日本は島国ということもあって、東アジアの中で良くいえば孤高、でなければ仲間はずれになっている。
日本ではすでに完全終了したお正月が、中国・韓国・ベトナムでは今日2月1日から始まるのだ。
東京に住むベトナム人がつくった正月の飾りとお供え物
そのめでたい正月について、日本語のWikipediaでは「韓国の反日活動家。誠信女子大学校客員教授」と紹介されているネット界の有名教授・韓国のソ・ギョンドク氏がこんな提言をした。
Record Chinaの記事(2022年1月31日)
韓国教授「旧正月の英語表記からChinese取るべき」=中国人「また言い掛かり」
グーグルのカレンダーをはじめとして、世界では一般的に英語で「Chinese New Year(中国正月)」と表記されている。が、一韓国人として、ソ教授はこの動きを見過ごすことはできないらしい。
春節は中国だけでなく、韓国やベトナム、フィリピンなど他のアジアの国も記念する日であり、「Lunar New Year」に変えるべきだと主張した。
もう早速、「Lunar New Year」(太陰暦の正月)に変えようキャンペーンを始めた、ソ教授のスピード感と行動力には相変わらずホレボレする。
「戦犯旗(旭日旗)世界撲滅キャンペーン」にはオイマテとなるが、対岸の火事は遠くで見てるだけ。
でも、「Chinese」を削除する動きに中国が黙っているわけがなく、中国共産党系メディアの環球時報は「中国の文化に言い掛かりをつけることを好む韓国の教授が今度は中国の春節に目をつけた」と報じたとか。
ソさん、いろんなところに噛みつきすぎ。
これに中国のネットでは、
「韓国人は中国人が発明したもの」
「1万年後もChinese New Year」
「以前は日本に言い掛かりをつけていたが、ここ2~3年は矛先を中国にも向けるようになったようだな」
と反発の声ばかりのようだ。
まぁどちみち日本は関係ないし、お互い全力で殴り合ってくれ。
一方、隣国の争いを眺める島国の住民はこう思った。
・韓国でそう呼んでいればいいだけの話。無駄に論争を引き起こす意味が分からん
・中国人じゃないけど、俺も言い掛かりだと思うw
・キムチで使う白菜も英語名はチャイニーズキャベツ
・ちなみに日本やベトナムは中国暦を輸入したのち里差(時差)を加味して現地ナイズしていた
・旧正月やめればいいだろw
ネットの反応を見る限り、日本ではこの件に関しては中国を支持する人が多い。
まえに韓国のネット掲示板で見た「日本をたたく時だけ、韓国と中国は仲良くなれる」という書き込みを思い出す。
タイの日本食レストランの宣伝
ただ、ソ教授のキャンペーンを日本語に訳すと「言いがかり」になるとしても、異議を唱えたくなる気持ちは分かる。
江戸時代までは同じ時期に正月を祝っていて、明治になると元旦を西暦に移した日本人の間なら「旧正月」と表現すればいい。
でも外国人と英語で話をするときに「old」で通じるわけがないから、「Lunar」か「Chinese」をチョイスしないといけない。
それで前に失敗しますた。
インドを旅行中に出会った韓国人と、日韓の文化の共通点と違いについて話をしていたとき、つい「日本と違って、韓国は Chinese New Year を祝うよね~」と言ってしまう。
すると彼は一瞬、真顔になって「それは違う。われわれが祝うのは Lunar New Year だ」と言う。
歴史や文化ではなくて、韓国人とのコミュニケーションならこれが正解だ。
それ以来、相手が韓国人のときだけは「New Year」か「Korean New Year」と言うようにしている。
つまり、ソ教授のキャンペーンに部分的に参加していることになる。
英語版ウィキペデアの「Chinese New Year」を見ると、台湾、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、タイ、カンボジア、フィリピン、アメリカ、モーリシャス、ペルー、カナダ、ヨーロッパなど海外の中国人や中国系の住む地域でこの正月が祝われていると説明されている。
知人の中国系タイ人もこの正月を祝うし、ニューヨーク出身の黒人もこの時期、チャイナタウンがにぎやかになると言っていた。
世界的にはこれは、中国のイベントとして認識されているはず。
韓国の国民感情に配慮して「Lunar New Year」と言ってほしいといっても、それでは特徴がなくなるから、教授のキャンペーンが同胞以外の共感を呼ぶとは思えない。
英語版ウィキペデアには「韓国正月」の項目が作られているから、その独自性を世界にアピールしたほうがいいでしょ。
この時期、韓国人は家族で集まって先祖に敬意を示す儀式をしたり、韓服を着たり伝統的な食べ物を食べてゲームをするという説明がある。
ただ、その起源は古代中国にあるようだ。
The prototype of Korean New Year is believed to be found in the 3rd century Chinese historical work,
ソ教授のやることはまだまだ山盛りありそうだ。日本は無視して、多方向で全力でガンバレ。
周囲と一線を引くように、日本を島国でつくってくれたイザナギ&イザナギさまには感謝しかない。
> 英語版ウィキペデアの「Chinese New Year」を見ると、台湾、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、タイ、カンボジア、フィリピン、アメリカ、モーリシャス、ペルー、カナダ、ヨーロッパなど海外の中国人や中国系の住む地域でこの正月が祝われていると説明されている。
昔、東南アジアに滞在したとき、ほぼすべての国(中国人の少ない国も含めて)でChinese New Yearを祝日扱いすることに驚きました。祝日なので当然仕事は休み。なぜかイスラム教徒も仏教徒も祝日。その日も普段と変わらずオフィスで仕事する気でいたのは日本人だけでした。
聞いてみると、「この国(インドネシア)では中国系住民は少数派ではあるが、重要な仕事を担っている者が多く、その彼らが自主的に休暇としてしまうので結局は仕事にならない。ムスリム(イスラム教徒)たちも中国人が休んでくれることを、自分たちも休みにできる(?)ので歓迎している」という説明でした。
まあ、お祝いの日が年に2回もあるのだから、1回よりもいいんじゃないでしょうか。日本のゴールデン・ウィークみたいなものか。
知人の韓国人とベトナム人はSNSのあいさつで「Chinese」を抜いて「New Year」を祝っていました。
このへんはむずかしいです。
> すると彼は一瞬、真顔になって「それは違う。われわれが祝うのは Lunar New Year だ」と言う。
> 歴史や文化ではなくて、韓国人とのコミュニケーションならこれが正解だ。
> それ以来、相手が韓国人のときだけは「New Year」か「Korean New Year」と言うようにしている。
なるほど。ブログ主さんと私とではその点が違いますね。
私だったら「そんな変な英単語は、韓国以外の世界中のどこでも使われていないから、Chinese New Yearが正解だ」と反論するでしょうね。「単なる通例の呼び方と言うだけでなく、太陰暦が中国で作られたという点からも正解だ」と付け加えるかもしれません。
それで相手の韓国人が怒って友人にはなれないと言うなら、それまでの話です。
岸田首相は春節の祝辞で「Chinese」ではなく「Happy Lunar New Year!」と言っています。