日本だけには強気!の文政権に韓国メディアが「理解不能」

 

「西高東低」といえば冬型の気圧配置のこと。
では、「西低南高」といえばなんだろう?

答えは隣国に対する韓国の外交姿勢や態度。
韓国は西の中国には弱気で腰が低い一方、南の日本に対してはよく高圧的な態度を見せる。

特にいまのムンジェイン政権に「西低南高」の傾向があって、韓国の歴史認識を基準にそれとの違い、「歴史わい曲」があると相手が日本ならすぐに激しく抗議するけど、中国には何事もなかったような穏やかな時間が流れる。
同じようなことをしても、日本にだけ厳しい文政権の二重基準を朝鮮日報が批判した。(2020/11/01)

【コラム】中国大使を直ちに招致せよ

 

ムン政権が発足してから、靖国神社を参拝した日本の現職・元職の政府高官を韓国の外交部(外交省)が公式に糾弾した回数は12件に上る。
「平日・週末を問わずメッセージを出した」というからずいぶん熱心だ。相手が日本なら。

菅首相が先月17日、靖国神社に「真榊(まさかき)」を奉納すると、土曜日にも関わらず韓国外交部は「歴史を直視し、過去史に対する謙虚な省察と真剣な反省を行動で示すべき」とコメントを出す。
さらに、ふだんはあまりSNSで発信しないチェ外交部第1次官も、これに関する「論評だけは2度もリツイートした」と国民にアピールしたという。

毎年2月に島根県が「竹島の日」の関連行事を開くと、そのたびに外交部は「強く抗議する」「つまらない試みを中止せよ」「行事の廃止を求める」と主張してきた。

自分との違いは間違いだ。
南の島国が韓国と違う歴史認識を示すと、そのたびに文政権は日本大使を呼びつけた。

言葉で脅すにとどまらず、機会があるたびに日本の大使を招致し、歴史歪曲(わいきょく)を座視しないという韓国政府の意志を示した。富田浩司・駐韓日本大使は今年、歴史教科書歪曲問題などで韓国外交部庁舎の敷居がすり減りそうなほど頻繁に出入りした。

 

でもこれが、西の大国となると態度が一変。
「こんな外交部の強気を、中国の前でだけは見ることができない」と朝鮮日報は嘆く。

事実はひとつでも真実はいくつもあるから、東アジアの中だけでも、立場や判断基準が違えば歴史認識も変わってくる。
例えば日本が「朝鮮戦争」と呼ぶ1950年の韓国と北朝鮮の戦争をみてみよう。
韓国では北朝鮮が南を侵略してこの戦争が起きたとして「6・25戦争」と呼ぶけど、北朝鮮は韓国とアメリカが挑発して起こした「祖国解放戦争」と言う。
そして中国は、侵略者であるアメリカ(美国)に抵抗して北朝鮮を支援した「抗美援朝戦争」と表現して韓国を”無視”する。

1960年に朝鮮戦争が起きたことは事実だけど、その原因やだれが侵略者かといった真実はひとつじゃない。
日本では韓国と同じく「南進説」が一般的な見方だ。

朝鮮戦争に対する中国の歴史認識は韓国のそれとは天地だから、中央日報はこう怒る。

「抗米援朝の真実は鮮明だ。それは中国の韓半島武力侵攻だ。中国共産軍の銃口はどこに向かったのか。韓国軍は最初から集中標的だ。韓国人は最大の被害者だ」

でもこの主張は中国や北朝鮮にとって真実ではなく、これこそ「歴史わい曲」になる。

 

さいきん中国の国家主席が韓国の歴史認識に反することを堂々と述べたけど、韓国政府はネコのようにおとなしかったから、朝鮮日報はムン政権にこんな不満をもった。

習近平国家主席は10月23日、「抗美援朝70周年記念式」で、6・25戦争を「米帝国主義の侵略拡大を抑制した戦争」だとした。北朝鮮の南侵を否定する明白な歴史歪曲があるのに、韓国外交部は6日たっても論評一つ出さなかった。

 

習主席は朝鮮戦争について、「平和を守り、侵略に対抗するための歴史的決策…抗米援朝戦争の勝利は正義の勝利、平和の勝利、人民の勝利だ」と中国を礼賛し、韓国を「侵略者」の側に置いても政府は抗議らしい抗議をしなかった。

歴史歪曲に対して断固たる韓国外交部が、なぜシン海明大使を招致しないのか、理解できない。

 

日本が同じことをすれば、韓国政府は「歴史わい曲を座視しない」、「歴史を直視し、過去史に対する謙虚な省察と真剣な反省を行動で示すべき」といった激しい反応を見せるのに、相手が中国だと韓国メディアが理解不能になるほどおとなしい。

中国に対して最大限の礼を示していたことで、むかしの韓国(朝鮮)は中国に「東方礼儀の国 」と称賛されたのだけど、いまは「東方沈黙の国」になっている。

日中に対する韓国の反応の違いは損得とリアクションによる。
ムン政権にとって反日は支持率アップにつながるし、日本政府の「遺憾の意」を受けてもヒットポイントは減らない。むしろ、「考慮に値しない」「一蹴した」という姿勢を国民に見せればさらに”得”が増える。
でも、中国に同じことをしたら大けがするから、「歴史わい曲罪」を犯しても韓国政府が中国大使を招致することはない。
ソウルの日本大使館前に慰安婦像を設置するのは黙認するけど、中国大使館前に「脱北者像」を建てるのは絶対に認めない。

 

韓国メディアは今回のように、政府の都合のいい矛盾や二重基準を徹底的に批判・糾弾してほしい。
日本政府も韓国と同水準の反応をしてもいい。
慰安婦像を建てれば「つまらない試みを中止せよ」と怒り、根拠のない「強制連行説」や「性奴隷説」を主張すれば、「歴史を直視し、過去史に対する謙虚な省察と真剣な反省を行動で示すべき」とコメントを出してもいいのでは?
いまの日韓は加害者と被害者の関係ではなくて対等なのだから、相手の言葉を使って言い返してもいいはずだ。
でないと「西低南高」はいつまでも変わらない。

 

 

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2 件のコメント

  • 本文中、朝鮮戦争は1960年と記載がありますが、1950年のお書き間違えではないでしょうか?

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。