友人のアメリカ人女性は日本が好きで、ニューヨークの大学で日本の文化や言葉を学んでいた。卒業後、彼女は日本の学校で英語を教えていて、数年前に帰国し、いまはジョージア州に住んでいる。今回は、そんなアメリカ人と話した内容を紹介しようと思う。
ーーアメリカに帰国して生活をはじめて、どんなところに日本との違いを感じた?
アメリカはとっても広いんだなって改めて思った。
浜松にいたころは、アパートから歩いていける範囲にスーパーやコンビニ、美容院、100円ショップ、レストラン、それと美味しいケーキのお店があった。でも、ここでは一番近くのスーパーまで車で20分以上かかるから、車がなかったら生きていける自信がない。
ーーなるほど。
アメリカ人は車がなかったら、「なんですぐ死んでしまうん?」 という状態になると。
アトランタ(ジョージアの州都)みたいな大都会は別だけど、ここみたいな郊外ではね。
でも、日本にいた時は自転車で学校へ行っていて、浜松の冬は風が強くてオニ寒かったから、自動車で通勤できるいまの生活はすごくラク。
ーーそれは遠州名物の「からっ風」だ。そのせいで、実際に感じる温度は数字よりも低い。
前にペテルブルク出身のロシア人から、「体感温度では浜松のほうが寒い」と言われたときは、なんか誇らしさを感じた。
そういえば、「体感温度」って英語で何て言うの?
「リアル・フィール(Real feel)」と言えば通じる。
ーーなんかカッコイイ。日本語にしたら「ガチ気温」かな。
彼の身長は約180cmある。
ーー12月に入ったから、アメリカ人はクリスマスに向けて本気を出しはじめている?
そうなの! きのうクリスマスツリーを買ってきて、家で組み立てた。
ーーえ? まだ12月15日で、クリスマスまで10日ほどあるけど。
は? そこは「もう」でしょ。11月からツリーを飾る人もいるから、うちはむしろ出遅れている。日本人も、クリスマスの1カ月前からツリーを用意するんじゃないの?
ーーネットで調べていると…、ホントだ。11月下旬に飾る家が多いらしい。勝手に1週間ぐらい前からだと思ってた。
*アメリカではアベンジャーズではなくて、11月下旬から始まるアベント(イエス・キリストの降誕を待ち望む期間)にツリーを飾ることがよくある。
ーーさっき、クリスマスツリーを「組み立てた」と言ったけど、いつもはクリスマスツリーに本物のモミやマツの木を使っていなかった? “ガチツリー”じゃなかった?
去年まではね。
今年から猫を飼い始めたから、本物の松じゃなくて、プラスチックのツリーを飾ることにしたわけよ。
ーー日本のプラスチックのツリーを見て「あれはフェイクだ。クリスマスの雰囲気が安っぽくなる」って言いやがったアメリカ人もいたけど。
まあね。やっぱり、本物の木のほうがクリスマスのムードが高まる。
でも、日本の家に飾るツリーとは大きさが違うと思う。2.5メートルのものを買ったけど、実際に組み立ててみたら、みんな「3メートルぐらいあっても良かった」って言ってた。
ーー日本だと、自宅に3メートル級のクリスマスツリーを飾れるのは上級国民だな。一般の家だと、それを保管する場所を確保するのが大変そうだし、そもそも玄関に入らないかもしれない。
「アメリカってこんなに広いんだな」と感じたもの納得。
でしょ? だから、日本からアメリカに引っ越してから、家の掃除がすっごく大変になったw
コロナと国民性:日本の成功の理由は、外国人が感じる”違和感”
【false economy】アメリカ人から見た、日本人の悪いところ
「Why did you come to Japan(You は何しに日本へ?)」は失礼な質問?
> アメリカ人は車がなかったら、「なんですぐ死んでしまうん?」 という状態になると。
そうなんですよ。だからアメリカには「寝たきり老人」なんていないんです。なぜなら、車に乗れなくなったら皆死んでしまうからです。なお、一部の富裕層は老人ホームに入ることもできますけど。
> やっぱり、本物の木のほうがクリスマスのムードが高まる。
> でも、日本の家に飾るツリーとは大きさが違うと思う。2.5メートルのものを買ったけど、実際に組み立ててみたら、みんな「3メートルぐらいあっても良かった」って言ってた。
アメリカ人の、クリスマスツリーに対する執着と言ったら信じられません。だって、ツリー用のモミの木の畑(当然モミの木が整然とたくさん並んでいるのです)に行って、「これがいい」と言うと、そのモミの木を根元からチェーンソーで切ってそれを持ち帰るんですから。
うーん、何て言うか、自然保護とは対極的な考え方にあるような気がします。グリーン・ピースはどうしてこういう慣習に文句を言わないんですかね?
アメリカ人のクリスマスにかける情熱はすごいですね。
グリーンピースもアメリカの伝統文化を敵にするつもりはないのでは?