先月、韓国紙・中央日報にこんなコラム(2019年04月22日)が載っていた。
文在寅政権発の韓日関係破綻の恐怖
いまの文政権について、「この政府はなぜ両国関係の破綻を放置するのだろうか。国内政治を狙った過剰民族主義、反日情緒が問題だ」というのはもっとな指摘として、「加害者である日本が被害者になるというあきれる状況を韓国が自ら招いた」というのは、ぶっちぎりで意味不明。
約束をすべて守った日本がなぜ加害者に?
でもまあ、それはいいとして、いま韓国は韓日関係の終わりに震えている。
そこで、「韓国を愛する外交官」という小倉元駐韓日本大使の登場だ。
韓国や韓国文化に大きな愛情を見せたという小倉氏の言葉を、中央日報が記事(2019年05月16日)で紹介している。
「知韓派」小倉元大使「日本の反韓はなぜ反韓国人なのか」
戦後最悪といわれるまでに悪化した韓日関係を改善するために必要なことを小倉氏が話している。
といっても、どの言葉を取捨選択するかは中央日報がきめることだから、これはそのまま韓国側の意見と考えていい。
もっと正確にいうと、これは韓国が日本に期待していることだ。
では、明るい韓日関係のために、いまどんなことが必要なのか?
*「」は小倉氏の言葉。
・「日本人も韓国人を理解することが大切」
・関係悪化は韓日双方に要因があるとし、「日本側の要因として韓国人に対する理解不足」を挙げる。
・いま最大の問題となっている徴用工問題については、日本は「韓国の主張をそのまま認めるわけではないが、少なくとも頭では理解しておく必要がある」という。
・日本の統治(植民地支配)は「そう簡単に消える話ではない。この点はもう少し日本人が理解すべき」と指摘。
つまり日本人が韓国人の感情や考え方をもっと理解すれば、韓日関係はよくなるという。
加害者である韓国が被害者になるというあきれる状況だ。
反日的な市民団体など韓国側の課題も挙げられているけど、それはこの記事では重要ではないから、興味のある人は上の記事を検索してほしいっす。
「韓国を愛する外交官」と韓国から愛される人だけあって、言っていることは韓国側を過度に理解した内容になっている。
関係悪化の最大の原因は韓国による一方的な約束違反なのだから、それはちゃんと指摘してくれないと困る。
だから「双方に要因がある」という見方は中立をよそおった不公平だ。
現状では、韓国側に原因と解決の責任がある。
徴用工訴訟問題では韓国政府が対応策を発表しないといけないのだけど、いまだにそれがない。
このへんをクリアしないで関係だけを前進させるというのは、韓国しか幸せにならない。
それに日本統治の記憶が「そう簡単に消える話ではない」というのなら、台湾ではなんで消えたのか?
ゼロになったとは言わないけれど、台湾と日本との間では、過去は歴史になっていて問題にはなっていない。
この点はもう少し韓国人が理解すべきだ。
結局、ここで韓国側が強調していることは、日本は我々を理解してほしい、理解する必要がある、するべきだ、ということ。
これだとまるで、「自分たちは正しいことをしているのに、それを理解しない日本が悪い」と言っているようだ。
「韓日関係破綻の恐怖」と言うけど、まだまだ恐怖が足りないらしい。
それに理解されたいのなら、韓国にもやることがある。
してもらう努力だ。
それには、たとえばどんなものがあるか?
琉球新報が最近、おもしろい試みをした。
ツイッター上に「質問箱」を設置して、ネットユーザーの質問に琉球新聞が答えるというもの。
そこにはこんな質問がきたという。
「中国の脅威は取り上げないのですか?」
「自分がフェイクニュースを流している自覚はありますか?」
「日本人のままでいたいのですか。中国人になりたいのですか?」
琉球新聞はこういうイヤな質問にも答えている。
その内容は別として、こういう態度はまっすぐでまっとうだ。
韓国も日本人に理解を求めるのなら、こんな「質問箱」を用意して丁寧に答えたらいい。
「韓国では、自分の言葉を自分で否定する文化があるのですか?」
「自分が問題をつくって、相手に解決を求めている自覚はありますか?」
「法より国民感情を優先する国は世界から信頼されると思いますか?」
こんな質問のひとつひとつに丁寧に答えていったら、こんな声も少しは減る。
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