きょう(2019/10/28)、ラジオ番組で地鎮祭のことを話していた。
これは新築や改築などの工事を始める前に行う儀式で、土地の神様に「この土地を使わせていただきます」という挨拶と「工事が無事に終わりますように」というお願いをする。
この他にも地鎮祭には、「新しくできる建物に3つの宝を招く」という意味もあるらしい。
この3つの宝とは『健康』、『財産』、『和合(わごう)』のことです。『和合』には“親しみ合うこと”、“仲良くすること”という意味があります。
ニッポン放送のラジオ番組「スズキ・ハッピーモーニング 鈴木杏樹のいってらっしゃい」
地鎮祭の例
話はかわって、2013年に兵庫県で新築を建設中、作業員がいたずらで玄関の基礎部分にドラえもんの顔を描いたところ、見学にきた家主に見つかるという“事件”が起きた。
「精神的苦痛を受けた」と激怒した家主は裁判へ訴える。
訴えられた建築メーカー側は、「落書き部分は完成後に見えなくなる予定だった」と反論。
この話をアメリカ人したら、ドラえもんの絵を描いたという部分で大笑いして、裁判へ訴えたという部分で「ええっ!」と驚いていた。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
日本人とアメリカ人の感覚の違い。”ドラえもん落書き訴訟”から。
このとき地鎮祭の話をして、アメリカでも同じような儀式や行為があるか聞いたら、「そんなもん、聞いたことねえよ」と一蹴されてしまった。
ただ世界中の移民が集まるアメリカは宗教のデパートでもあるから、自分の知らないところでそういうことをする人がいるかもしれない、と言う。
ただドラえもんではなくて、ハーケンクロイツを描いたら問題になると話していた。
このあと別のアメリカ人やイギリス人、トリニダード・トバゴ人などの外国人とホームパーティーをしたとき、彼らキリスト教文化圏の人たちに「ドラえもん落書き事件」の話をしてみた。
みんな同じ反応で、「それはジョークの範囲内。裁判へ訴えるほどのことではない」とあきれる。
ついでに日本で行われる地鎮祭の話をして、それについて聞いてみたら、これもみんな「そんな宗教儀式は知らない」という。
キリスト教と家を建てるという行為にはまったく関連がないらしい。
このとき彼らは、「私たちの国なら、ホームウォーミング・パーティーをする」と話す。
新しく家を建てたり引っ越しをしたときには、お祝いとしてその家や部屋で、みんなが食べ物を持ち寄ってパーティーを開く習慣が欧米にある。
ホームウォーミング・パーティーはアメリカのドラマでも見たから知っていたけど、地鎮祭の話を聞いた外国人がまさかこのイベントを思い浮かべるとは思わなかった。
ドラえもんの話からハーケンクロイツを連想したこともそうだけど、これはボクにとってはかなり意外な展開。
でも日本人にはない、欧米人らしい発想と思う。
キリスト教文化圏の国で、地鎮祭と同じような儀式をするという人にはひとりだけ会ったことがある。
きょねん京都のゲストハウスで出会ったイタリア人の女の子から、イタリアでは家を建てる前にカトリックの神父を招いて土地を清めてもらうことがあると聞いた。
たしかに「清めの儀式」というとカトリック的で、アメリカやイギリスのプロテスタントならこんなことはしないだろう。
台湾人とタイ人からは、地鎮祭のような儀式をするという話を聞いたことがある。
「土地の神様」という発想はキリスト教やイスラーム教などの一神教にはないけど、アジアの多神教ではありそうだ。
日本人はハロウィンやクリスマスなどのキリスト教の宗教行事を、日本風イベントに魔改造してしまう。
だから逆に、キリスト教徒の日本人が家を建てる時には、地鎮祭もキリスト教式でするのだろうか?と疑問に思ったら、そういう例があった。
そんな地鎮祭に参加した一級建築士がブログにこう書いている。
私も地鎮祭でキリスト教式は初めてでした。但し地鎮祭とは呼ばず、地の霊を鎮めるという考え方は無いので、あえて言うなら起工式と呼ぶとのことでした。
一番大事なことは家主の意思という。
「人が中心」という日本人の信仰がよくあらわれている。
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キリスト教と家を建てる行為に関連がない?
ヨセフって大工じゃありませんでしたっけ?
キリスト教と家の建築の関係はどうなんですかね。聞いたことがないです。