海外から見たら、「日本・中国・韓国」の文化はあまり区別されていない。「そんなもんだ」と放置するのではなく、日本人は韓国の「間違いを正す熱意」を参考にしてもいい。
徐坰徳(ソ・ギョンドク)さんは止まらない
韓国の徐坰徳(ソ・ギョンドク)さんは、韓国ウォッチャーの日本人のあいだではちょっとした有名人だ。
彼は世界中から旭日旗をなくすためのキャンペーンをしたり、韓国文化に対する中国側の主張に反論したりしている。そんな活躍が認められ、日本のウィキペディアでは「韓国の造園学者、反日・反中民族主義活動家」と紹介されている。
この人の行為には基本的に共感できないが、ごくまれに理解できる瞬間もある。
オーストラリアの博物館で起きた展示ミス
先日、中央日報がこんな記事を掲載した(2025.01.10)。
「中国風の服を韓国伝統衣装として展示」 抗議しても放置の豪博物館
オーストラリアの首都キャンベラにある博物館で、「韓国伝統衣装」という説明がありながら、実際には中国風の服が展示されていた。
ある韓国人がこのミスを見つけ、すぐにソ教授に連絡。ソさんは博物館に対して何度も抗議をしたが、博物館側はその指摘を黙殺し、展示の説明文は一言も変わっていないという。
この“放置プレー”に対し、ソさんは全国紙でこう述べている
「観覧客が誤解しないよう早期に是正してほしい」
「中国は韓服も自国の文化だと主張している。それだけに世界各地の誤った韓服情報を速やかに正して、世界の人々に知らせなければいけない」
海外から見た東アジア文化の「区別」の難しさ
日本人のボクがその「韓国伝統衣装」を見ると、たしかに中国の服のように見える。でも、もし事前に指摘がなかったら、きっと何の違和感も持たず通り過ぎる。
一般のオーストラリア人に、韓国と中国の伝統衣装を正確に見分けることを求めるのは「無理ゲー」に近い。第三者の外国人は、日中韓をザックリとひとまとめにして考えることが多いからだ。
「すし」のように世界的に有名な文化なら別だが、三カ国の細かい伝統文化を正しく区別できる外国人なんてまずいない。
和服・漢服・韓服を見て、どれがどの国のものか理解できる外国人はタダ者ではない。
(これは日本人でも間違えるかもしれない。)
世界各地に広がる「アジア文化のごちゃ混ぜ」現象
海外では、東アジアの文化が「ごちゃ混ぜ状態」になっていることがよくある。
ドイツのバイエルン州に住んでいた友人の話では、ベトナム人が経営するすし店があって、メニューには春巻きやキムチが並んでいたという。
また、ケンブリッジに住むイギリス人は、中国人がオーナーのアジア雑貨店で材料を買って、「あんこ餅」を作ったことがある。
ジョージア州に住むアメリカ人に「アメリカにもたい焼きってあるの?」と尋ねると、「普通のスーパーにはないけど、韓国系の食料雑貨店ならあるかも」という答えが返ってきた。
さらに、アメリカの学校に通っていた日本人はこんな経験をした。
ある朝、学校で先生に会って「おはようございます」とあいさつをすると、「ハッピーニューイヤー!」と笑顔で祝福されたから、「今は2月なのになんで?」と不思議に思った。
その先生は、中国や韓国の旧正月(春節)のお祝いを、日本人も同じようにしていると誤解していたのだ。
韓流ブームと情報の混同
最近の韓流ドラマの世界的な流行も、文化の誤解を招く一因になっている。
あるバングラデシュ人は日本の妖怪に興味があると言うから、具体的にどんな妖怪が好きか聞くと、明らかに日本語ではない単語を言う。
答え合わせをすると、それは韓国の妖怪で、彼女は韓流ドラマでその妖怪を知ったことが分かった。彼女は以前、韓国ドラマで「九尾の狐」を知り、日本にもそれがいることが分かったから、その妖怪も日本にいるに違いないと勝手に思い込んでいたのだ。
「日本と韓国の違いを正しく理解してほしい」と伝えると、
日本と韓国の違いはしっかり理解してほしいとボクが釘を刺すと、
「そんなの分かるワケがない! あなたは、バングラデシュとインドのカレーやサリーの違いが分かるの?」
と反論されてしまった。確かに、それは無理ゲーだ。
文化を守る情熱と国民性の違い
ある日系ブラジル人は母国でテレビ番組を見ていると、日本の伝統文化を紹介する内容なのに、BGMで中国の音楽が流れていたから、母親が「デタラメね」と呆れたという。
ブラジルでこんなことは「あるある」らしい。
今回のオーストラリアの事例は「中国風」だったが、もし日本の和服が「韓国や中国の伝統」として展示されていたとしても不思議ではない。
海外にある誤った情報を指摘して、正しい日本の姿を伝えることはとても大切だ。
しかし、日本でソ教授のように「世界各地の誤った情報を速やかに正して、世界の人々に日本文化を知らせなければいけない」と積極的に動く人は思い浮かばない。日本の全国紙がそんな怒りを大々的に取り上げることも想像できない。
日中韓は文化的に似ている部分が多いが、「国民性」には大きな違いがある。自国を愛し、自国の文化を外部の誤解から守ろうとするエネルギーの強さでは、日本人は韓国人にとてもかなわない。

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