今週の火曜日8月25日は「交番の日」だった。
1874年(明治7年)のこの日、のちに現在の交番につながる「交番所(巡査交番舎)」がつくられたことにちなんで警視庁が「交番の日」を制定した。
テレ朝ニュース(2014/08/26)
交差点などで警察官が「交代で番をしていた場所」に「交番舎」と呼ばれる建物が設置されることが決まりました。
8月25日は「交番の日」始まりから140年…
これが日本の交番のはじまり。
同じくこの年には、羅卒(らそつ)という呼称が「巡査」に改められた。
*英語の「patrol」を巡邏査察(じゅんらささつ)と訳して、それを省略したのが巡査。
その後、現在のような施設のある交番所が増えていき、明治14年に交番所は派出所に改称され、21年になると派出所が全国に設置されるようになる。
その後、1994年(平成6年)に派出所の正式名称は「交番」になって現在にいたるから、派出所と交番のちがいがよく分からない人はいまでもいると思う。
派出所に立つ警察官(1938年)
地域密着型の日本の交番システムは海外から高い評価を受けていて、これを導入する国もある。
日本が統治していた韓国や台湾ではほぼそのまま引き継がれているし、アメリカではニューヨーク・ロサンゼルス・ハワイなどに交番が設置された。
シンガポール警察はすごく積極的で、幹部候補生を日本に派遣して交番に勤務させるなどの研修を受けさせている。
さらにくわしいことは情報をクリックだ。
インドネシアやブラジル・サンパウロ州などでは日本の例を参考にして交番制度が導入されている。特にサンパウロ州では2005年からの導入で、殺人事件などの犯罪が大幅に減少した。
サイパンの交番
シンガポールの交番
さて、日本の警察や交番について外国人はどう思うのか?
ネットで聞いたらいくつか返事があったから、これからそれを紹介しよう。
・アメリカ人:Love the Japanese police. Treat everyone with respect (except for maybe criminals?)
日本の警察が大好き。すべての人に敬意をはらって接する。(犯罪者を除けば?)
・アメリカ人:I’m from the U.S. Need I say more?
私はアメリカ出身。これ以上ほかに言う必要がある?
*最近のアメリカでは、黒人が警察官に暴力や銃で撃たれて殺される事件が多いから、それを暗に批判しているのだろう。
・フィリピン人:Yes the Japanese police is very efficient unlike the police here in my country.
日本の警察は私の国の警察とちがってとても効率的だ。
*フィリピンの警察官はあまり熱心に仕事をしないし、ワイロをもらって事件をもみ消してしまうこともあるらしい。
イギリス人:They would be useful in the UK but you can be sure that they will be vandalised within hours by kids who have nothing else better to do than to cause trouble.
交番はイギリスでも役立つだろう。
でも、問題を起こす以外にすることがない子供たちによって、数時間以内に破壊されることは間違いない。
ロシア人:I went to koban as i coldnt find the station ❤ they were really nice.
駅を見つけられなかったので交番に行った。警察官はとても親切だった。
チリ人:In my country they are state terrorists, making montages murdering indigenous peoples.
私の国では、警察は先住民を殺害する州のテロリストだ。
なんの話かと思って聞いたら、チリでは先住民が警察に殺されることが多いらしい。
このチリ人は2018年に警察によって射殺された先住民・マプチェ族のCamilo Catrillanca(カミロ・カトリランカ?)いう人物を例に出して説明した。
Camilo Catrillancaが殺されたとき、彼には6歳の娘がいて妻は妊娠中だった。
この事件でチリでは各地で抗議デモが起こったという。
最近、インドの警察官が市民を棒でぶったたいたという記事を書いたけど、世界全体をみれば日本の警察はかなり親切で優秀だとおもう。
日本人が誇る治安の良さも交番のシステムによるところが大きい。
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【only in Japan!】外国人が驚きあきれる、日本の普通のトイレ
>日本人が誇る治安の良さも交番のシステムによるところが大きい。
そうですか? 私は違うと思うなぁ。
むしろ、「日本が誇る交番のシステムは、治安の良さによるところが大きい」のではないでしょうか。
その「治安の良さ」は、根本的には、日本人社会に文化として成立している「秩序を重んじる民族性」によるものだと考えます。
もちろん、ニワトリが先か卵が先かという観点での異論も、ある程度は成立するとも考えます。
日本の治安の良さにはいろんな理由があると思います。
ただ「秩序を重んじる民族性」とは具体的にどんなもので、それが治安にどの程度影響をあたえているかを示すのは難しいように思います。
「秩序を重んじる民族性」とは、「調和を最も重視する民族的伝統」と言い換えることもできます。(ここで、単なる「和」と言わずに「調和」と表現したのは、「和」が日本国そのものを意味する場合も多いから、その混乱を避けるためです。)
第一条:和を以て貴しと為す(=和が何よりも大切だ)。第二条:仏教を尊重せよ。第三条:役人は真面目に働け。
聖徳太子の時代の教えは、現代の日本社会でも脈々と受け継がれていると思います。
ただし、その教えは、個人の力量が勝負の決め手となることの多い現代国際社会においては、しばしば日本人が陥りやすい弱点ともなってしまうのですが。
これはひとつの例ですが、具体的に書くには客観的な数字を挙げるのが有効です。
交番の場合、現在の日本には約6600か所あります。
この数字は誰にとっても同じで、主観的な解釈が左右されることはありません。だから正確です。