「四本足のものはイスやテーブル以外なら何でも食べる」と言われる中国でも、意外なことに馬はほんとんど食べない。
*この言葉は広東料理のもので、漢民族ではなくて少数民族なら馬肉を食べることもある。
その理由としては、16世紀の明の時代にでた薬学本『本草綱目』に馬肉は有毒と書いてあるからという説があるし、中国人ガイドから馬は中国で幸運のシンボルとなっているから食べたくないという話を聞いたこともある。
本草綱目は日本にも伝わって徳川家康はこれをもとに研究を進めるようになった。
理由はいくつかあるけど、中国人には日常的に馬肉を食べる文化はないから、それをしかも生で食べる日本人が奇異に見えるようだ。
サーチナの記事(2020-03-14 )
中国人にとっては魚介類を生で食べることすら「気持ち悪い」のに、馬の肉を生で食べるなど到底考えられないことであり、「馬刺しを食べる勇気のある中国人はどれだけいるだろうか」と論じた。
中国人が驚愕する「馬刺し」、日本人は海産物のみならず「馬の肉まで・・・」=中国報道
日中で共通する文化は多いけど、料理の仕方は大きくちがっている。
大ざっぱにいうと、中国料理では火と油を使って食材に熱を通すことに対して、日本料理では食材の味を引き出すことに重点が置かれるのだ。だから新鮮な素材を生で食べる。
日中の食文化のちがいは食材より調理法によく表れていると思う。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
数年前から中国人の間で日本旅行は大人気で、新型コロナが流行していなかったら、いまも中国人観光客が全国各地にいて日本料理に舌鼓をポンポン打っていたはず。
いまではラーメンや焼き餃子など日本の食文化は中国に伝わっていて、スーパーでは刺身を売っているけれど、食については「火の文化」の国だからやっぱり生ものに抵抗ある人は多い。
それで中国メディアの「新浪」が中日の食文化のちがいを取り上げた。
中国人にとっては魚や貝を生で食べることでも気持ち悪いのに、馬肉となるとそのハードルは見上げるほど高くてもはや絶望的らしい。
「勇気のある中国人はどれだけいるだろうか」と挑発するように書いているから、かなりの“ゲテモノ”なんだろう。
これに日本のネットの反応は?
・馬刺しは高級料理なんだが
・食べたら納得する。
・日本人は競馬見ながら馬刺しや桜鍋食うんだぜ!
・孵化寸前の卵食べるよりはなあ
・weiboで鯨の刺身うめーって投稿したらものすごいバッシング食らったぞ。面白い民族だよ中国人は
・「泣いて馬刺しを食う」って中国のことわざだろ
海外旅行で感じるカルチャーショックの中で、食文化のちがいはとても分かりやすくて強烈だ。
中国を旅行中にぶらりと入った街の食堂で、透明なプラスチックケースに蛇やでかいカエルが「食材」として用意されているの見て血の気が引いた。
首都北京の繁華街・王府井(ワンフーチン)でサソリやタツノオトシゴの揚げ物を見つけたときは、1分ほど迷った挙句、サソリ揚げだけは乗り越えることにした。
でも感じたのはパリパリとした食感と塩コショウの味だけで、サソリ肉の味というのは分からずじまい。
こういうものは平気で食べるのに刺身は「気持ち悪い」、馬刺しになると「勇気のある中国人はどれだけいるだろうか」となるのだから、日本人と中国人の感覚や食文化の違いはおもしろい。
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へー、中国人は馬肉を食しないのですか、それは知りませんでした。意外だなあ。
馬肉に対する考え方の違いと言うと、フランス人(カナダのケベック州を含む)は食材として普通に食べて、英米はじめアングロ・サクソン諸国は絶対に食べないことが知られていますよね。モンゴルも主要地域ではほとんど食べないとか。豪国・乳国はどうなんでしょう?(おそらく食べないかな。)
「泣いて馬刺しを食う」は傑作ですね。諸葛孔明もきっと、能力不足であったとは言え最愛の部下を斬らねばならなかったこと、後悔の念とともに、自分に対する罰として涙を流しながら喰らったのでしょう、なんちゃって。
これはわたしも意外でした。
中国人はけっこういろんなものを食べるんですけどね。
新型コロナウイルスで大変だった支援物資を送るとき、日本人は漢詩をそえました。
日本人が中国の古典をよく知っていることにおどろく中国人は多いです。
日本人は三国志とか水滸伝を本当によく知っています。