【殴り合い】韓国 vs 中国の文化の起源論争、今度は“韓紙”

 

韓国の誇る伝統工芸、それが韓紙。
その素晴らしさを全世界へ伝えるために、韓国の5人組のアイドルグループ「NewJeans」(ニュージーンズ)が動画に出演して「韓紙は強い」、「世界に知られている」とアピールしたらしい。

韓国人が自国の文化を宣伝するのは当然で、この動画には日本との比較も出てこないし、日本人なら引っかかるところは特に無く、ほとんどの人がスルーする案件だ。
でも、これが中国に伝わるとこんな炎上状態になる。

「中国の四大発明まで盗むつもり?」
「韓国に盗まれたものがまた増えた」

*紙・印刷術・火薬・羅針盤の4つが中国で発明されてヨーロッパへ伝わった。

伝統文化を紹介したら、「盗人」呼ばわりされて韓国人が黙ってるわけない。

「中国人は他人のしたことも自分のものにしようとする」
「キムチも韓服も中国の文化と主張するから気分が悪い」

キムチや韓服といった韓国文化について、中国が「起源」を主張するようになり、ここ数年、中韓の間で文化のルーツをめぐる争いが何度もぼっ発している。
この「紙論争」もそのひとつで、殴り合いに新たな1ページが加わったことにある。紙だけに。

ただ紙を作る技術は2000年ほど前に、中国で発明されたというのが定説だ。
蔡倫(さいりん)が改良した製紙法によって国内で紙が広く普及し、その後、中東のイスラム圏やヨーロッパへ伝わったという説が日本や海外では常識になっている。
韓紙について日本語のウィキベテアでは、7世紀ごろまでに中国から伝わった製紙技術を基に、朝鮮半島で発達した製紙技術によって生産された紙と説明されている。(韓紙
動画を見てないからよくワカランけど、韓紙は韓国で生まれた文化と言っているのならOKでも、「製紙法は韓国で生まれた」と言っていたらこれはNG。
中国で生まれた製紙法が朝鮮半島や日本へ伝わって、韓紙や和紙といった独自の紙をつくり出したと考えるのが正解だ。

 

「また韓国に盗まれた」、「中国は何でも自分のものにしようとする」といった言い争いが何度も発生して、ネット世代の20代・30代の韓国人の間では、中国に対する好感度はこのところだだ下がり。
日本にとっては良いか悪いか微妙なんだが、いま韓国では日本よりも中国の印象のほうが悪い。
文化をめぐる中韓の対立が激化する原因は、炎上に対して消火作業を行うどころか、こんなふうに爆発物を投げる人が出てくるからだ。

中央日報の記事(2023.01.11)

グループNewJeansの「韓紙」広報に中国でSNSテロ…徐ギョン徳教授「韓流に劣等感、気の毒だ」

日本のウィキベテアでは「反日ビジネス活動家」と紹介されている、その界隈では有名人のソ・ギョンドクさんは、韓紙をめぐる今回の批判についてこう解説する。

「韓国文化に対する大きな『劣等感』、韓流スターの世界的なパワーに対する『恐怖』がある」
「韓流が世界中心になることに危機感を感じているためだ」
「韓国の伝統文化と大衆文化が全世界の人々に注目されると、中国ユーザーたちは『危機感』を感じている」

中国人のコメントは「歪んだ愛国主義の発露」で、彼らは「気の毒だ」と話すソ・ギョンドクさんに鎮火の考えは1ミリもない。
この中央日報の記事で気になったのは「紙を初めて作ったのは中国」、「中国から学んだ製紙術」と中国人がコメントしたのを「悪質な書き込みテロ」と表現していること。
「紙を初めて作ったのは中国ではない」や「韓国は中国から製紙術を学んでいない」と言うことこそ、「歪んだ愛国主義の発露」では?
世界の中心となった韓国文化に対して、中国人は大きな『劣等感』を持っているーー。
中国と韓国の製紙法の違いを説明すればいいのに、「韓国スゲー、中国ダセー」なんて見方を全国紙が報道するから、この手の争いはなかなか終わらないし、遺恨が残って何かあればまた再燃してしまう。

 

さて、「中国人は他人のしたことも自分のものにしようとする」なんて怒る韓国なんだが、15年前にはこんなことを言っていた。

朝鮮日報の記事(2008.11.03)

“서방에 전파된 <제지술>製紙術은 고구려 기술일 가능성”

「西側に伝播された<製紙術>製紙術は高句麗技術である可能性」(機械翻訳)

いや、西洋へ伝わった製紙術は中国の技術だろ。
いまは中国に怒る韓国も、過去を見ると、中国を挑発するような言動をけっこうしている。
「歪んだ」かどうかは知らんけど、どっちも「愛国主義の発露」では?

 

 

日本 「目次」

韓国 「目次」

【ゲテモノは食文化】世界・韓国・日本の気持ち悪い食べ物

韓服にキムチで今度はビビンバ。韓国と中国の文化対立

【韓国文化】理想的なことが日本で、最悪なことが中国で発生中

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。