【韓国の二面性】慰安婦合意で、日米と国民に違う顔を見せる韓国政府

韓国人には二面性がある。
昼間、会議などでは「反日」を叫んでいても、それが終わって夜になって食事をすると、今度は日本への親近感を語りだす。
韓国にいる日本人の間では昔から、韓国人のそんな2つの顔は有名で、「昼は反日、夜は親日」といわれてきた。

韓国事情に詳しいジャーナリスト、黒田勝弘氏が著書『韓国 反日感情の正体』 (角川oneテーマ21) でそんなことを書いている。
知人の韓国人に聞いても、たしかにそんな傾向はあるという。韓国社会では、「日本は過去の歴史を直視し、反省と謝罪をしなければいけない」という主張が公式見解となっていて、他人の目があるところではそう主張しなければならない。しかし、個人的には日本文化などが好きなので、プライベートな場になると「日本の◯◯が好きだ」と語ることがある。

こんな感じに、反日と親日が心の中で同居していることは韓国人には珍しくない。
「親日派(裏切り者)」というレッテルを貼られると、社会的にダメージを受けることがあるので、それを避けるために「愛国(反日)」を強調している人もいると思われる。

一般の人ならそれでも問題ないけれど、政治家が場面によって態度を変えると、自分の首をしめることになる。
日韓政府が慰安婦問題について話し合いを続け、2015年に「最終的かつ不可逆的に解決」で合意した。
その合意について最近、日本政府は「慰安婦問題は解決済みだ」という立場を改めて示したが、韓国の担当大臣は「適切ではない」と日本を批判した。

ソウル聯合ニュースの記事(2025.11.05)

慰安婦問題に対する日本政府の立場は「不適切」 韓国担当閣僚が見解 

韓国政府は「韓日合意の精神を順守しながら、被害者の名誉と尊厳を取り戻すために努力する」という立場をとっている。そのため、韓国政府としては、日本の心からの謝罪が必要だが、日本が「解決済み」という見解を変える可能性はなく、現実的には不可能だ。

元慰安婦の人たちを支援する(と称する)市民団体の理事長は「李在明(イ・ジェミョン)政権は被害者の尊厳と名誉を回復させると述べた」と政府にプレッシャーをかける。
李氏は大統領になる前、15年の日韓合意は誤った合意であり、いったん破棄して被害者が納得できる合意を再び結ぶべきと主張していた。

しかし、李氏は大統領になると一変し、政府の合意を否定するべきではないと言い出した。手首がちぎれるぐらいの手のひらをしてみせた。
いま李大統領が慰安婦合意の破棄を言い出せば、日本を怒らせるだけでは済まない。今年8月に行われた米韓首脳会談で、トランプ大統領は李大統領に向かって、日本は韓国と仲良くしたいと思っているのに、「韓国が慰安婦問題に非常に執着しているため、日韓関係の改善は困難だった」とストレートに不満を述べた。
それに対し、李氏は東京で石破首相と話をして「心配される問題は全て片付けた」とトランプ大統領に訴えた。本当にそうなら、慰安婦問題も「解決済み」ということになるのだが。

 

あの合意から10年が過ぎたいま、日本政府は「すでに終わったこと」という立場をハッキリしているから、これから韓国が何を言っても、伝家の宝刀「丁寧な無視」で対応するはずだ。
韓国政府は日本やアメリカに対しては「合意を守る」と言うが、国民に向かっては「まだ問題は終わっていない」と言い、日本の態度は「不適切」と矛盾したことを言うだろう。
国の内外で異なることを言うのはきっと大変だ。…と思ってしまうけれど、韓国の人たちは、日本に対して昔から「昼は反日、夜は親日」という2つの顔を使い分けてきたから、苦痛なんて感じていないかもしれない。

 

 

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

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【慰安婦問題のいま】真実を知り、冷たくなった韓国人の目

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 「昼は反日、夜は親日」– これを”必要に応じて”というのは韓国の政治人たちです。
    韓国人が大体がああだと判断するのは間違いです。韓国人は基本的に「反日」情緒を持っています。なぜなら学校で反日教育を受けて成長し、社会生活をしながらもずっと反日雰囲気の中で生きているからです。では、なぜ”昼は反日、夜は親日”になるのでしょうか?
    それは韓国人が日本に対する理解が混乱しているからです。 カオスにはまっています。
    これまではずっと”日本は悪魔だ”という教育と雰囲気の中で生きてきましたが、実際に韓国人が出会った日本と日本人は悪魔ではないんですよ。特に、最近の大谷翔平選手や山本由伸選手の礼儀正しい行動とチームメートのキム·ヘソン選手と親しくしている姿から、韓国人は日本人が悪魔ではないかもしれないと混乱しています。もちろん、それ以前に韓国人が日本を旅行しながら感じた”日本の新しい姿”も韓国人の心を混乱させました。しかし、彼らの心の中にはまだ「日本は悪魔だ」という固定観念がそのまま存在します。今の韓国政権の親日的行動は彼らの必要による身振りに過ぎません。

  • 「昼は反日、夜は親日」というのは、韓国にいる日本人の印象です。韓国人の心の中まではわかりませんが。

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