【LGBT】女性とトランスジェンダーの権利がぶつかったら?

 

LGBTとは、

レズビアン(女性の同性愛者)
ゲイ(男性の同性愛者)
バイセクシャル(両性愛者)
トランスジェンダー(心の性と体の性が一致しない人)

の頭文字をとってできた言葉で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)をあらわす。
カタカナ表記からも分かるように、この考え方は欧米から「輸入」されたもので、日本でも最近、いろんな議論や配慮が進んでいる。
くわしいことは法務省の説明をどうぞ。

LGBT – 法務省

 

その「先進国」カナダのトロント市では、地下鉄にこんな広告が登場して世界的な注目を浴びた。
*このツイートは削除されたので、「カナダ  LGBT地下鉄」で画像検索してくれ。
3人のほぼ裸の男性が目を閉じて、満たされた表情で抱きあっている。

 

LGBTの人たちの権利を主張するのはいいけど、この伝え方はどうなのか?
この絵はカナダでもなかなか衝撃で、「子どもでも見られる場所にあるのはおかしい」「いや、これは正しい」とネットで大論争となったという。
でもこれはカナダでのことだから、カナダ人が夜を徹して話し合って解決すればいい。

日本としてはこの問題のほうが身近だ。

海外メディアDaily Mailの記事(2019/06/03)

Transgender woman who previously competed in the men’s division wins women’s national title in the 400-meter hurdles at NCAA championship

 

アメリカでおこなわれた「NCAA 2019(全米大学選手権)」で、シーシー・テルファーという選手が400m女子ハードル走で優勝した。
もちろんシーシー選手は女性。
でも去年は男性だった。

男性として生まれ育ったシーシー選手は、2018年までは男性の陸上競技選手として大会に参加していた。
でも大した活躍はできなかった。
たとえば2018年におこなわれた男子400m走では、9人中8位という結果。
それが性別適合手術を受けて女性になって、女性選手として今回の大会に参加したら、ぶっちぎりで優勝してしまった。

果たしてこれはフェアなのか?
賛否は分かれた。

Her triumph has been surrounded by controversy as many in the running world express concerns that transgender athletes competing in women’s sports may have an unfair advantage.

 

トランスジェンダーの選手が全国1位になったということで、女性のスポーツを保護する必要があると主張する人もいるけど、大会運営側はトランスジェンダーの選手が有利という医学的証拠はないとして問題視していない。
上の記事の画像を見たらわかるけど、シーシー選手の筋肉の付き方は男性で、もとから心も体も女性の人では勝てそうにない。

女子テニスの伝説的選手だったナヴラチロワさんは、トランスジェンダーの女性選手が競技に参加することは「不正行為」になると言った。
でもそのあと発言を謝罪。

イギリスBBCの記事(2019年03月4日)

ナヴラチロワ氏、トランスジェンダー選手は「不正」発言を謝罪も議論継続

*レズビアン・ゲイ・バイセクシャルは性的指向のことで肉体は男性・女性のままだから、トランスジェンダーとはちがう。
LGBTとは性的少数者のことだけど、すべてをひっくるめるよりは、考え方としては「LGB・T」のほうがいいかもしれない。

 

 

これはきっともうすぐ日本でも問題になる。
トランスジェンダーの日本人はすでにいるし、そうした人への配慮も進んでいる。
でもこうした人がスポーツ大会に参加する場合は、男子か女子かどっちの部になるのか?

ちなみに日本人女子の100m走の記録を見ると、福島千里選手の11秒21が最高だ。
でもこの記録では、中学生男子のトップ10に入ることもできない(ベストは10秒56)。
小学生男子でも11秒72の記録を出しているのだから、もともと体が女性の選手では、どんなにがんばってもトランスジェンダーの選手にはかないそうにない。
かといって、男性から女性になったトランスジェンダーの選手が女性として競技に参加できなかったら「差別」と言われる。
女性から男性になった人が男子の部で参加するなら問題はなさそうだけど、女性の権利とトランスジェンダーの権利がぶつかったら、どうなるんだろう。

 

オリンピックにはすでにトランスジェンダー選手の規定がある。
女性から男性になった選手はほぼ無条件で競技に参加できる。
*サイトによっては無条件で参加できるというものもある。

今回のように男性から女性になったトランスジェンダーの選手にはいくつか条件があって、それを満たせば競技への参加は可能だ。

いま世界的には、男性でも女性でもない「第三の性」がよく言われているけど、男子・女子とは別に「トランスジェンダー選手の部」をつくったとしても、それはそれで「差別だ」と言われそう。
オリンピックの規定をもとに日本でもこれから決められていくのだろうけど、社会の理解を得るには時間がかかるだろう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。