イタリア人ダレッツォが「ドレミ」の音名を作った背景

 

きょう6月24日は、日本人なら誰でも知ってるベネズエラの「カラボボ戦勝記念日」だ。

「そんなん知らねーし」という人はここで確認しよう。

【スペインからの解放】カラボボの戦いと英雄シモン・ボリバル

 

この記事の中でベネズエラの国名の由来について触れた。
ヨーロッパ人が大航海時代にこの地を訪れ、水上生活をしていた先住民の様子を見て「ここはイタリアのベネチアのようだ!」と思って「ベネズエラ」と呼んだことがこの国名につながったという。

くわしいことは東京都立図書館のホームページをどうぞ。

先住インディオの水上生活の様子がイタリアのベネチアを思わせたことから、小ベネチアを意味する「ベネズエラ」と呼んだことによる。

ベネズエラ・ボリバル共和国

 

さてきょうは「ドレミの日」だから、イタリアつながりでこれからドレミファソラシの音名について書いていこう。

「Do Re Mi Fa Sol La Si Do(ド レ ミ ファ ソル ラ スィ ド)」はジローラモ、パスタと並ぶ「日本三大有名イタリア語」と言われる。(いや知らんけど)

この音名の生みの親は、イタリアのカトリック修道士で音楽教師だったグイード・ダレッツォという人物だ。

ダレッツォがアドリア海に近いポンポーザ修道院にいたころ、聖歌隊がグレゴリオ聖歌を暗記するのに苦労しているのを見て、聖歌を短期間で覚えられる方法を考え出して、それが北イタリアで有名になる。
彼の音楽教師としての才能はこのころから芽吹いていた。

でも革命的な発想に反発はつきもの。
このことでダレッツォは、それまでグレゴリオ聖歌を教えていた修道士から「仕事がなくなる」という、理不尽だけどいまでもよくある反感を買ってしまう。

 

これが原因か分からないけど、そのあと彼はアレッツォに移って大聖堂で唱歌隊を指導することとなる。
この時代には楽譜なんてものがなかったから、音楽のレッスンは「音を耳で聴いて覚えて再現する」といった原始的という初歩的なものだったらしい。
ダレッツオは「聖ヨハネ賛歌」を指導するとき、覚えやすいように各小節の最初の音に「Ut Re Mi Fa Sol La」という階名をつけた。

まーボクにはさっぱり読めないけど、それはこんな感じだ。

Ut queant laxis
Resonare fibris
Mira gestorum
Famili tuorum
Solve Polluti
Labii reatum
Sancte Johannes

これもボクには実感がないのだけど、各節が一音階ずつ上がっているらしい。
のちにこれが修正されて、いまの「ドレミファソラシ」の音名となる。
「聖ヨハネ賛歌」は洗礼者ヨハネの誕生日、6月24日に歌われたことからこの日が「ドレミの日」となったという。

ただネットで調べるてみると他にも、1024年6月24日にダレッツォがドレミの音階を定めたことが「ドレミの日」の由来となったという説がある。
どちらが正しいのかは不明だけど、とりあえずイタリアの音楽教師グイード・ダレッツォが「ドレミファソラシ」の生みの親だと覚えておこう。

 

グイード・ダレッツォ

 

日本ではペギー葉山が日本語訳して歌った「ドレミの歌」がとても有名だ。
*もとはミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の劇中歌。

この「ドレミの歌」も聖ヨハネ賛歌と同じように、各節の始めが一音ずつ上がっている。

音名を覚えるには最適とされる。この発想自体、イタリア語音名(ドレミ)の由来となった『聖ヨハネ賛歌』と通じるものがある。

ドレミのうた

 

ペギー葉山は最初、「ドレミ…」をドーナツ、レモン、ミカンというようにすべて食べ物の名前にしようと考えたけど、「ファ」で断念したというエピソードがある。
どうしても「ファンタ」しか思いつかなかったけど、これは商品名になるからNG。
それで「オール食べ物化」をあきらめて、いまのドレミの歌になったという。

 

ペギー葉山(1933年 – 2017年)

 

 

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2 件のコメント

  • >覚えやすいように各小節の最初の音に「Ut Re Mi Fa Sol La」という階名をつけた。

    ? 1音足りないじゃん、って思ったのでWikipediaで調べてみて分かりました。

    >音名が7つあるのに対して階名は6つしか無かったため、音域によって読み替えをする必要があったが、後に第7節の2つの語Sancte IohannesのSとIを組み合わせて”Si”が付け加えられた。
    >また、”Ut”は発音が容易な”Do”になった。

    だそうです。そうだったのか!讃美歌が原点だとは知りませんでした。
    んー、でも、日本も英語圏のように C、D、E、F、G、A、B、あるいは ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロ で教えてもらう方が分かりやすかったかな。ドレミ音階、階調(ハ長調とか)、ギターコードベース音などの表現が、実は同じことを言っていると気づくまでに、私はずいぶん時間がかかってしまいました。

    サウンド・オブ・ミュージック「ドレミの歌」もいいですよね。こんな和訳でどうですか?

    Doe は雌鹿の Doe
    Ray は日が差す Ray
    Me はわたしのこと!
    Far 走っても遠い~
    Sew は縫い針の Sew
    La はいい言葉が無いの!
    Tea をジャムパンで飲もう!    ・・・さあ、みんなで歌おう!

  • ひとつの記事ですべてを書くのは無理なので、疑問があったらぜひ調べてみてください。
    それが本人にとっていちばん良いことだと思いますし。
    「ドレミの歌」の和訳ですが、リズムがむずかしそうですね…。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。