外国人が感じる丁寧な日本のサービス:その良い面・嫌な面

 

まえにベトナム人、トルコ人、リトアニア人、スロヴァキア人と一緒に日本の山寺に行ったときのこと。

途中でコンビニに寄って、それぞれお菓子やコーヒーなんかを買い込んで車に戻って話をしていると、早咲きの河津様を発見。
「おおっ!」と車内でちょっとした歓声が上がったから、これは止まらざるを得ない。

 

 

みんな日本には1年以上住んでいて「日本の街にはゴミが落ちてない!」と驚く“初心者外国人”ではないけど、2月に咲く桜があることは誰も知らなかった。
せっかくなんでプチ花見をしながら話をするうちに、日本のサービスの話題がでてきた。

さっきのコンビニ店員もそうだけど日本では庶民の店でも、母国では一流店に近いサービスを受けることができる。
このときいたアジア人とヨーロッパ人がそう言っていたから(トルコ人はどっちか微妙)、これはいろんな外国人が感じる日本の印象なんだろう。

自分たちの国のコンビニやそれに近い店では、店員がスマホをいじっていたりおしゃべりをしているのは当たり前で、日本では最低限のサービスとなっている笑顔での「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」のあいさつもしたりしなかったり。
敬意や感謝をしめすために、客に頭を下げることをまずない。
日本の店ではおにぎりを買ったらウェットティッシュを必ず入れてくれるし、トイレはいつもピッカピカで紙はいつも備わっている。

そう言えば韓国のコンビニで、店員が納豆を食べているのを見て日本人が度肝を抜かれた。
くわしいことはこの記事を。

アメリカ人から見た日本と韓国:コンビニ店員の違いに衝撃

ということで母国と比べると、時給はけっして高くないのに、日本人は細かいところまで丁寧に仕事をすると感心するという。
これはこのときの外国人すべてが指摘したこと。

 

 

でも古代の中国人が考えたように、何事にも光と影(陰陽)の両面がある。

日本のサービスは日本人を対象に発達したものだから、価値観や考え方の違う外国人にはとまどうこともある。
このときトルコ人が日本のサービスはとても素晴らしいけど、「やり過ぎ」と負担に感じることもあると言う。
日本に来たころは、店に入って「いらっしゃいませ」と言われたとき、店員にどんな言葉を返したらいいか分からなかった。
リトアニア人とスロヴァキア人も同じことが“悩み”だったと話す。

ベトナム人はこのことで特に気にならなかったらしい。

そういうとき日本人の客は返事をしないし、店員も無反応に慣れていて何とも思わないから「郷に入っては郷に従え」で何もしないで“無視”して店に入ればいいと話すのだけど、客を神とも思っていない外国人にとっては、笑顔のあいさつに何も返さないことは失礼で軽い罪悪感のようなものを感じるようだ。

かといって、「はい!いらっしゃいました」とか「こんにちは」と言うのも不自然だから、リトアニア人・スロヴァキア人・トルコ人は、あいさつをした店員には目を合わせて軽くほほえむようにしている。
これはもちろん3人が相談したわけじゃなくて、それぞれ自分が感じる負担を軽減する方法を考えたら、この「ニッコリ作戦」にたどりついたという。

*個人的な経験だけど、こういう日本人の丁寧なサービスに負担を感じるのは欧米人が多くて、中国人やベトナム人、タイ人などのアジア人は少ない。その理由は次回書いていこうと思う。

 

他にもリトアニア人が、日本のコンビニやスーパーで過剰包装にも「やり過ぎ感」を感じてあれには少し嫌になるという。
これにはベトナム人もふくめてみんな賛成で、だからいまではほとんどの場合、ビニール袋を断っている。
ウェットティッシュはうれしいけど、レジ袋はいらない。

缶コーヒーや肉まんひとつでも店員が勝手に袋に入れてわたすから、日本語をうまく話せないころはこれがプチストレスだったらしい。
このときいた外国人は、あいさつや頭を下げることで負担を感じることがあっても、それは文化の違いだからけっして悪いことではないと言う。
でも、ガムひとつをビニール袋に包む過剰包装には批判をしていた。

まあボクもあれは不要だと思う。

 

でも住めば都で、慣れたら快適になる。自分しだいでそうなる。
文化や価値観の違いから感じる負担があれば、自分なりに考えてなくしているから、いまはみんな順応して日本の生活を楽しんでいる。
めでたしめでたし。

 

 

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2 件のコメント

  • >客を神とも思っていない外国人にとっては、笑顔のあいさつに何も返さないことは失礼で

    これ、日本人が陥りやすい間違いに関係するので要注意です。特に欧米では。
    外国で、もしも、店員に笑顔で挨拶(いらっしゃいませ、ハロー、その他)を受けたならば、最低でも、必ず笑顔で返すべきです。軽い挨拶の言葉を発することができれば、なおよい。
    店員が笑顔で挨拶したのに対して、無表情あるいはしかめっ面で、得体のしれない東洋人が店に入ってきたら、下手すると強盗あるいはターミネーターかと疑われます。私は昔、米国の田舎において、ただそれだけのためにポリスを呼ばれたことがあります。(どうしてポリスが来たのか、そのポリスに聞いてみて初めて理由が分かったのですが。)
    郷に入っては郷に従え。海外では、笑顔であいさつされたら必ず笑顔で返しましょう。作り笑顔でも構いません。それが身を守ることにもつながります。シュワルツネッガーT-800の真似をしちゃ駄目ですよ。

  • それだけで警察を呼ばれたんですね!
    それはビックリです。
    日本では不自然ですけど、欧米では店員と気さくに話し込むあって返事を返すのは常識みたいですね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。