朝日の敵は韓国紙?日本を“気軽に”侮辱する全国メディア

 

「正しいのはオレ、だからオマエは間違っている」と自分の価値観を押し付けて相手を否定する人間とは友だちになりたくない。
だから3年前に朝日新聞が書いたこともわかる。

北方領土、竹島、尖閣諸島を「我が国の固有の領土」と小学校と中学の教科書に明記されることが決まったとき、朝日新聞は社説(2017年2月16日)でこう注文をつけた。

文化も経済も、国境を軽々と越えていく時代に、自国の主張が正しいと言いつのるだけでは共感は得られない。育てたいのは、相手の立場を理解し、冷静に考え、議論し、共生の道を探ろうとする人材だ。

領土教育 複眼的な思考こそ

 

かといって自分の主張を引っ込めて、相手の考えに迎合するだけではただの八方美人で国際人からはほど遠い。
自国の主張が正しいと言いつのる“だけ”ではいけないけど、自国の主張も知らないのは困る。そもそも日本の教育に「主張するだけの人間」を育てる目標なんてない。

 

「正しい」は立場や価値観の数だけあるから、自分と相手の見方が違っていることはよくある。
だから国際社会では政治や宗教など、相手の価値観とぶつかりやすい話題は避けるのがマナーになっている。 領土問題もそうで、外国人との共生の道を探ろうとするなら、そんな政治問題を話題に出すべきではない。

でも、「自国の主張が正しいと言いつのるだけでは共感は得られない」というのは確かで、自分の価値観を押し付ける相手とは同じ空気を吸いたくなくなる。

こんな朝日新聞の考え方の反対にいる国が近くにあった。

 

さいきん国会で自民党の中曽根康隆議員が、「韓国が不法占拠している日本固有の領土、竹島に関する一連の動きは、日本としては看過できない」と言い、茂木敏允外相が「竹島が歴史的事実に照らしても、国際法上も明らかにわが国固有の領土である」と発言した。
外相の場合は「個人的には独島という名前はあんまり私は好きじゃありません」というおまけ付き。

これを韓国の全国紙・朝鮮日報がこう報道(2020/04/04)する。

日本の国会議員と外相が、コロナ問題のさなか、国会で独島に関する妄言をやりとりしたのだ。

日本、コロナ会議中に突然「独島妄言」

 

ただ、このやりとりのきっかけを提供したのは韓国さん。
新型コロナウイルスの海外輸出用診断キットに、「独島」という名称を付けようと発案した国民が韓国大統領府に国民請願をおこなった。
「診断キットが独島という名前で輸出されれば、独島のステータスが大いに向上するだろう」という韓国国民だけが理解共感できる論理で。

他国を支援する物資で政治アピールするという発想は日本人にはまず受け入れられない。でも、これが韓国人の愛国心を刺激しないはずはない。
ならそれは紛れもない正義だ。たちまちのうちに、34万人以上がこの請願に賛成したのもうなづける。

でも人道支援を利用して、自国の政治的主張をおこなうのはやっぱりおかしい。
「日本としては看過できない」「国際法上も明らかにわが国固有の領土である」という日本の議員の発言はこうした流れからでてきたのだ。
ところでムン政権は本当に、「独島」という名称にして海外輸出するのだろうか?

 

ここでそれは置いといて、問題は韓国紙の「妄言」という表現。
「国際法上も明らかにわが国固有の領土である」というセリフは韓国側も言っているから、これは結局お互いさま。

辞書を見ると妄言には「事実・論理に合わない、でたらめな言葉」(大辞林 第三版の解説)という説明がある。
相手が自分と違えば、「でたらめ」とレッテルを貼って一方的に非難する。
個人のブログならまだしも、全国紙がこんな悪意のある表現を使うことは日本の新聞ではない。日本は自分の考えを主張しているだけだけど、韓国側は相手を否定した上で、不必要な言葉を使って挑発する。

別の全国紙・中央日報もそれは同じ。(2020.04.04)

韓国検査キット名「独島」請願に…茂木外相「日本固有の領土」と妄言

そこは「発言」だけでいい。

 

韓国の意見と違うことを、特に日本人が言うと平気で「妄言」と失礼なことを言う。全国紙はその社会の中で最も中立的な言葉を使うはずなのに、そういう責任あるメディアが日本を侮辱することに何のためらいもないというのがオソロシイ。
これは韓国の常識を表しているとみていい。
韓国社会の価値観からすれは、日本に失礼なことを言っても非礼にならない。だから韓国国民がこの記事を見ても、何の違和感も感じないはずだ。

ボクは竹島を日本固有の領土と考えているけど、朝日新聞や読売新聞が韓国の政治家を名指して、「妄言を吐いた」と書くことには反対だ。そういうあおりはいらない。新聞は主観をまじえずに、ただ事実を報道してくれたらいい。

 

「自国の主張が正しいと言いつのるだけでは共感は得られない。相手の立場を理解し、冷静に考え、議論し、共生の道を探ろうとする。」

ハンギョレ新聞もこれができない。(2020-04-02)

日本、「軍艦島」強制労働を隠蔽した産業遺産情報センターを開設

 

日本政府が端島(軍艦島)などをふくめた「明治日本の産業革命遺産」を伝える「産業遺産情報センター」を東京にオープンする。
「一次史料や当時を知る証言を重視した」結果、「元(端島)島民から話を聞いたが、朝鮮人が虐待されたという証言は聞かなかった」ということで、産業遺産情報センター側は韓国の主張する「強制労働」について言及しなかった。
確かな根拠がないのだからこれは当然のことだけど、韓国側の表現だと「隠ぺい」になる。
全国紙がこういう敵意のある表現をするから、日本の共感は得られないし、ネットでは「上から目線」と非難されるのだ。朝日新聞の指摘は本当に正しい。

 

そんな隣国さんには、民主主義の精神や言論の自由をあらわす言葉として世界的に有名なフランスの思想家ヴォルテールの言葉を聞いてほしい。

「私はあなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」

 

 

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4 件のコメント

  • >朝日新聞や読売新聞が韓国の政治家を名指して、「妄言を吐いた」と書くことには反対だ。
    そんなことがあったのですか? 朝日や読売は仮にも日本の新聞ですから、「妄言」などという韓国特有の単語をつかうことはないと思うのですが。
    実際に無かったことをまるであったかのように誤解されやすい記述をする、そういうあおりはいりません。このブログも、主観をまじえずに、事実の報告を中心にして、それに対する意見を述べてくれたらいい。

    >「自国の主張が正しいと言いつのるだけでは共感は得られない。相手の立場を理解し、冷静に考え、議論し、共生の道を探ろうとする。」
    >(上記のような、日本政府へ向けた)朝日新聞の指摘は本当に正しい。
    その指摘は間違いですね。
    日本政府は、充分にそのような方針のもとで行動をとってきました。そのことを一考もせず、韓国側のでたらめな主張へ抗議することもなく、ただ日本政府側の発言に対してそのような上から目線の「指南」をする、朝日新聞の指摘(のやり方)は全然正しくないと思います。

  • 「朝日や読売が妄言という言葉を使った」という記述はこの記事にありません。
    後半部分は皮肉です。

  • この「妄言」という単語ですが、韓国では当然ハングル表記されているのでしょう? そのことを踏まえつつ、あえて日本語に翻訳するなら、どちらかと言えば「もうげん」が正確でしょうか。
    漢字の意味が読み取れなくなっている現代韓国人にとっては、「もうげん(妄言)」も「ぼうげん(暴言)」も「ほうげん(放言)」も、微妙な意味の違いが理解できなくなっているんじゃないですか? 何しろ「防火」と「放火」の区別がつかないらしいですから。
    日本人として許す気はさらさらないですが、自分たちが使っている言葉の意味が分かってない者に向かって、「そんな表現を使うな」と言ったところで無駄でしょうね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。