「日本が島国でマジよかった」と思えるのは、たとえば中国・韓国のこんな争いを見たとき。
韓国の高句麗・高麗研究所理事長のソ・ギルス氏が、中国による「東北工程侵奪報告」でこう書いた。
朝鮮日報の記事(2021/03/07)
「最近持ち上がった『韓服工程』や『キムチ工程』は、中国の韓国歴史侵奪を既成事実化する過程で生じたものだ。韓国人が黙っていればいるほど、歴史侵奪は強固になり、覇権主義の逆襲を受けることになるだろう」
「隋の高句麗侵略…中国の教科書は内戦と記述」
『キムチ皇帝』なら別格においしいキムチの商品名か、キムチで大成功した人物が思い浮かぶけど、『キムチ工程』はよくわからん。
調べると工程とは、ある目的を実現するための仕事の手順や過程という意味だから、この場合は中国が韓服やキムチを韓国から奪い、自国の文化にする段階を進めているということだ。
もちろんこれは韓国側からの見方で、中国には中国の見方がある。だからいまもめている。
日本でも韓国と竹島の領有をめぐる対立や、任那日本府(みまなにほんふ)についての意見の違いはある。が過去に存在した国(王朝)の帰属をめぐる争い、それも政府レベルの論争はさすがにない。
韓国側の主張だと、中国は韓国の古代史を自国の歴史の一部にするといった「歴史侵奪」を続けていて、「現在は韓国史全体を侵奪する状況に至った」という。
いまの中国東北部、韓国、北朝鮮、ロシアの領土に存在した高句麗(紀元前1世紀ごろ – 7世紀)
さてこれを韓国のモノとみるか、中国のモノとするか。
日本ではこの問題をどうみているのか?
20年以上前、高校で世界史をならったころは完全に韓国(朝鮮)の古代王朝ということになっていたが、いまのウィキペディアの説明にはこうある。
「朝鮮史の枠組みでは同時期に朝鮮半島南部に存在した百済・新羅とともに三国時代を形成した一国とされる。」
「~では」という条件付きの記述は、中国の主張に配慮してのことにちがいない。
これも『東北工程』が着実に進んでいる結果なのか。
個人的には高句麗は韓国史に入ると思っているけど、中国史の一部になっても日本には1ミリも関係ないからかまわん。
中韓で話し合って、怒鳴り合ってきめたらいいですよ。
これは瀋陽(中国東北部の都市)の博物館にあった説明文。
高句麗は中国(漢王朝)の内部で建国された、という内容が書いてある。
先ほどの朝鮮日報の報道によると、中国が「2016年まで歴史歪曲」を続けた結果、いまでは、(韓国が自国の歴史と考える)古朝鮮・高句麗・夫余・渤海は「中国史の一部」になってしまった。
さらに、新羅・高麗・朝鮮王朝は「中国の半属国」に格下げされたという。
こうした“歴史簒奪(さんだつ)”は、世界中の中国語ユーザーが使う「百度百科」(言ってみれば中国語版ウィキペディア)にそのまま反映されている。
たとえば「古朝鮮」の項目にはこうある。
「文化はもちろん血縁の属性のような全てが、こんにちの大韓民国や朝鮮の歴史に属さない中国古代の地方政権」
高句麗については「中国の中央王朝の地方行政組織の特性を有した」、「主権を持った独立国家ではなかった」となっている。
2017年に習近平国家主席がトランプ米大統領に「韓国は歴史的に中国の一部」と伝えたのも、こうした東北工程によるものだとか。
韓国にとって衝撃的だったのは、中国の隋が高句麗を『侵略』した歴史について、中国の歴史教科書には『内戦』と表現されていることだった。
2016年の『中国歴史』教科書には「隋の煬帝が遼東を3回討った」と書いてあって、高句麗の国名が削除されている。
これだと外国との戦争ではなくて、中国の内戦のひとつでしかない。
それで韓国の教授は「こうした中国の覇権主義歴史侵奪はアジアと世界の平和に逆行するもの」と語ったという。
気持ちはわかるがそれはない。
『東北工程』は中韓2か国の問題で、高句麗がどっちの歴史に含まれるかなんて、事実に基づいていれば日本にとってはどっちでもいい。
これがどんな結果になろうと、アジアや世界の平和が揺らぐことは100パーない。
こういう争いを見ていると日本を島国につくってくれた、イザナギ・イザナミの二神には感謝しかない。
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最近 日本のアニメ ‘鬼滅の刀’の炭治郎の耳飾りのデザインが韓日両国で論難になっています。
私は韓国での抗議が間違っていたと見ています。
関連した韓国の新聞の記事を見て韓国ネチズンの抗議コメントを見て知りたいことがあって質問します。
靖国神社には太平洋戦争の1級戦犯が合祀されていると知っていますが、日本の総理大臣が定期的に参拝することは太平洋戦争を起こしたことに対して日本が全く反省していないという意味ではないですか?
いま日本の総理大臣は靖国参拝をしていません。
日本には死ねば神や仏になるという考え方があって、処刑されて死んだ人はもう戦犯ではありません。
それに靖国神社は戦犯を祀る神社でもないです。
日本統治を受けた台湾人は、炭治郎の耳飾りのデザインや靖国参拝に何も言いませんが、韓国では論難になります。
同じ過去をもっているのに、なんで台湾と韓国では教育がまったく違うのでしょう?
そうなんですね.
韓国人と日本人の考えの違いが確かに存在するということを感じます.
殊に,”死ねば神や仏になるという考え方があって、処刑されて死んだ人はもう戦犯ではありません”という考えが違います。ほとんどの韓国人は太平洋戦争を起こし数百万人を犠牲にした戦犯を祀った神社に日本の政府高官が参拝することについて、非常に不愉快に思っています。
両国の意識の差から生じる誤解のようですね..
> 20年以上前、高校で世界史をならったころは完全に韓国(朝鮮)の古代王朝ということになっていたが、
これ、教科書によって記述が異なるのではないですか?
私が高校で習ったときには、このブログの地図にも出ている「扶余」がもともと満州の出身であり、そこから南へ征服領土を拡大して朝鮮半島に至ったと聞きました。いずれにしてもせいぜい朝鮮半島北部の地域までであり、三韓時代のあった朝鮮半島南部(つまり現在の韓国の領域)には達していないと思うのですが。
ただし、私自身は「満州は伝統的には中国の一部ではない」と考えます。単に現在の中華人民共和国政府が押さえているというだけ。
476年ごろの高句麗はソウルをふくめ現在の韓国の領土を支配していました。
これに教科書の違いはないでしょうね。
このブログに出ている高句麗の地図を見ても、かつての高句麗が、現在の韓国の北部(ソウル付近)までを自国領土として支配していたことは分かるのですが、いずれにしても更にその南側には、百済、新羅、加耶などの国があります。どっちかというと、高句麗の主要部よりもこちらの諸国の方が現在の韓国に重なる部分が多いように思うのですが。高句麗は、むしろ、満州~北朝鮮のエリアですよね。なのにどうして、韓国人が「高句麗は韓国の由来ともなった国だ!中国・満州なんて関係ない!」と主張するのか分かりません。
高句麗の支配領域は現在の韓国よりもずっと大きいし、中心部が重なっているようにも見えません。たまたま端っこが重複しているだけのこと。