すこし前、3人の台湾人(全員が20代の女性)が旅行で日本にやってきた。
その台湾人を3日間、静岡と神奈川のあちこちに案内したから、今回はそのときのことを書こうと思う。の第四弾。
前回まではこれ。
一日の観光を終えて、夕食は居酒屋で食べることに決定。
*その日は修善寺・日枝神社・竹林・修善寺虹の郷に行ったけど、上の竹林が「日本らしい雰囲気ですごくいい」と3人とも気に入っていた。
これはこの3人だけかもしれないけど、食べ方が何ていうか、すべてがシェア。
自分が注文したご飯ものをメインにして小料理をみんなで食べるのではなくて、すべての料理をテーブルの真ん中に集めて好きなものを適当に取って食べる。
そばや親子丼も3人で食べ合う。
韓国人の女の子もこういう食べ方をすると聞いた。
自分が頼んだものを自分で食べるというよりは、それぞれが注文したものをみんなでシェアするというスタイル。
ボクは上の刺し身定食を1人で食べていたのだけど、自分のものを自分で消費する姿は場違いというか浮いていた。
人間が耐えられないのは孤独ではなくて孤立、ということが身に染みて分かる。
3人がオーダーしたのは、焼き鳥・そば・卵焼き・親子丼・ものきゅう・刺し身・肉と野菜の炒め物・コロッケ(あとのメニューは忘れた)。
台湾でコロッケは日本料理店にある食べ物で、コンビニなど身近な店にはないらしい。
この中で全員に好評だったのが「もろきゅう」。
野菜を味噌につける食べ物は見たことないし、そもそも台湾料理ではふつうは味噌を使わない。
この味噌はよかったけど、日本の味噌はしょっぱいものが多いらしい。
でも日本の醤油は台湾のものとは比べられないほどクオリティーが高く、1人が「母は日本の醤油しか買わない」と言っていた。
すると別の台湾人が「日本の料理は全体的に塩が多くて野菜が少ないから、身体には悪そう」と言いやがる。
でもこれには他の2人も同意見。
日本だと丼物を頼んだら、2,3切れの漬物がついてくるけど、台湾ならちょっとしたサラダがついてくる。
そういえば、「日本の料理で野菜スープを見たことがない」と話す台湾人もいた。
でも1人が「日本の食べ物には塩が多いけど、日本人の平均寿命は世界一長い」と指摘すると、「たしかに。それは不思議だ」とこれもみんなが同意する。
*2018年のWHO(世界保健機関)の発表によると、日本で男女の平均寿命は84.2歳で世界最長。
健康には食事・医療・スポーツなどいろいろな要素があるけど、台湾人の頭の中では食事の割合がダントツで高い気がする。
なんせ台湾では、病気を治療することと食事をすることは根本では同じという「医食同源(この言葉は日本製)」の考え方が強くあるから。
医食同源の思想が深く、漢方薬も料理の材料として用いられることなども特徴として挙げられる。健康上や宗教上の理由から肉や魚を使わない素食(精進料理)も台湾ではよくみられる。
後日、別の台湾人からも同じことを聞いた。
台湾から友だちが日本に来たとき、「日本の食べ物はなんでこんなにしょっぱいものが多いのか?とくにラーメンの味は濃すぎる。なのに、日本人はとても長生きする」と首をかしげていたとか。
世界では「日本料理は健康にいい」というイメージがあると思っていたから、台湾人の「日本の料理は身体に悪そう」という感想は意外。
農林水産省のホームページでは和食の特徴として、「健康的な食生活を支える栄養バランス」をあげているのに。
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。
台湾人が感じた疑問とはまるで逆のことが書いてある。
以下、余談
次の日、1人の台湾人がレストランでこんなデミグラスハンバーグを頼んだ。
何のソースか聞かれたから「デミグラスソースだけど、台湾と違う?」と聞き返したら、「おいしい。これは食べたことない」と言う。
「あれ?台湾ではデミグラスソースってないの?」とこのとき思っていまネットで調べてみたら、どうやら台湾にデミグラスソースはなさそう。
台湾に住んでいる日本人が探したけど「どこにもない!」とブログに書いてあった。
ハンバーグを食べた台湾人が言うには、台湾にはデミグラソースの“偽物”があって、よく焼きそばにかけるらしい。
台湾人がアニメを見て感じた「日本と台湾の学校との違い」とは?
外食だと塩分が多く、味が濃く、野菜が少ない印象です。家庭での食事と内容が異なるように感じます。
そうなんです!
じつはこの記事で、和食と日本食の違いにも触れようとしたのですけど、時間がなくてそれはやめました。
でも和食と日本食の違いも、人によって言うことが違います。
和食を家庭での食事、日本食をレストランでの食事と言う人がいれば別の意見の人もいます。
それをふくめて、このことは次の機会に書いてみようと思います。