きのう9月16日は「敬老の日」ということで、全国各地でお祝い会が開かれただけじゃない。
岐阜県では選手全員が80歳以上のサッカーチームを結成して、小学生と「ガチ試合」を行って話題を集めた。チームのキャプテンは83歳の亀山さんで、守護神は90歳の守屋さん。年齢的には、孫の守護霊になっていてもおかしくない。
ちなみに、ユニフォームは鶴と亀のご長寿デザインだ。
サッカーといえば、「リーグ戦でゴールを決めた最年長のプロサッカー選手」というギネス世界記録を持つ三浦知良さんがきのう試合に出場して、JFLの最年長出場記録を57歳203日に更新した。
日本にいる外国人に話を聞くと、お年寄りの元気さハツラツさに驚く人がよくいる。
以前、ドイツ人とバングラデシュ人とベトナム人と一緒にハイキングに行ったとき、「疲れた! ここで10分休憩しよう」とバングラデシュ人が言って休んでいると、リュックを背負ったじいさん&ばあさんの集団が「こんにちは」とさわやかな挨拶をして通り過ぎていった。
バングラデシュ人は「マジか…」という顔をして彼らの背中を見ていた。
頂上に着いて、別の高齢者ハイカーと話をしたドイツ人は、「あの人たちは70代かと思ったら、60代だって。日本のお年寄りはすごく若く見える!」と驚いていた。
そんな話をインド人にすると、彼女も外国人の感想に同意してこんな話をする。
「ジムに行ってランニングマシンで走っていたら、隣におばあさん(彼女から見れば)がやってきたの。『こんな年でも自分のペースでウォーキングをするから、日本人は健康的なんだな』と感心したら、おばあさんが走り出してビックリした」
インドでその人と同じ年代の人なら、近所のチャイ屋に歩いて行って、そこにいる知り合いとおしゃべりを楽しんだり、お寺へ行って来世のために祈りを捧げたりして、ゆっくり余生を過ごすらしい。
インド人の彼女からすると、高齢者が山登り、ジムで体を動かす、水泳をするという発想は無いから、それを楽しみとしてやっている日本のお年寄りを心から称賛した。
インドで80歳以上の人が小学生とサッカーの試合をしたら、「老人虐待」と見なされるかも。
「サドゥー」と呼ばれるインドの苦行僧や行者。
インドではある年齢に達すると、世間を捨て、解脱を求めて苦行に生きる人もいる。
医療技術の進歩などによって、いま世界的に高齢化が進んでいて、日本はそのトップレベルにいる。
ワシントン・ポスト紙によると、日本の高齢化対策はうまくいっていて、世界の模範になるという。そのキーとしてワシントンポストは、日本ではハイテクを使うのではなく、デザイン思考、尊厳、尊重を示すことが多いと指摘した。
in many cases, not with high-tech fixes but by showcasing design thinking, dignity and respect.
それにはたとえば、高齢者を弱々しくて役立たず(weak and useless)とみなすのではなく、若い人たちに野菜の育て方を教えるなどし、知恵や技術を広くシェアすることで、高齢者が積極的に社会的にかかわっていけるようにする取り組みがある。
また、富山市では、古い電車と路面電車を再利用し、使いやすく整えたことで、60代と70代の公共交通機関の利用者は3倍以上に増え、高齢者が活動的に生活することに役立っている。
ほかにも、ワシントン・ポスト紙は、認知症の人たちが働く「注文をまちがえるレストラン」を取り上げている。ここでは、客がオーダーした物が提供されるかはわからない。違ったものが出てきたとしても、それをサプライズとして受け入れ、楽しむことが求められている。
ワシントン・ポスト紙はこんな事例を挙げ、日本の取り組むを参考にすれば、世界のあらゆる地域で、長生きする人たちの生活をより良いものにできるだろうと提言している。
外国人から見れば、日本のお年寄りは元気で活発で、社会にも多少のミスを受け入れる大らかな雰囲気がある。
今回は敬老の日にちなんだ記事なので、高齢化社会の闇の部分には触れないが、控えめに言って日本は世界の先を行っている。
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