ブルガリア人の話 日本で楽しみな場所・好きなこと

 

今回登場するのは、日本に住む20代のブルガリア人男性だ。
彼は大学生で将来は日本で働くことを考えているから、いまは日本語を勉強している。
東ヨーロッパから来た彼から見ると、日本は一体どんな国なのか?

でも、その前に「ヨーグルトしか知らん」という人も多いと思われるので、ブルガリアの基本情報を確認しておこう。

面積:11.09万平方キロメートル(日本の約3分の1)
人口:646.5万人(2022年)
首都:ソフィア
民族:ブルガリア人(約80%)、トルコ系(10%)、ロマ(推定約10%)
言語:ブルガリア語
宗教:大多数はブルガリア正教(ギリシャ正教等が属する東方教会の一派)。
他にイスラム教徒、少数のカトリック教徒新教徒等

外務省の「ブルガリア共和国(Republic of Bulgaria)基礎データ

面積は日本の約3分の1、人口は約20分の1という ことだから、ブルガリアは日本に比べるとかなり広々としていて開放感のある国らしい。

 

ーー日本で生活をしていて、楽しいことはある?

マンガカフェ(ネットカフェ)が好きです。
とんでもない量のマンガが読み放題で、フリードリンクや食べ物もありますう。イスの座り心地は良いし料金も高くないので、いつまでもいられます。
前から読みたかったマンガや昔アニメで見たマンガがあって、私にとっては嬉しい発見があるから夢の世界ですよ。

ーー知り合いのインド人は、「インドでネットカフェは街から消えたのに、日本では今でもよくある。10年以上前のインドみたいで驚いた」と言っていた。
マンガ好きで日本語がわかれば、あそこは天国か。
逆に、日本で生活をしていて困ったことってある?

ブルガリアで買ったスマホに日本のSIMカードを入れたら、写真を撮るたびに、『カシャ』って音が出るようになってビックリしました。イライラするけど、消す方法が分からないから、もうあきらめて慣れることにしました。

ーーなるほど。
除去することはできないから、それと付き合うことにしたと。

糖尿病の発想と似ているな。

あれは盗撮防止なんですね。

ーー日本を基準にすると、なんで海外のスマホにその機能が必要ないのかなって思う。
日本人は外国人から礼儀正しいと称賛されるけど、その裏では大量のヘンタイが潜んでいる。そう言えば、「変態紳士」って言葉もあるけど、この2つは深い部分でつながっているかもしれない。
日本語の変態は「Hentai」として、英語版ウィキペディアの項目が作られているほど有名だ。
*日本語とは意味が違うので、くわしいことを知りたかったら、上記のリンクをクリックしてみよう。

 

ーー日本で好きなことって何かある?

オートバイに乗って山道を走ることが好きです。
ブルガリアでは、西部のソフィアのあたりには山が多いけど、ボクが住んでいた東部には平らな大地が広がっているんです。「山」と言えるほど高いところがありません。
幅が広くて真っすぐ続いている道が多いから、車ですごく走りやすいけど、とても退屈。
ブルガリアのそんな道に慣れていたから、山道みたいに木々に囲まれて、狭くクネクネした道をバイクで走るのはとっても面白いです。
日本には気持ちの良い山道がたくさんありますから、ツーリングにハマりました。

ーー日本の国土の7割は森林で、平地は3割ほどしかないからね。日本にいると山なんて当たり前だけど、国によっては感動的なのか。
東ヨーロッパから来たリトアニア人もそんなことを言っていた。
リトアニアも基本的に真っ平らな国で、50mの高さがあれば「山」になるらしい。
だから、彼は日本でハイキングを気に入っていた。
そのリトアニア人と「森林=山」という前提で話をしていたら、ヨーロッパでは平地に森があることが多く、彼はそれを前提にしていたから、話がかみ合わないことがあった。
「森林=山」と考えている日本人は多いと思う。

 

ブルガリアの地方の道
睡魔との激しい戦いが予想される。

 

ーーブルガリアでは地平線が見えるんだ。それはうらやましいね。
日本はせまい平地に人が集中して住んでいるから、地平線が見えるところなんてほぼ無い。

*日本で地平線が見える場所としては、北海道にある「開陽台」が有名で、「日本で唯一地平線の見える」というキャッチコピーがある。しかし、厳密に言うと、北海道でも地平線は見られないらしい。

ブルガリアで地平線は珍しくありません。
でも、それがうれしいことかどうかは微妙です。
ブルガリアは小さい国(日本の約3割)なのによく地平線が見えるというのは、ヨーロッパの中でも特に発展が遅れているから、とも言えるからです。

ーーいや、それは単純に地形の問題のような気がするけど。
じゃあ、日本にいる間はマンガ喫茶とツーリングを楽しんでくれ。

*ブルガリアはEUの国だけど、ユーロ圏に加盟するための基準をまだ満たしていないから、ユーロは使われていない。2025年の導入を目指してきたが、最近、それが先送りになると発表された。

 

 

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

日本にいるブルガリア人の話/ヨーグルトの歴史

ハンガリー人は日本の仏教に何を思う? 地獄・線香・哲学編

京都人のいけずと、東ヨーロッパ人の無表情の“共通点”

日本の天龍人? 京都人に“フルボッコ”にされた外国人さん

 

8 件のコメント

  • > ブルガリアの基本情報を確認しておこう。

    外国を紹介するのであれば、その国の周辺を含めた地図がないと話にならないのでは? でないと地球上のどこにあるかも分かりません、知らない人にとっては。
    リンクされている外務省の基礎データの方を見てみましたが、あそこにも地図が出てないのですね。国旗はちゃんと出ているのに。
    外務省の仕事として、これは手抜きとしか思えないのですが、どうして?
    Wikipedia の方が全然マシですよ。

  • >外国を紹介するのであれば、その国の周辺を含めた地図がないと話にならないのでは?
    そうしたのですけど、確実に著作権に引っかからない地図がわかりません。ご存知でしたら、ぜひ教えてください。

  • 外務省の基礎データを紹介した次の行に、
    「その他、周辺の地図や歴史を含めた○○○国についての情報は《こちら》」
    とでもして、Wikipedia の該当ページにリンクを貼っておくのはいかがでしょうか?
    (リンクフリーじゃなかったでしたっけ?)

  • ウィキペディアの地図は著作権フリーではないものが多かったと思うので載せられませんが、そのページへのリンクならできそうですね。

  • ブルガリアについて検索してみたところ、ブルガリアはキリル文字発祥の地で、ブルガリア人は「はい」という意味で首を横に振るということを知りました。
    あと風景がよくある日本のファンタジーRPGそのままなので、個人的に気に入りました。

  • >ブルガリアはキリル文字発祥の地
    わたしも調べていてそれを知りました。
    知人は意外な感じがしただけで、あまり驚かなかったそうです。

  • 同じく返信ありがとうございます。
    それは意外に思いました。
    日本で例えると、ロシアやウクライナが今でも公用語をひらがなかカタカナで表記しているようなものですから、本当にすごいことだと思います。

  • キリル文字はモンゴル人も使っています。
    まえにウクライナ人とモンゴル人が一緒にいたとき、お互いの文字が分かると言っていました。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。