8月15日に、ガストでアメリカ人とイギリス人とご飯を食べた。
たまたまその日に食事をすることになったのだけど、よく考えてみたら、8がつ15日って終戦記念日じゃん。
かつて敵として戦ったアメリカ人とイギリス人と、この日に”ガスる”というのも不思議な感じがする。
それはおいといて。
このとき、テーブルに「土用の丑の日にはウナギを食べよう」といったパンフレットが置いてあった。
それで、こんな話題になる。
「あなたの国で、夏の暑さを乗り切るためスタミナ料理は何ですか?」
夏は暑い。
食欲がなくなって、どうしても疲れやすくなる。
夏バテで、ダウンしてしまうこともある。
だから日本では、そんな夏の疲れを吹き飛ばすために昔からウナギをよく食べる。
アメリカやイギリスも夏は暑い。
だったら、その暑さを乗り切るためのスタミナ料理がきっとあるだろう、と思って聞いてみた。
ということで今回は、世界の国の「夏の食べ物」について書いていきます。
彼らの答えはこの記事の最後に出てきます。
でもその前に、日本ではなんで土用の丑の日にウナギを食べる習慣が定着したのか?
その理由にはこの記事をどうぞ。
夏の暑さ負けないためには、パワー(精力)が必要だ。
ということで、日本ではウナギを食べることが多い。
韓国ではどうか?
友人の韓国人が疲労回復の食べ物としてあげたのは、サムゲタン(参鶏湯)だった。
朝鮮日報の記事(2017/08/19)にも、サムゲタンが韓国最強のスタミナ料理に選ばれたと書いてある。
韓国人に聞く:スタミナ料理の代わりとなる夏の食べ物と言えば
韓国のサラリーマンや学生の間でサムゲタン人気は絶大だ。
今では、サムゲタンは日本でもおなじみの韓国料理になっている。
これが鶏一匹を使った豪快な料理。
この鶏に高麗人参・ニンニク・ナツメなど、栄養価の高い物をぶちこんで煮込む。
ちなみに、タン(湯)は「スープ」という意味。
中国語でも同じで、“湯”とはスープのこと。
日本のラーメンスープの”パイタン”は、漢字で書くと”白湯”になる。
これが韓国最強スタミナ料理のサムゲタンだっ。
韓国の情報サイト・ソウルナビにはこんな紹介がある。
疲労回復効果があることから夏バテ対策として三伏の時に必ず食べるのがこの「サムゲタン」。
スタミナ料理の代わりになる夏の食べ物と言えば、韓国ではスイカやアイスクリームになる。
台湾人に聞いたところ、の夏のスタミナ料理は「牛肉湯」らしい。
この”湯”も参鶏湯(サムゲタン)の”湯”と同じで、スープという意味。
だから、牛肉湯とは「牛肉のスープ」ということ。
画像は台南 小吃小ばなし*牛肉湯を見てほしい。
ボクが話を聞いた台湾人は台南の高雄出身の人。
この牛肉湯は台南で人気の料理で、台南の人が夏のスタミナ料理として食べるという。
牛肉湯は、むかし力仕事に携わる多くの人たちが、仕事前に食べるのが定番だったので、今も朝ごはんとして食べるのが定着しています。
でも彼は牛肉を食べられないから、これを飲んだことがない。
父親がこれが好きで、夏には欠かせないとか。
ここで話をアメリカ人とイギリス人に戻す。
彼らに「あなたの国のスタミナ料理は何ですか?」と聞いたら、2人とも「特にない」とつまらないことを言いやがる。
日本のウナギ、韓国のサムゲタン、台湾(台南)の牛肉湯といった「これを食べて暑さを乗り切る!」という発想がアメリカやイギリスにはないらしい。
だから、夏のスタミナ料理というものが思いつかない。
「あえていえば、アイスクリームかなあ」とアメリカ人が言う。
イギリス人もそれにうなづく。
イギリス人の場合はレモネードをつくって飲むらしい。
ウナギ、サムゲタン、牛肉湯とは違って、2人とも「夏は冷たいものがいい」と言う。
それはいいけど、夏の暑さを乗り超えるためのものがアイスクリームやレモネードでは、ちょっと物足りない。
ボクが外国人から話を聞いた限りでは、「夏の暑さを乗り切るために、力の出るスタミナ料理を食べる!」という発想は日韓台の東アジアだけ。
タイ人もそんな考えはないと話していた。
この発想は、中国から来たのかもしれない。
日韓台で共通しているもの、と考えると中国がその起源にあるような気がする。
そんな中国には、夏になると盛大に犬肉を食べる地域がある。
それが”犬肉祭り”と呼ばれるもので、世界中の動物愛護団体から怒られている。
動物愛護団体によると、毎年「犬肉祭り」のために約1万頭の犬が殺されているという。その方法は、生きている犬を「感電させる」「熱湯に入れる」「皮をはぐ」といった極めて残忍なものだ。
サムゲタンも牛肉湯もいいけど、これはいらない。
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