日本へ旅行でやって来るという台湾人から、「京都で会いましょう!でもって案内してください」というリクエストをもらった。
京都には大学時代4年間住んでいたから、それはお安い御用&気を付けておこしやすなんだが、唯一気になったのは、彼らが「一貫道」という宗教の信者だったこと。
本人が言うにはこれは仏教の一派。
ウィキペディアには道教の教義を中心に仏教・儒教・キリスト教・イスラム教の考え方をミックスする(一つの宗教に統合する)という意味で「一貫道」になったとある。
台湾にはけっこうな数の信者がいるし、別にアヤシイ人たちではない。
一貫道の思想と京都旅行がぶつかるのは、どこで何を食べるかという食の問題だ。
殺生の禁止の教えから、台湾での食文化への影響も大きく、台湾素食として知られている。
「素食」は質素な食べ物じゃなくて採食料理のこと。
肉を食べない人がヴェジタリアン(菜食主義者)で、それに加えて、牛乳や卵などの動物性食品も口にしない人をヴィーガン(完全菜食主義者)という。
友人の台湾人はヴィーガンだったから、昼食と夕食のレストラン選びが最優先となる。
レストランの数は限られているから、そこを中心にして訪れるお寺や神社などをきめていくという、それまで経験したことのない京都旅行のプラン設定となった。
ぶっちゃけ、これがなかなか面倒くさい。
「京都旅行中は“ヴィーガンやめます宣言”とかしてくれると嬉しいのに」と思ったのだけど、そんな都合のいい話が世の中あるわけない。ということもないらしい。
朝鮮日報の記事(2021/04/13)
毎日菜食はつらい…韓国で「週1ビーガン」が話題
365日、年中無休で菜食主義者でいるというのは、辛すぎて無理。
でも、週に1日ならできる!という「フレキシタリアン」がいま韓国で増えているという。
フレキシブルとヴェジタリアンの造語がフレキシタリアン(flexitarian)。
別に週1がマストとか、最低限というわけでもない。
週や月に2~3回という人もいるし、曜日を決めていても友だちとご飯を食べるときは肉を食べて、翌日肉をひかえるという人もいる。
自分で選択できる自由や柔軟性があるのがフレキシタリアンで、日本には「ゆるい菜食主義者」と表現するサイトもある。
もともと欧米にはそういう人たちがいた。
動物の権利や自身の健康よりも、「環境のために実践できることだと思う」といった理由から、ここ数年韓国でもフレキシタリアンが増加傾向にあるという。
牛や豚などの家畜を飼育すると、その過程で環境に悪影響を及ぼす温室効果ガスが発生するから、自分が肉食をひかえることで間接的にそれを減らすことができる。
目に見える結果ではなくて、精神的な満足に近い。
そんな理由からフレキシタリアンを始める人が多いという。
公式なデータはないものの、韓国の菜食人口は150万人ほどいるとみられている。
台湾の一貫道とちがって宗教的な理由ではなく、こちらは環境保護という個人的な目的から行っている。
もっとも宗教で禁止されていたら、「ゆるい菜食主義者」なんて存在は許されない。
需要があればビジネスチャンスもうまれる。
韓国の菜食関連市場はどんどん大きくなっていって、いまソウル市は、市内にある約950カ所の菜食レストランをインターネットで公開している。
さらに記事にはこう書いてあるから、けっこう本格的。
今月5日には全国の議会で初めて「菜食の日」を指定、菜食レストラン認証制度などを骨子とする「菜食条例」まで通過させた。
「肉より野菜」という動きは、きっとこれからソウルから韓国の地方へ広がっていく。
これは個人の主義や考え方だから、良い/悪い、進んでいる/遅れているは自分できめればいい。
ただ選択肢が増えれば、外国人との付き合いは楽になる。
京都市にもソウル市の10分の1ぐらいの菜食レストランがあったら、台湾人とのレストラン選びであんなに苦労することはなかったはず。
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> 牛や豚などの家畜を飼育すると、その過程で環境に悪影響を及ぼす温室効果ガスが発生するから、自分が肉食をひかえることで間接的にそれを減らすことができる。
そんなことよりもまず、プラスチックが石油から作られていることを勉強しましょうね。一般にはあまり知られてないそうだから。