中国から見た日本と韓国 今も昔も「冷遇・差別」に韓国が怒り

 

「日本が相手なら、ジャンケンでも負けられない」と言われるほど、韓国は日本に対して強いライバル意識がある。
だから、こんな中国の対応の違いには不満や屈辱感を隠しきれない。
中央日報の記事(2024.09.20)

韓国議員団「1階コーナー部屋」に呼んだ…韓日差別した中国外交部長の冷遇問題

韓国紙のいう「韓日差別」とは、具体的にはこんなコトを指す。

韓中議員連盟の代表団が中国を公式訪問し、政治局委員兼外交部長の王毅氏と会談を行った。しかし、その場所は北京人民大会堂1階の台湾庁。そこは外賓(がいひん:外国から来た重要な客)の面会会場としてはほとんど使われないところだ。
ことし4月、中国国家主席の習近平と元台湾総統の馬英九が会談を行ったときには、台湾記者の待機場所として使われた。
それに対し、先月中国を訪問した日中議員連盟代表団は釣魚台国賓館に案内され、そこで王氏との会談を行った。釣魚台は首脳会談でよく使用される場所。
これでは、韓国側が「冷遇」と怒っても無理はない。

さらに、出席したメンバーにも不満があるらしい。
日本の代表団は2日連続で中央委員級の人物と会ったが、韓国代表団のときには同じレベルの人物はいなかった。その場にいたほかのメンバーも、日本に比べると「格下」だったという。

韓国が中国に、日本よりも「冷遇」される事例は過去に何度もあった。
2017年に文在寅(ムン・ジェイン)大統領就任特使団が習主席と会談を行ったときは、上下の席が明確に区別されたが、その3日前に行われた自民党の二階氏との会談では、習主席は向かい合って対等な立場で座っていた。
韓国側がこの差別的対応に怒ったことは言うまでもない。
中国側の意図がわからないから、ハッキリしたことは言えないが、韓国から見ると「日本>韓国」という態度を露骨に示されたから、昔から大きな不満がある。

 

中央日報の記事を読んで、8世紀に唐で起きた「長安での席次争い」を思い出した。
そのころ日本と朝鮮半島の新羅では、

「新羅を従属国として扱おうとする日本との間で時に緊張が生じた(詳細日本史研究 山川出版)」

というライバル意識があり、ギクシャクしていた。
そんな雰囲気のなかで、8世紀に長安で開催された行事で遣唐使の大伴古麻呂(おおとものこまろ)が、新羅の使者の下座に案内された。これでは、日本が新羅より「格下」ということになってしまう。
納得のいかない大伴古麻呂が抗議すると、新羅の使者も反論し、両者の意見を聞いた唐の役人(皇帝?)は新羅が日本の従属国であることを認め、新羅の使者を下座に座らせた。
新羅の使者は日本と比べ、「冷遇・差別的」に扱われたと怒り心頭だったはず。
中国の日韓に対するおもてなしは、古代も現代もあまり変わっていなかった。

 

 

韓国 「目次」

中国は相手の文化を尊重しろ! と怒る韓国、日本文化を尊重せず

日本の茶道に対する韓国の見方 都市伝説からホンモノまで

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。