むかし、ボクの運転で3人のインド人とドライブをしていると、「日本は本当の意味で先進国だ」と彼らが感心して言った。
インドのハイウェイにはたくさんの外車が走っているが、日本の高速道路はとても走りやすい。
本当に進んだ国とは、高級車がたくさんある国ではなく、一般のドライバーのことを最優先に考え、そのための環境を整える国だと彼らは指摘した。
さて、ここからはお隣さんの視点だ。
韓国では最近、「日本よりも給料が高い!」とか「経済的に追い抜いた!」といった話で盛り上がっている。
ただ、それは特定の層の平均賃金なのか国民の生涯賃金なのか、正社員だけかパート・バイトを含めたものかはしっかり確認した方がいい。
細かいことはさておき、韓国の人たちが自国を先進国と見なし、日本に対しては経済的に自信を持っていることはまず間違いない。
しかし、そんな隣国でもこの分野に関しては、日本の方が進んでいると素直に認めるところがあるようだ。
ハンギョレ新聞(2024-07-10)
【ルポ】トイレのマークから違う…日本には認知症の人のための都市がある
韓国紙の特派員が福岡市にある介護施設を訪れた。
そこでは、認知症の人たちが自分の力で移動できるように、どんな場所なのか見てすぐに分かるようにデザインされている。
たとえば、一般的なトイレのサインは青と赤の色、男女のマークがあるだけだけど、この施設のトイレマークには、女性トイレでは人が便器に座っている姿、男性トイレには人が便器の前で立っている姿が描かれている。
また、認知症の人たちは視野が狭くなり、距離感覚がにぶくなるため、施設内を把握しやすいような照明が採用されている。
介護者が認知症の患者と接する時には、相手が「自分は大切にされている」という実感を持てるような言葉や態度を心がけている。
入居者に対する配慮が細部にまで行き届いていることから、この施設は日本の公共施設としては初めて、イギリスのスターリング大学認知症サービス開発センターから「ゴールド」認証を取得した。
福岡市も「認知症フレンドリーデザイン」に力を入れ、老人施設や公衆トイレ、区役所の庁舎などで認知症の人たちにも分かりやすいデザインを導入し、市のサイトで公開している。
企業にも協力を呼びかけ、障害者に働き場所を提供したり、認知症患者の声を聞いて「結ばなくてもいいガーデニングエプロン」や、高齢者用に使いやすいガスコンロなどの製品開発をおこなっているという。
「高齢化」は韓国にとっても重大な社会問題だ。
そのため、さまざまな人たちが一緒に生活していくための環境を整備するうえで、日本の取り組みは参考になるらしく、「韓国に示唆するところが大きい」と特派員は書いている。
10年ほど前、東京に住んでいた韓国人女性と、韓国から日本へ来た韓国人男性と京都を旅行した。
男性に日本の印象を聞いたところ、「日本はやっぱり先進国ですね。韓国は見習わないといけません」と言う。
それはどういうところが?
彼はソウルで飛行機に乗り、関空から入国して大阪と京都を観光した。
その時、ビルが林立する景色はソウルとそれほど変わらないし、交通システムでは韓国の方が発達していると感じたから、「わが国も日本に追いついてきたな」と自信を深めたが、バスに乗ってそんな意識が吹っ飛んだ。
バスのドライバーは乗客に配慮して、ゆっくり丁寧に運転するから、ソウルの市バスのように急ブレーキや急加速がまったくない。
バス停では時間をとって停車するため、乗客が走行中に席を立って前に移動し、目的地のバス停ですぐに降りられるようにドアの前で待っている必要もない。
それに、あるバス停では、足の弱いお年寄りが安心して乗車できるように、バスの車体が少し傾いた。それに気づいた時、「あれ? バスがパンクした?」と思った自分を恥じたという。
彼はそんな体験を話し、
「一般の国民や弱者が安全に生活できるように配慮されている。これが先進国ですよ。日本に来て、韓国は本当に遅れているとわかりましたね」
と感想を述べると、それを聞いた女性はこんな話をした。
「ホントにその通り。韓国から東京へ来た友だちは、『首都なのに、Wi-Fiが使えないところが多すぎる! ソウルではありえない!』ってよく文句を言う。でも、彼女たちはそういう分かりやすい、表面的な面しか知らない。まえに山手線のホームで障害者が電車に乗る時、駅員が道具を持ってきて介助していたのを見て感動した。IT環境では韓国の方が進んでいるけど、困難のある人への配慮という点では、日本は韓国よりずっと先進的なのよ」
すると、男性はため息をついてこう話す。
「韓国で社会的な整備が遅れているのは、国民が障害者に冷たいからだよ。『障害者の権利を大切にしないといけない!』と叫ぶ政治家の割合なら、韓国は世界ナンバーワンだ。でも、彼らは具体的に行動しないし、国民もみんな頭でわかっているだけで満足している。公共交通機関で障害者や老人が乗り降りするのに時間がかかったら、国民はきっと待っていられない」
そんなことで、どんな人にもやさしい社会という面では、2人とも「日本は韓国の未来を行っている」と認めていた。
「韓国に示唆するところが大きい」と書いた特派員も同じ気持ちだったのでは。
ただ、韓国は「デモ先進国」で、障害者がおこなう抗議活動も激しい。
中央日報の記事(2022.04.21)
韓国障害者団体、「韓国の山手線」ソウル2号線地下鉄で出勤時間に「乗車デモ」
障害者の移動する権利が十分に守られていないとして、障害者と支持団体が地下鉄で朝のラッシュ時にデモ活動をおこなった。車椅子から降りて、はって地下鉄に乗り込む人もいたから、列車の運行が遅れ、多くの市民の出勤に影響がでたという。
日本の障害者や団体が抗議活動をしたとしても、朝の7~8時に山手線でこんなことはしない。
障害者の側ももっと配慮した方がいい。
今の韓国人は漢字をどう思う?漢字を読めないハングル世代はいつから?
よく読ませていただきました。
お書きになったように現在の韓国では日本をかわいそうに思います。 年俸が少なくて暮らしにくいだろうという考えからです。そして経済では韓国が日本を追い越したという自負心を持っているのも事実です。しかし、私はこれを韓国人の「錯覚」だと思います。現在、韓国人の平均年俸が日本人より高いことはOECD指標でも確認されていますが、経済の規模に比べて過度に賃金が高いだけです。トヨタ自動車が売上と利潤で現代自動車をはるかに上回っていますが、従業員の年俸は現代自動車の方が高いです。全体の経済規模や経済力でまだ日本は韓国をはるかにリードしています。
現時点で、韓国はすべての面で日本に後れを取っています。
日本人の秩序意識、節制力、思いやり、公共道徳、すべての面で韓国が見習うべきです。
特に、メディアのレベルでは、韓国は日本と比較にならないほど低質です。
まだ、国民の全体的な民度から韓国は後進国を抜け出せずにいます。
韓国人はよく、「日本では空気を読むことが大切になっているけれど、それはとても分かりにくい」と言います。
しかし、韓国メディアも韓国社会の空気を読んで、国民感情に沿って記事やコラムを書いていると、よく思います。
そこは日本のメディアと違います。