たとえ自称だとしても、正義の国・韓国は悪を憎む。
国内に悪があれば暴いてさらし、それを本来の正しい姿にもどす。
韓国人に流れる正義の血がゆがんだ過去を許せず、これを放置することはできないから。
だから今年2月、文大統領が「親日を清算して独立運動を正しく礼遇することが、民族の心を立て直し、正義の国へと進む出発」と宣言したとき、国民は熱狂した。
くわしいことはレコードチャイナの記事(2019年2月27日)をどうぞ。
「親日清算が正義の国への出発」文大統領の言葉に韓国ネットは賛同の嵐
韓国人にとっての悪にはいくつか種類があるけど、国民にとっての最悪は植民地時代の日本だ。
日本が韓国を統治していた期間(1910年~1945年)を韓国では、「日帝強制占領期間」と憎しみを込めて呼ぶ。
でも、韓国社会では常識の「日帝」が日本ではなじみがない。
「にってい」を変換すると「日程」「煮ってい」といった言葉が出てくるけど、「日帝」が出てこなくていつも面倒くさい。
日帝とは「日本帝国主義」とか「大日本帝国」のことで、韓国では打倒するべきラスボス的存在になっている。
といっても、そんな日本はもう地球上にはないのだけど。
ということで玄界灘の向こうでは、きょうも元気にこんなことをしている。
中央日報の記事(2019年06月18日)
韓国全州市、日帝残清算ために地名変更
韓国の全州市には「東山洞(ドンサンドン)」という町がある。
韓国語の「洞」は日本語の「町」で、日本統治時代のソウルにあった「明治町」はいま「明洞」に変えられている。
*明洞の「明」は明治町の明ではない。
この「東山」は1914年の日帝強制占領期間に、日本人によってつけられた名称だから、これは変えないといけない。
こんな正義に住民が賛成しないわけがなく、市民の公募によって「如意(ヨウィ)洞」に変更することがきめられた。
この意義について東山洞のイ・ウンギ名称変更推進委員長は、「日帝の残滓を完全に清算し、地域の特色と自負心を高める新しい洞名を子孫に譲る」と話しているとか。
正義の民は、いまも残る日本統治時代の影響をこのように「日帝残滓(にっていざんし)」と呼ぶ。
主として韓国ではマスコミや日常会話でも使われるポピュラーな言葉であり、多くが日本由来の文物に対しての一方的な人種差別的な揶揄と排斥の意味で使われる。
韓国国民はこういう「日帝残滓」をなくす清算活動を熱心にやっている。
それはググってもらえばわかるし、このブログにも「日帝残滓」の記事がたくさんある。
でも日帝残滓は韓国社会のそこらじゅうにあって、韓国人はこの「駆除」に苦労している。
といっても、嬉々として苦労しているのだけど。
幼稚園、運動会、三々七拍子はともかくとして、「大統領」「文明」「カムサハムニダ」といった言葉に通貨単位の「ウォン」なんてどうするつもりなんだろう。
ちなみに書いておくと、「日帝残清算」という動きは全州市だけではなくて全国的なものだ。
朝鮮日報のこの記事(2019-06-07)を検索して読んでほしい。
学校のシンボル「カイヅカイブキ」は親日残滓、一斉伐採の危機/済州
いま韓国全土で「教育系親日残滓清算」の作業が進められている。
それで済州道の議会には、「日帝強占期植民残滓清算に関する条例案」が出された。
この条例が成立すると、学校にある日帝残滓をすべてなくさないといけない。
それでカイヅカイブキという樹木が日本産という理由で、教育庁がすべて伐採しようとしているという。
これがあの国の正義で、これに驚くようなら、まだあなたは韓国を知らない。
代表的な日帝残滓、朝鮮総督府(いまは清算済み)
このまえ3人の台湾人(全員20代の女性)が日本へ旅行でやって来たから、伊豆のあちこちに案内した。
台湾は韓国と同じく日本に統治されていた時代がある。
その期間は1895年から1945年だから、韓国よりも長い。
それで台湾人にその時代の話を聞いたのだけど、つくづく感じたのは韓国との違いだった。
3人の台湾人も韓国の「反日」にはおどろいていた。
まず、台湾ではこの期間を「日治時期」と呼んでいる。
「日帝強制占領期間」という韓国の表現を伝えると、「本当ですか!韓国ではそんなふうに言うんですか」と目を大きくする。
さらに、韓国ではポピュラーな「日帝残滓」という漢字を見せたら、意外なことに3人とも意味がわからない。
先ほど書いたように、韓国社会ではこれを除去する運動がよくある。
台湾ではどうかと聞いたら、「そんなことはしません」と全員一致で否定。
1人が「日治時期の日本人というと、八田 与一(はった よいち)が思い浮かぶ」と言う。
ほかの2人も「そうそう」とうなづく。
台湾の有名日本人、八田与一は不幸なことに日本ではあまり知られていない。
八田は日治時期、灌漑設備が不十分だった台南に「烏山頭ダム」という巨大な貯水池をつくって、住民にとても感謝された。
この話は台湾の歴史教科書にのっていて、台湾人なら誰でも八田与一を知っているという。
日帝強制占領期間中の韓国にも「柳宗悦(やなぎ むねよし)」という日本人がいたのだけど、いまの韓国史からは排除されている。
この人を知っている韓国人には会ったことがない。
韓国に尽くした日本人を排除することが、いまの「日帝残滓の駆逐」という発想につながっている。
日本人なら知るべき柳宗悦についてはこの記事をぜひ。
そんな台湾人に、「日帝の残滓を完全に清算し、地域の特色と自負心を高める」という韓国精神を話すと、かなりビックリしていた。
正確にいうと、台湾人とは価値観や考え方が違いすぎて引いていた。
いまの韓国の正義という反日行為には、台湾人もついていけないらしい。
といってもこの3人が韓国を否定して日本を支持することはなく、「それはわたしたちに関係ありません」という態度だった。
*あとで別の年配の台湾人に話を聞いたら、40年ほど前の国民党時代には、日本の影響を社会から排除する動きがあったという。
でも、いまの台湾人にそんな発想はない。
たしかに当時の外省人の発想はいまの韓国人にちかい。
中華文化の体現と民族精神の発揚を主軸とし、彼らが大陸で体験してきた日中戦争の経験や抗日のための民族主義の影響を受けている。そのため日本および日本を代表する事物を嫌悪している。
話を聞いたのはこの台湾人ガールズ
台湾人は日本統治をどうとらえているのか?
台湾社会の考え方が反映されている台湾版ウィキペディアを見てみたら、この時期ははじめ反日運動があったものの、台湾社会は安定したと評価している。
除了統治初期小規模且持續的反日運動外,台灣社會一般來說為安定的
「日帝強制占領期間」と呼ぶ国にこんな冷静な記述はきっとない。
ちなみに「台灣」は日本の漢字だと台湾、「社會制度變遷」は社会制度変遷になる。
おまけ
台湾にある「宮原眼科」。
ここは日本統治時代の1927年に、宮原武熊という医師が開いた眼科。
もちろんこの日本人医師はもうここにはいない。
日治時期のなつかしくて重厚な雰囲気をいまに伝えるよう保存改修されていて、現在ではいろんな店が入る観光名所になっている。
宮原という日本人の名前を残してくれているのがうれしい。
「日帝の残滓を完全に清算し」という国とほぼ同じ距離にあったら、そりゃ台湾に行きたくなるわ。
こちらの記事もいかがですか?
今の韓国人は漢字をどう思う?漢字を読めないハングル世代はいつから
韓国のソウルを漢字で書けない理由:漢城?京都?首爾(首尔)?
*明洞の「明」は明治町の明ではない。
この注意書きが意味不明です。「明」の字が「明治町」という名称に由来するのではなく、別の単語に由来するという意味ですか?
まあ韓国人にとって日帝残滓を清算するのが生きがいであれば、勝手にやればいいんじゃないの?特に日本へ被害が及ばない限り、彼らの自由だ。そんなことに拘ること自体が「遅れた国だな」と思うけれども。
なお、海外の韓国系住民が行っている反日・侮日活動についてはヘイトの一種であり、許せない。日本政府が正式に対処すべきだと考えます。
コメントありがとうございます。
明洞は朝鮮時代の「明禮洞」のことですから、明治と関係はありません。
日帝残滓を清算については韓国国内のことですから、好きにすればいいと思います。これで韓国内で保守派が困ってますけど。
海外での活動についてはおっしゃる通りで、日本政府はもっともっと積極的に動いてほしいですよ。
日本統治時代の精算がしたいなら、当時から残っている、インフラや小学校、病院やら自分等で全部ぶっ壊せば。。
ああ、あと漢江の奇跡とか言ってるけど、それも日本からの賠償金で成り立っているわけだから、ぶっ壊すなりしろよ。
日韓請求権協定ひっくり返していいから、
今の時価で日本に金返してから、ひっくり返せ。
日帝清算は韓国の国内問題だから、好きにすればいいと思います。
好きなだけ破壊すればいい。
それより日本人は台湾にもっともっと目を向けるべきだと思う。
なお、ここに載せられるようにコメントは一部編集させてもらいました。