はじめの一言
吉田松陰について
「教養ある人物で、優美に字を漢字を書き、その態度も礼儀正しくきわめて洗練されていた(ペリー 幕末)」
「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」
今回の内容
・「仏像を返すべき」、え?
・「読者の意見」
・「反日感情」と「世界の目」にはさまれて苦し~。
・「仏像を返すべき」、え?
2012年に対馬の仏像が韓国人の泥棒に盗まれた。
でも韓国では、「その仏像はもともと韓国から略奪したものだから日本に返すな」という声が多いのだ。
もちろん、韓国がいう「略奪された」にはその根拠がない。
でも、韓国の地方裁判所までも仏像を日本は返すことを拒否する。
こんなことがあったから、対馬の仏像は日本に当分戻ってこないんだろうなあ、と思っていた。
そうしたら、5月に朝鮮日報のこんな記事を見つけた。
長崎県対馬市の観音寺から盗まれた「金銅観世音菩薩坐像」を日本側に返還すべきだという主張が、韓国側からも飛び出した。
対馬から盗まれた仏像、韓国でも返還論
「今ごろかよ」という気はするけど、まあ飛び出さないよりはまし。
英語でもこんな言葉があるし。
Better late than never.(遅れてもやらないよりはまし)
こういう記事をのせたというのは、韓国は今、「この仏像を日本に返したほうがいい」という空気が強くなっているということだろうか。
この記事では、こんな言葉を紹介している。
「窃盗犯が盗んできた仏像をそのまま自分たちのものにするというのは正常な国がすることか」
「国連加盟国がなすべき行為だろうか。ユネスコが韓国をどうとらえるだろうか」
仏像は日本に戻すべきではないという韓国の強い市民感情(反日感情)があるけど、「盗んだ物を返さない」というのは国際常識には合わない。
韓国政府が、「市民(反日)感情」と「世界の目」の板ばさみになっている。
韓国の新聞としても、盗んだ仏像をこのままもっているのはマズイと思い始めたのだと思う。
・「読者の意見」
さらに6月24日には、朝鮮日報がこんな「読者の意見」をのせている。
韓日の国民感情にしこり 仏像は直ちに日本に返還すべき
・返還されず、逆に韓国で「日本が略奪していった」などと主張する声が出た影響で、両国国民の間の感情的なしこりが今なお解消されないのだ。
・日本では嫌韓感情が高まり、対馬現地に住む在日韓国人の生活にも悪影響が出ているのはもちろん、外交でも摩擦が強まることが懸念されている。
・対馬の日本人の反韓感情は一層深刻になっているようだ。
・両国国民の感情を悪化させるこのような主張や対応は、法治国家である大韓民国の格を自らおとしめる結果を招くはずだ。
・そのため裁判所は取りあえずこの仏像を返還させるべきではないだろうか。韓国の文化財はどれも非常に貴重なものだ。しかし確認もできない過去の問題にいちゃもんをつけ、何の意味もない摩擦を自分から起こすべきではないのだ。
この読の意見は、釜山にお住いの「ノさん」のものらしい。
読者の意見とは、基本的にそれを載せる新聞社の意見と同じ。
たくさんある読者の意見の中から、どの意見を採用するかは新聞社が判断する。
つまり、読者の意見といっても新聞社が「載せたい意見」を選んで載せているから、結局は新聞社の意見になる。
基本的にはね。
だからこの「ノさん」の意見は、朝鮮日報の意見と考えていいだろう。
それにしても、このノさんの文章はすごく整然としていて、さらに説得力もあって素人ばなれしている。朝鮮日報の読者はすごく知的らしい。
・「反日感情」と「世界の目」にはさまれて苦しい!
これを見て、韓国の政府や新聞社にいる人たちは、「市民(反日)感情」と「世界の目」の板ばさみになって、ツライ思いをしているのかなあ、と感じた。
そしたら7月に、韓国政府が仏像を「真の所有者に返還する」ということを言い出し始める。
朝日デジタル(7月7日)の記事から。
長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国で見つかった仏像をめぐる訴訟で7日、韓国の浮石寺(プソクサ)が「倭寇(わこう)に略奪された」などと主張していることについて、韓国政府側は「具体的に立証できていない」と指摘した。
保管中の仏像について「真の所有者に渡さなければならない」と表明。ただ観音寺に返還するとの考えは示さなかった。韓国政府「倭寇の略奪、立証不足」 対馬の盗難仏像訴訟
仏像は、「倭寇(わこう)に略奪された」と韓国の寺が主張しても、それを証明できないとしたら韓国政府もかばいきれないんだろう。
やっぱり、韓国政府は「反日に結びついた国民感情」に苦しい思いをしているのだと思う。
でも、この問題では韓国の言い分にはムリがあるということは、韓国も前から気づいていたはず。
事件が起きた2012年のころは、「略奪されたから、日本には返す必要はない」と言っていた韓国のマスコミも、2013年には論調が変わってきた。
中央日報は、2013年にこんな社説(2013年09月29)をのせている。
日本側はすぐに返還するよう騒いでいる。韓国ではもともと韓国所有だったものをなぜ返すのかとの反発が強い。
しかしいくら流出文化財でもこうした形で還収するのが正しいのかは落ち着いて考えなければならない浮石寺の仏像返還、理性的に対処せねば
「盗まれた物を返せ」というのを、「騒いでいる」と表現するのが韓国の新聞らしくておもしろい。
それはいいとして、この時点で韓国の新聞では、国内の反日感情が高まることに危機感をもっていたことが分かる。
この社説は「こままじゃ、ヤバい」と、この国内の感情をおさえようとしているようにも見える。
韓国政府側が「真の所有者に渡さなければならない」として日本に返すとなったら、反日感情が刺激されて国民は猛反発すると思う。
韓国政府は国民から激しい批判を受けることになるんだろう。
でも、韓国で生まれた反日感情で韓国が苦しんだとしても、日本は知らないよー。
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反日に苦しむ韓国① いつから、なぜ自衛隊の旭日旗が問題なのか?
こんにちは!
本当になぜ今更という感じですが、韓国が常識的判断に近づいていますね。
韓国くらいの規模の国では、「世界の目」を気にしないと行きていけませんが、近くの大国はそうでもないようで・・・・・・
ついに国際的な司法判断によって中国が主張する南シナ海などの領有が却下されましたが、この先どうなるのでしょうね。
こんにちは!
本当ですね。一時期の日韓関係は、戦後最悪とまで言われていたのに。雨降って地固まる、ですかね。
中国は、どうなるんでしょうかね。
国際司法裁判所の判決は「紙切れ一枚」とか言ってましたし。
しばらくは、無視するんじゃないですかね。
ある意味、外圧には強い国ですし。笑。