【イルカショー】日本人にはご褒美だけど、外国人はドン引き

 

新型コロナのせいで、すっかりガマンのGになってしまった今年のゴールデンウイーク。
家から出れずに悶々としている人たちのために、八景島シーパラダイスがこんな動画を公開してくれた。

 

 

このイキな計らいに、動画へのコメントは称賛と感謝の言葉で埋められた。

・コロナ落ち着いたらぜひ遊びに行きます。素敵な投稿、ありがとうございます
・いるかも飼育員の方も元気そうでよかったです
・再会できる時を楽しみにしています
・ニコニコしながら見てました元気でた〜
早くみんなに見て欲しいでしょうね
・盛大なショーですねイルカちゃんたちも他の動物たちも頑張ってて素敵です
ありがとうございます!!!

イルカの大ジャンプなど、ダイナミックで躍動感あふれる動きや人間との交流は見ていて楽しいし、「生きものを通じて、世界に笑顔と感動を」というモットーもうなづける。

 

でも、地球はひとつだけど人類はそうでもない。
世界にはいろいろな価値観を持つ人がいるから、「イルカちゃんたちも他の動物たちも頑張ってて素敵です」とは正反対で、イルカのショーを「動物虐待」として見てドン引きしたり怒りを感じる人もいるのだ。

これは2年前のNHKニュース(2018年9月11日)

セーリングの大会でイルカショー 非難受け日本連盟が陳謝

 

この年、セーリングの国際大会が日本で行われた。
各国選手を集めた開会式で華麗なるイルカショーを披露したところ、一部の外国人がショックを受けてしまう。

開会式でこれを見せた日本のセンスに国際セーリング連盟も激怒。

国際連盟は「開会式でイルカショーが行われたことに失望している。このようなショーが行われることは容認できない」と非難しています。

 

日本セーリング連盟も「イルカの扱いについては個人や国によって考え方が違い、イルカショーを披露したことは慎重さを欠いていたと思います。」と平謝りだ。

 

動物や魚はもちろん、卵にチーズ、バターやはちみつも口にしないというヴィーガンの人たちは特に動物愛護の精神が強くて、こういう動物のショーを嫌う人が多い。
イルカショーを好きヴィーガンなんていないだろうし、100%と言っても問題ないだろう。

前に動物を使ったショーに反対するヴィーガンの主張を見たら、人間の意思に生き物を服従させる行為がすでに虐待で、言うことを聞かないと罰を与えるのは絶対に許されないと怒りに震えていた。
ヴィーガンの人たちは毛皮を使うことにも反対していて、アパレルメーカーに対してよく抗議活動をしている。

日本ではそれを見てよろこぶ人がたくさんいるから、イルカのショーをやってもまったく問題はないけど、外国人とくに欧米人を歓迎するために、いきなりこれを見せるのは絶対NG。
開会式でイルカショーを見せたのは、外国人を日本人と同じ感覚で考えたから。
相手の価値観や文化を理解した上で日本人らしい配慮を行えば、おもてなしはきっとうまくいく。

 

 

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8 件のコメント

  • 人には色々な考え方があるのだとは思いますが、一日本人としては、くだらないクレームとしか言いようがないですね。
    その国にはその国の文化や考え方があるのですから、不快に思うのはご自由にですが、文句を言われても知るか、としか思いません。
    そもそも西洋人の考え方がグローバルスタンダードだ、という考え方の方がおこがましいです。
    イルカショーがそれほど残酷だというなら、警察犬や盲導犬、競馬、ゲームフィッシング、全部が残酷ですよ。
    彼らは日本人観光客が、現地でそれらに文句を言ったら謝罪するのでしょうか。
    ゲストに捕鯨作業を見せたとかならまだわかりますが、自分の感性に合わないからといってなんでもかんでも攻撃するのは、宗教弾圧の考え方に近いものを感じます。

  • 欧米人がイルカにヒステリックになるのは、神の使いとして聖書に出てきたからでしょう?だからイルカ(クジラ)は食べちゃいけない、牛や豚は構わないって理解に苦しむ発想にもなるんでしょ。
    さて、ビーガンが広がりをみせる昨今…象やライオン、熊とか犬とかが芸をする昔ながらのサーカスって減りつつあるんですかね。これもイルカほどバッシングの熱量はなかったりして。
    わんこと飼い主の関係でゆうと、飼い主が喜んでくれるのが嬉しくってわんこも喜んで芸をするってゆう信頼関係がみれたりします。人間の意思に生き物を服従させる…ってゆう発想自体も、欧米的とゆうか、日本のやり方とはまた違った植民地支配の在り方とか奴隷制度とか、そもそもそーゆう白人文化からの見え方のようにも思います。

  • 日本で日本人相手にショーをするのなら問題ないです。
    ただゲストを迎えて不快にさせたのはまずい。
    カンボジアで勝手にクモの揚げ物を出されたことがありましたが、価値観の押し付けは迷惑ですね。
    相手やタイミングによって成功にも失敗にもなります。

  • 動物を使ったサーカスや芸はなくなっていくと思いますよ。
    このまえ中国人が「動物をオリに入れておくのはひどい」と動物園を非難しているのを聞いて意外に感じました。
    こういう発想は世界的に広がっているのでしょう。

  • まあ、欧米人が見たくないというのであれば、そんな場に出さなければいいのですけど。

    この話、実は、動物サーカスに対する反対論とクジラ保護運動とがごっちゃになって、動物愛護団体が仕掛けた攻撃になっているんですよね。動物サーカスに対する反対論の歴史も古くて、その理由は、動物に芸を仕込んで指示を出すのに「ムチ」を使用しているから虐待であるとみなすのだそうです。何も知らないアホやなぁ、ムチ持ってるからって叩きませんよ。競馬馬じゃあるまいし。よく見ると分かるのですが、動物使いが持っているムチは、地面を叩いて合図をするために使っているのです。
    そもそも野生動物だって、野生にいるより動物園の方が長生きするし、その動物園で檻に閉じ込められて見世物にされているよりも、サーカスのように芸を仕込まれてそれを「仕事」として一生懸命毎日を暮らす動物の方がずっと長生きするのですよ。(出典:E.M.トーマス「猫たちの隠された生活」、動物学者によるかなりの長編ドキュメンタリーです。)
    そりゃ確かに、一昔前の動物使い(東南アジアの象使いとか猛獣使いとか)は、訓練中にムチや棒で叩くこともあったと思います。が、概してそれは下手なやり方です。そもそもトラやライオンなんてそれほど頑丈な動物じゃない、何度も叩いたら死んじゃいます。大事な飯のタネが死んだら猛獣使いが困るでしょ?
    水槽の中のイルカともなれば、どうやって虐待するんですかね? 水中ムチなんてあるの? もうほとんど、SFの世界のクレーマーですよ。食べるわけじゃないんだから。
    イルカショーや動物サーカスの「調教師」たちが動物に対して抱いている気持ちは、奴隷を使う主人の気持ちじゃありません。同じ仕事の場で互いに協力する「同僚・家族」の感覚に近いと思う。

    ですが、考え方の傲慢な欧米白人キリスト教徒には、芸を訓練される動物に対して、「奴隷」以外のあり方を思いつかないのでしょうね。それが彼らの限界です。ま、日本人も世界から孤立しては生きられないので、海外を相手にする場合は海外の価値観に合わせるより他ないでしょうね。

  • おもてなしは相手を満足させることですから、価値観や好みを無視してイルカショーを見せたのは失敗でした。
    「あれを見せたらきっとよろこぶ」なんてのは自己満足ですしね。
    価値観の違いを考察するのは意味があると思いますよ。

  • 自己レスですけど。

    >動物園で檻に閉じ込められて見世物にされているよりも、サーカスのように芸を仕込まれてそれを「仕事」として一生懸命毎日を暮らす動物の方がずっと長生きするのですよ。

    っていう、この事実、日本人だったら直感的に納得できると思います。長生きする高齢者は、みんな自分でやれる仕事(社会での役割)を持っていて、日々それを一生懸命にこなして生きている人です。何もしないでボーっとしている老人はすぐにボケてしまって長生きできない。
    実は海外でもこの辺の事情は同じなんですけどね。でも、そういう価値観は特に欧米では全く根付かないみたいです。ある程度資産を築いてリタイヤして悠々自適で暮らすつもりが、暴飲暴食で早死にしてしまう老人が多い。特にアメリカ人とか、もともと食生活も日本人ほど健康的でない人が多いし。
    この価値観の違いは、おそらく、宗教的なものが根本にあると思います。日本人の労働に対する価値観は、ただ単に明日の糧を稼ぐためだけのものでなく、いわば「日々の修行」に近いものがある。禅宗(曹洞宗?)の思想ですね。このことは人間にとって一面の真理ですよ。だから現代社会でも非・失業率は重要なんです。
    一方、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教では、労働はどちらかと言えば、生きるために人間が受けねばならない「罰」であって、理想的には、奴隷だけが担当するべきことなのです。だからこそ、由緒正しい一神教には「安息日」が設けてあり、その日は労働してはならないとされている。

    欧米において、労働や商売で財産を築くことが決して悪ではなく、むしろ神様もそれを奨励しているのだという(キリスト教においては)画期的な考え方は、宗教改革の時代に一部のプロテスタント(スイスのカルヴァン派だったか?)が打ち出しました。後の時代、そこから資本主義が芽生え成長していくのです。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。