本日2月23日は富士山の日。
ということで前回につづいて富士山をテーマにした「静岡 vs 山梨」という、他の都道府県民にしたらクソどうでもいい争いについて書こうとおもう。
浜松で生まれ育った友人が山梨県の上野原市にあった西東京科学大学(いまは帝京科学大学 )の卒業生で、山梨に4年間住んでいた。
当時、相手が静岡人と知ると「富士山はどっちから見たらきれいか?」といった話題をふる山梨人がいて、アウェーの地で孤軍奮闘したと村の語り部のように話す。
富士山の南は静岡、北は山梨が領有しているという認識はあるから、「富士山はどっちのものか?」という議論はなかった。
富士山の境はハッキリしていなくて、2014年に山梨県知事と静岡県知事の間で境界問題については話をしないということを確認した。
これだけはどっちも譲れないのだ。
頂上については、1974年の最高裁判決で浅間大社のものと認められたから静岡も山梨も手だしはできない。
まあ富士山頂郵便局の所在地は静岡なんだけど。
そのとき友人がよく聞いた山梨側の主張は、富士五湖(河口湖、本栖湖、西湖、精進湖、山中湖)はすべて山梨にあって湖の向こうに見える富士山こそ至高、というものだった。
確かにいまの千円札や旧五千円札に描かれる逆さ富士は山梨側から見た富士山だ。
この点では田貫湖しかない静岡の不利は否定できず。
それと山梨にある新倉富士浅間神社から見える「桜・五重塔・富士山」にあこがれる外国人はまわりにたくさんいて、あれに勝てる景色が静岡にあるか自信がない。
ただ山梨県民とぷちバトった友人に言わせると、山梨県東部にある大学を「西東京」と呼んじゃう人間に郷土愛を語ってほしくないとか。
「信玄餅クッキー」を静岡側のサービスエリアで売っているのはどうか。
浜松から東京へ向かう電車でイギリス人が撮ってSNSにアップした写真
日本に来る外国人のほとんどは静岡側から見るはず。
日本人は伝統的に富士山を駿河国(静岡)のものとする見方があった。
万葉集には山部赤人の「高く貴き駿河なる富士の高嶺を」や「富士山は、駿河国に在り」といった歌があるし、前回紹介した(おそらく初めて富士山の頂上に登った)都良香も「富士山は駿河の国の山で」と富士山記に書いている。
「駿河の国にあるなる山なむ」というのは竹取物語にあることばだ。
ただ高橋虫麻呂のように、「なまよみの甲斐の国うち寄する駿河の国とこちごちの」(万葉集)と日本人らしい双方に配慮するような見方もある。
外国人の視点はどうかというと、戦国時代の宣教師ジョアン・ロドリゲスは「富士山は駿河国に帰属している」と書いた。
*ロドリゲスについては前に記事で紹介した。
【音読み訓読み】400年前から日本語を学ぶ外国人がぶつかる壁
山梨県には富士五湖があるけど、あちらからの富士は「裏富士」で静岡からのは「表富士」。
現在の来日外国人と同じく、東海道を歩く江戸時代の日本人が見た富士山も静岡サイドだった。
こちらでは海と一緒に見ることができる。
浮世絵で描かれたさった峠(静岡市)
日本のシンボル富士山、北から見るか? 南から見るか?
湖派なら山梨で、海派なら静岡だ。
でも登山好きの知り合いに言わせると、最高の景色は東にあった。
神奈川の金時山から見た富士山がベストという。
いち静岡県民としてすごく残念なことは、「ゆるキャン△」が山梨サイドで作られていること。
あのアニメに出てくる富士山のほとんどは山梨側から見たものだ。
後半は主人公が静岡の学校に転校するとか、高橋虫麻呂のように、甲斐の国にも駿河の国にも配慮してほしかった。
こちらもどうぞ。
日本よ、これが韓国人だ!ハングル文字への誇りや愛情。ハングルの日から。
神聖で汚いガンジス川①インドの裁判所、川に’人権’を認める。動画付き
コメントを残す