19世紀にアメリカの民主主義政治を見たフランスの思想家トクビルはこう言った。
「アメリカ人の重大な特長は、他の諸国民よりも文化的に啓蒙されているだけではなく、欠点を自ら矯正(きょうせい)する能力をもっていることにある」
まぁこれは2世紀前の話でいまのアメリカは知らないけど、他の国に比べてアメリカ人には自分たちの犯したミスや過ちを正す力があったらしい。
いまその能力が試されているのが韓国の文政権。
支持率アップや国民の怒りを日本に向けるといった目的で、自分たちが国民の反日感情をあおったおかげで、いま韓国社会には分断や亀裂が生まれている。
もともと慰安婦合意の破棄を公約に大統領に当選した文氏は、韓国の政治家の中でも反日的言動が抜き出ていた。
それが爆発したのはきょねん、日本政府が韓国に対して輸出管理を強化すると発表したとき。
これに激怒した文大統領は、「加害者である日本が、盗っ人たけだけしく、むしろ大きな声で騒ぐ状況は絶対に座視しない」、「(日本には)二度と負けない」と強く言非難した。
でもそれでいて、文大統領はそのときの利益や都合しだいで、「(日本は)基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的にも文化的にも最も近い友人である」と歯の浮くことを言うから日本での信用度は本当に低い。
きょねんのこのとき韓国政府の人間は「義兵」や、19世紀に朝鮮の民衆が竹やりを持って日本に抵抗したという話から「竹槍歌」といった言葉を使って国民を反日・抗日へと駆り立てた。
すると日本製品の不買運動が全国に広がったことは周知のとおり。
韓国の地下鉄車両(たぶんソウル)に貼られたボイコットを呼びかけるステッカー
東京メトロがこんな嫌韓運動をしたら大問題になる。
政府が扇動して全国に広がった不買運動に対して、国民の中でも見方が分かれてきた。
日本が謝罪するまで断固これを続けるべき!と息巻く人もいれば、加熱した反日には距離をおいて、日本製品を購入する人もいる。
前者はボイコットジャパンを「正義」と信じているから、同じ国民なのにそれに背を向ける国民が許せない。
すると一線を越える過激派がでてきて、それに反発する人とのあいだで対立が生まれる。
朝鮮日報の記事(2020/11/09)
「ユニクロに並ぶ犬豚」「反日扇動のほうが犬豚」…日本製品不買運動1年、韓国社会の二つの表情
不買を支持する人間がユニクロの店内でレジに並ぶ人たちの写真を撮って、「犬豚」というコメントをつけてインターネットの掲示板サイト「ポベドリーム」にアップ。
「二足で歩く豚」というタイトルのこの投稿には、「日帝の奴らにひざまずき、首をはねられないと後悔しない」「日本に失せろ」といったコメントが付けられて、日本料理店を「倭寇店」と呼んで日本製品不買運動の継続を求めたという。
「二足で歩く豚」という言葉と一緒に、一般人の顔をモザイクなしでSNSに投稿して第三者がそれをシェアして拡散させる。
このやり方には「あんまりではないか」と反論が寄せられたけど、掲示板のメンバーは「サル(のような)考えだ」「虫」などと無視する。
記事によると「日本製品に対する市民の反感が依然上回っていた」という。
でも、こんな行き過ぎた反日や盲目的な愛国を毛嫌いする韓国人もいる。
別のインターネット・コミュニティーには、「あの投稿に使ったスマートフォンにも日本の部品が入っているはずなのに」、「反日扇動の側に付いたことがむしろ犬豚だ」といった不買推進派に対する批判が多く書き込まれた。
中には「自分はユニクロよりも慰安婦被害者を食い物にすることに憤怒を覚える」と市民団体の正義連に怒りを向ける人もいたようだ。
日本製品不買運動が始まって1年以上が過ぎたいま、全国的な支持を得ていたころと違って、国民のあいだで評価が極端に分かれていると朝鮮日報は言う。
「日本に対する国民の結集力を見せつけた成功した運動だった」という肯定的な評価と「現実性がなく、国民的な反日感情にだけ頼った政府・与党の大衆扇動にすぎない」という批判が共存しているのだ。
全体的にみると、韓国でのボイコットジャパンは下火になっている。
その要因としては、いまは日本との友好をアピールしたほうが得策と判断した韓国政府が、国民感情をあおるのを止めたことが大きい。
不買運動の動力が弱まった理由は選挙シーズンを前に「反日」感情を刺激してきた政府が選挙後、状況が何も変わっていないにもかかわらず、「相生・協力」を強調するなど態度を変えたからだとする見方もある。
文政権が以前のような「反日扇動」から手を引いたあとの韓国社会には、「犬豚」「二足で歩く豚」とののしる”義兵”と、「反日扇動の側に付いたことがむしろ犬豚だ」と言い返す勢がいて分断が深まっている。
韓国人同士の対立に口出しするつもりはないけど、ユニクロで買い物をする人の写真を撮って「犬豚」とネットでさらす発想はまったく理解できないし、「倭寇店」なんてわけがわからない。
ほかにも地方自治体(全羅南道霊光郡)のシンボルマークが「戦犯旗(旭日旗)」に似ているという批判が上がると、同時に「太陽の光の模様を見ると発作を起こす反日病」とやゆする声も上がる。
こうした争いの最大の責任者は、政治目的で国民の反日感情をあおった文政権にある。
あとは文大統領に「欠点を自ら矯正(きょうせい)する能力」があるかどうかだ。
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「倭寇」というのは、戦国時代末期に朝鮮半島沿岸を荒らしたとされている「日系人(でない者も含めた)海賊」のことでしたっけ。
なんか悪口も歴史用語だったり表現が回りくどかったりして、言われる方にもどうもピンときませんね。
もうちょっと分かりやすい悪口はないのですか?
このへんの感覚は日本人には理解困難ですよ。