【日韓関係】日本が“竹島飛行”に怒り支援中止→韓国軍が反発し…

日本と韓国の交流は古代から続いている。
1906年に荒川五郎という日本人が朝鮮半島を視察し、そこで見聞きしたことを『最近朝鮮事情』にまとめた。彼は当時の朝鮮人について次のように書いている。

「その色合いから背格好、髪や毛の黒いところまで、皆日本人と良く似ている」
「髪を切り洋服を着て日本語を使っているところを見れば日本人と少しも異なっていない。」

外見が本当にソックリだから、注意して見ないと日本人と見間違えるという。
内面についても「日本語も早く覚えるし一通りの事務も出来る」と評価するが、「面倒な勘定事になると、どうも得堪えられぬ」という。
複雑な計算は苦手だったらしい。
それから約100年が過ぎ、今はどうだろう?

 

「韓国のりは大好き。韓国コスメも使っています。韓国ドラマも見ております」

10月に日本初の女性首相となった高市早苗氏がそうコメントすると、韓国メディアが注目し、大きく報道した。
その月の終わりに行われた日韓首脳会談で、李在明大統領が韓国の化粧品と海苔をプレゼントすると、高市首相は囲碁が好きな李大統領に碁石と碁笥(ごけ)を贈った。
和気あいあいの雰囲気で首脳会談が終わった後、メディアから高市首相の印象を聞かれた李大統領は、

「同じ考えを持つ立派な政治家だと感じた。非常に良い感じを受けた。心配事はすべて消えた」

「同じ考えを持つ立派な政治家だと感じた。非常に良い印象を受けた。心配事はすべて消えた」

と満足そうに述べ、「韓日関係は今よりさらに発展できる」と強調した。
高市首相も李大統領も、そのポジションにつく前は、相手の国にかなり厳しいことを言っていたため、日韓関係は文政権時代のようにまた「戦後最悪」になる恐れがあるとささやかれていたが、良いスタートを切ることができた。
李大統領が言ったように、未来は明るい。

…と、そんなふうに思った時期が俺にもありました。1週間後、中央日報がこんな記事を掲載した。(2025.11.07)

韓国軍楽隊、自衛隊音楽まつり参加を保留…ブラックイーグルス独島飛行抗議に対抗

今月17日にアラブ首長国連邦で開催されるドバイエアショーに、韓国空軍の特殊飛行チーム「ブラックイーグルス」が参加する予定で、ドバイへ向かう途中、時間と費用を節約するため、日本の自衛隊基地で無償で給油支援を受ける予定だった。
高市首相も韓国との関係を重視し、それにOKを出していた。
しかし、日本が突然「NO」を突きつけたため、給油は不可能となり、韓国軍はエアショーへのブラックイーグルス派遣を中止することにしたという。こうした手続きには1ヶ月以上かかるため、今さら他の基地で給油することは不可能だ。

これまで韓国軍の航空機が日本の自衛隊基地で給油を受けたことはなく、もし実現すれば、日韓の「軍事協力」を印象づける重要な機会だったが、韓国側の「配慮に欠ける行動」によって流れてしまった。
先月の終わりごろ、ブラックイーグルスは竹島(韓国名・独島)の上空を飛び、飛行機雲で太極旗を描いた。韓国側としては、日本が領有権を主張する島の上空を軍機が飛行し、韓国の国旗を描くのはとてもスカッとして気持ちがいいが、日本にとっては神経を逆なでする挑発行為となる。
「領土問題は譲歩できない」という日本政府関係者の声は当然で、中止するしかなかった。

しかし、韓国軍としてはメンツを潰された形になり、黙っているわけにはいかない。
今回、日本が「妨害」したため、ドバイエアショーに参加できなくなったと非難する韓国メディアもあったが、軍もそう怒っているかもしれない。
韓国国防部はその“報復”として、防衛省に対し、今月13日から東京で開催される「自衛隊音楽まつり」に軍楽隊を派遣しないと伝えた。
燃料支援の中止とバランスが取れているか不明だが、間違いなく悪循環だ。

 

日本のネットでは「最悪のタイミングで最悪の選択をする」というフレーズがよく使われる。今回の件もまさにそれだ。
日本から無償支援を受けることが決まっていて、日韓首脳会談の直前というタイミングで、韓国軍が竹島上空を飛行し、太極旗を描くことを選んだのは、あまりにも日本と両国関係への配慮に欠けている。
竹島を選び、その上空で太極旗を描いた理由は「国民感情的に気持ちが良い」といったレベルだろう。
韓国側も日本の反発は予想していたはずだ。しかし、日韓関係は改善基調にあり、ドバイのエアショーに参加できなくなるのは日本も分かっているから、注意ぐらいで終わり、まさか中止を宣告されるとは考えていなかったのでは?

 

現在の韓国人は数学的な計算は得意だろうが、日本人の心を読んで先を見通すことは苦手なようだ。日本人も対韓国では同じで、日韓の間では予想外の出来事が起き、思わぬトラブルに発展することがよくある。

 

 

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

国のメンツと人道支援:日本が韓国に感謝したり、激怒したり

韓国「日本には何をしてもいい」 vs 安倍首相「許さない」

韓国の政治家は「反日と用日」①国民感情を満たす方法って?

【日韓関係悪化中】韓国政府の認識「日本はなくてもいい国」

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 私がすでに申し上げたじゃないですか。
    現在の韓国政府のスタンスはひたすら自分たちの必要によるジェスチャーに過ぎず、本音は全く変わっていません。「第2の太平洋戦争挑発」という言葉をもう忘れましたか?

  • そうですね。関係が改善された雰囲気が出ても、すぐに無くなってしまいます。表面的にものごとを見てはいけません。

コメントする

目次