静岡といえば日本一のお茶どころ。
で、そこに住む人間としては、他との違いにときどきビビる。
たとえば「静岡に来て、初めてお茶割りを見た」という人が多かったのもそのひとつだ。
いまではウィキペディアに「静岡割り」なんて項目がつくられている。
静岡では焼酎等を緑茶で割った飲料が飲まれており、お茶割りという名が一般的であった。それが「静岡独特」の飲み方であるということに目をつけ
中国から日本にお茶が伝わったのは奈良時代とか平安時代とか言われているけど、本格的に普及したのはキャバクラ、いや鎌倉時代のこと。
「茶祖」と呼ばれる禅僧の栄西が中国から茶の種を持ち帰って栽培したことから、全国へ広がっていった。
京都の建仁寺を開いたことでも有名な栄西は、お茶を飲むことで得られるメリットを説く。
お茶を飲めば悪魔が降伏するし、死の恐怖や迷いもなくなる。らしいですよ奥さん。
ここに無病息災や五臓調和とあるように、栄西は健康増進のためにお茶を飲むことを周囲にすすめ、「喫茶養生記」という茶の本を書く。
伊藤園のホームページ
栄西は、お茶の効用からお茶の製法などについて著した『喫茶養生記(きっさようじょうき)』(1214年)を書き上げました。
これは、わが国最初の本格的なお茶関連の書といわれています
喫茶養生記は日本でのお茶普及にかなりデカい影響をあたえたのだった。
日本の緑茶は海外にも広がっていて、タイではコンビニやスーパーにペットボトルのお茶が普通に売っている。
「なんだ日本と同じじゃん」と思ってふたを開けて飲んだら、思わず吹いた。
砂糖が入っていて甘々だったから。
もともとタイ人は甘いもの好きで、コーラに含まれる砂糖の量も日本より多いという。
別の飲み物を買ってしまったかと二度見したら、やっぱり「おいしい緑茶」とか「Jpanese Green Tea」とか書いてある。
でもこんなものはお茶じゃねえ。
静岡県民にとっては挑発行為だ。
でも海外で売っている緑茶は砂糖入りの大甘仕立てがふつうで、カンボジアやベトナムでもそうだった。
ボクは飲んだことないけど、アメリカのスーパーで売っているグリーンティーも砂糖たっぷりという。
百歩譲って東南アジアやアメリカならまだいい。
でも、日本にお茶を伝えた中国や台湾でも、コンビニで買ったお茶に砂糖が入っていたときには憤りをおぼえた。
*砂糖なしのお茶もある。
こうした堕落した国で、日本のお茶は無糖が当たりまえで、砂糖入りのお茶を「ジャパニーズ・グリーン・ティー」と呼ぶのは違法じゃないけど有罪に等しい、なんて言って意見を求めたのだけど、だいたいどこの国でも「砂糖なしのお茶なんて買いたくない。きっと売れない」と言われた。
でも、そんな世界の空気が近ごろ変わりつつある。
食品産業新聞社ニュース(2019/12/27)
無糖の「お~いお茶」が世界で売れるようになったわけ
伊藤園の「お~いお茶」がこのところ海外で受けているのだ。
いま30カ国以上で販売されていて売り上げも好調。
伊藤園が提供する商品のうち、お茶やウーロン茶などの無糖飲料製品の割合がここ5年間で大きくなっていて、北米では10%以上、中国では40%も近く増えている。
なんでいま時代は無糖を求めているのか?
記事によると理由は大きく2つあって、健康に対する関心が増えたことと税金対策だ。
現代では世界的にマッチョならいいけど太っちょが増えていて、いろんな国で社会問題になっているから、無糖飲料が“救世主”として注目をあつめる結果となった。
さらに砂糖税を導入する国が多くなっている。
だから製造者にとって無糖製品はコスパがいい。
もちろんこれだけじゃなくて、日本の政府や企業のプロモーションのおかげもある。まあくわしいことは記事を見てくれよ。
さてこのニュースにネットの反応は?
・一方の日本ではコーヒーシュガー5本分も入った激甘缶コーヒーを普通に売っているのであった
・茶葉と急須の美味しさを知らずにペット茶だけ飲んでるひと多いだろうな
・欧米人の人はカフェインに耐性ないからな
夜変な時間飲むと寝れなくなるとかフツーにあるらしいな
・ハワイでペットボトルのグリーンティー買って飲んだら、
甘いどころか、これ本当にお茶か?って味だった。
・海外で売るときは「He~y Tea」になるのか?
やっぱり、海外旅行で甘いお茶に衝撃を受けた人はたくさんいるらしい。
記事の中で、北米伊藤園の社長がシリコンバレーに行ったとき、多くの企業の机に緑茶が並んでいてびっくりしたという。
なぜ飲むのかを聞くと、無糖であることを挙げる人が多い。要はヘルシーだということだ。さらに、朝飲むと適度な渋みで気分がシャキッとするという。その意味でスーパーフード系のエナジードリンクと捉えられているそうだ。
「スーパーフード系のエナジードリンク」と聞いて緑茶を思い浮かべる日本人はまずいないはず。
でも、いまアメリカ人はそう考えている。
鎌倉時代に栄西が喫茶養生記で説いたように、令和の日本企業もお茶の効用や健康面で海外の外国人にがんがんアピールしていけばいい。
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日本とイギリスくらいじゃないですかね?無糖・ストレートティーを好むのは。
和菓子とかケーキに合わせると無糖がいいから。って聞いた事あります。だからか人によっては麦茶に砂糖入れるとこもありますからね。(友達の家で飲んで吹きました)
でも、紅茶やハーブティにはミルク・レモン/オレンジ等柑橘類、最近じゃタピオカを入れますし、緑茶に合わせちゃいけない訳じゃないんですよね。(我々には違和感ありますが)
台湾や東南アジアに販売しているペットボトルのお茶は微糖でも相当甘いです。
恐らく、熱帯気候の影響で自然に糖分を摂取したくなるからでしょう。
また、ロシアの紅茶も大量のジャムが入っているだけに、結構甘いです。
中国のお茶と言えば、後漢末期、病気の母親に飲ませるために揚子江のほとりで貿易船の到着を待っていた若き日の劉備幻徳(後の三国時代の蜀漢皇帝)が思い出されます。吉川英治「三国志」だったか。古代中国でもお茶は薬だったようですね。
所変わって本邦では、中国からお茶が伝来したのは鎌倉時代なのかもしれませんが、その後、戦国時代に至ってもなお相当に貴重品・高級品であったらしい。たとえば羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が岐阜の豪族竹中半兵衛を召し抱えようとした際、半兵衛にお茶だと言われて、もろこしの葉を煎じたものを騙されて飲んでしまうというシーンがありました。山岡荘八「織田信長」より。ただし、本当に記録のあるエピソードかどうか知りませんが。
砂糖がないと金を出して買う気になれないという話は何度か聞きました。
中国や台湾でもレストランで出る無料のお茶には砂糖がありません。
日本も好き勝手にアレンジしてますす、現地化を楽しむぐらいの余裕が余裕が必要かもです。
砂糖入りのお茶はボクの中ではまったくの別物です。
緑茶とはとても言えない。
カロリー摂取が必要だからか、味覚が甘みを求めているのかわかりませんが。
ロシアの話は初耳です。今度ロシア人にきいてみますね。
その時代のお茶は薬として飲まれていたんでしょうね。
中国の歴史教科書では、喫茶の習慣が定着したのは唐の時代と書いてありました。
日本で喫茶が庶民に浸透したのは江戸時代のころでしょう。
「ロシアンティー」と称して紅茶にジャムを入れるのは、どうやら日本風にアレンジされたものらしいです。
ロシアでは、むしろ、横に添えたジャムを舐めながら紅茶を飲む方が一般的であるとのこと。
(マンガ「日本人の知らない日本語」p.87より)
なるほど。
そうなんですね。
ジャムをなめながらというのも独特です。