がそれをすぼめたのが上の写真。絶対に焼きたくないという強い意思が伝わる。
周囲の目をまったく気にしないのもNGだ。
この間、3年ほど前に来日し、今は日本の会社で働いているトルコ人(30代の男性)と会って話をした。
彼は日本に来てから、さまざまな影響をうけて考え方や行動が変わったと言う。
その中の一つが、日傘をさして外を歩くようになったこと。
彼はトルコ北部のトラブゾン出身で、そこでは最も暑い8月でも平均最高気温は 27°C、最低気温は 22°C だから、日本に比べたらパラダイスだ。
だから、彼に日本の夏は過酷すぎる。
トルコと比べると、日本の日差しは特に強烈で、加えて彼の肌は白人のように白いから、日本人なら「日焼け」で済むところでも、彼の場合は肌が赤くなって「やけど」に近い状態になるらしい。
だから、背に腹は代えられない。トルコにいた時には考えられなかったし、恥ずかしさは感じるが、彼は今ではその天気と相談しながら、日傘をさして外出するようになった。
日本の夏はトルコ人も「日傘男子」に変えてしまったのだ。
しかし、時代は彼を後押ししている。
いま日本の社会で日傘の「市民権」は広がっているから、日本人の男と同じように、彼が感じるためらいもこれから小さくなっていくはずだ。
日傘をさす程度のことで済んでいればいいのですが。
この先、暑さがどんどん深刻化してくると、中東の砂漠の民のように頭と全身を白い布ですっぽり覆う装束が必要になるかもしれませんね。あのスタイル、白色の布が熱線(赤外線)を反射し、体温より高温の外気が肌に触れるのを全身で防止するので非常に合理的なのです。
エジプトに行った時、ガラベーヤという民族衣装を着て行動しました。
全身が日陰になるのでいいのですが、日本は湿度がすごいので、これがどこまで快適か分かりません。
> 日本は湿度がすごいので、これがどこまで快適か分かりません。
確かにそうですね。
しかしその解決策として、既に市場に出回っているツールがあります。おそらく、そのような「全身をすっぽり被る白色衣装」が日本に普及する頃には、高湿度への対策として、バッテリー駆動のファンを(どこかに)装着した服装が標準になるでしょう。
同じ形式の装備が建設現場の作業着では既に実用化されています。空気が中に溜まるので外観はフーセンのように膨らんでしまいますが、着心地はなかなか快適らしいですよ。
また最近では、通勤電車の中などで主に若い女性が小型の手持ち型電池駆動ファンを多く利用していますよね。狭い電車内でもあまり邪魔にならないのが利点です。