日本とドイツの食文化 典型的な朝食・飲酒ルールの違い

 

外国の食べ物が伝わった後、現地で魔改造されて別ものになって、本家の人がそれを見て衝撃を受ける。
日本ではそんなことがよくある。たとえばイタリア系アメリカ人とレストランに行った時、彼はメニューに「マヨネーズピザ」を発見して、「これではありえない…」と不機嫌そうにつぶやいた。
そんな現象は世界各国にある。
最近、ドイツ在住の日本人がSNSに、ピザ屋でフライドポテトをのせた一品を「ドイツ風ピザ」として販売しているのを見つけたと報告していた。
ほかにも、今ではトルコ系のドイツ人も多いから、ケバブの肉をのせたピザもあるらしい。

友人のドイツ人(20代・男性)は静岡の大学に留学して、日本に約1年間住んでいて、今は帰国してドレスデン(トップ画像)でサラリーマンをしている。
そんな彼と日本とドイツの食文化の違いについて話をしたので、今回はそれを紹介しよう。

 

ーー日本に住んでいて、違和感を感じたことって何かある?

日本人の友達と定食屋に行って朝食を頼んだら、魚の塩焼き、ご飯、漬物、それとみそ汁が出てきたんだ。それが典型的な日本の朝ご飯なんだってね。

ーーそうだね。それが何か?

塩が多すぎるんだよ! 少なくとも私にとってはね。
ドイツの典型的な朝食にも、チーズやハムみたいにしょっぱいものもある。でも、私は朝にジャムやピーナッツバターを付けたパン、はちみつ味のシリアル、フルーツなど甘いものをよく食べていたから、あの日本式の朝食には強烈な違和感を感じたんだ。
それと、コーヒーやオレンジジュースは飲むけど、朝にみそ汁のようなスープは飲まない。
もちろん、これは私の個人的な話。

ーー今では日本でも、朝にパンやシリアルを食べる人も多い。でも、納豆や海苔も甘くはないし、日本の伝統的な朝食はたしかに塩分高めかも。静岡には、朝からラーメンを食べる「朝ラー」がある。お茶の業者が朝早く仕事を終えた後で、朝食にラーメンを食べていたことから、この習慣が定着したらしい。

私もラーメンは大好きだ。でも、「朝ラー」に魅力は感じない。朝からそんなにガッツリ食べたいと思わない。

ーーそう言えば別のドイツ人は、朝からお米は重いからパンがいいと言っていたけど、それはどう?

同感だね。日本に住んでいた時、朝はササッと済ませて、お昼や夜にご飯を食べていた。日本では、おいしいチーズと出会えなかったから、朝食でチーズを食べた記憶がない。それについてはドイツが恋しかったね。

*ネットを見ると南部のバイエルン州では、ソーセージと塩味のプレッツェルが朝の定番メニューと書いてあったから、これは塩分が高そう。

 

ーー朝食にラーメンは嫌だと言ってたけど、ドイツでは朝からビールを飲むこともある? 「朝ビー」ってあるの?
その前に、ドイツでは飲酒は何歳からOK?

朝から飲む人もいて、それは珍しくないけど、そんな習慣は聞いたことがない。
飲酒が解禁される年齢は酒の種類によって違っていて、アルコール度数の低いビールやワインなら16歳から、度数の高いウイスキーやウォッカなどは18歳から飲むことができる。
でも、親が一緒にいれば14歳からビールやワインを飲むことができる。

ーー日本で中学生と親が酒を飲んでいたら、近所で「ダメ家族」の烙印(らくいん)を押されそう。警察に密告されるかも。
飲酒を段階的に許可するという発想はなかった。酒が人に与えるマイナス面を考えれば、アルコール度数によって分かれているのは合理的な判断だと思う。それだと、ドイツで一切の飲酒が禁止されているのは14歳未満ってことか。
日本のお茶みたいに、ドイツで年齢制限に関係なく、国民に広く飲まれているものはある?

リンゴジュースと炭酸水を混ぜて作るアプフェルショーレだね。これはどにスーパーでも売ってるし、ドイツの国民的飲料と言っていいと思う。

ーーなるほど。
日本とドイツでは、食の文化や飲酒の決まりで大きな違いがあることが分かったよ。日本人なら、ドイツ式の甘めの朝食も好きな人が多い気がする。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。