【10年後の日韓関係】日本人は悲観的で、韓国人は楽観的

「秋深き隣は何をする人ぞ」

江戸時代に俳句の神・松尾芭蕉が詠んだように、秋は隣人が何をしているのか気になる季節だ。（いや知らんけど）

さて、いま日本人は韓国を、韓国人は日本をどう思っているのか？

８月下旬に日韓で行われた世論調査の結果が朝鮮日報にあるから、これからそれを見ていこう。（2020/10/06）

文大統領を信頼していない日本人79％、安倍前首相を信頼していない韓国人は？

まず、互いの国民は相手国のトップをどう考えているのか？
ムン・ジェイン大統領に対して「信頼している」という日本国民は、わずか2.4％ともはや絶滅寸前。
「信頼していない」と答えた人は79.2％だから、日本人のほとんどがいまの韓国政府を信用していないことがわかる。
一方の韓国では安倍前首相を「信頼している」という人は0.9％で、ほぼ死に絶えたと言っても過言ではない。
逆に「信頼していない」は93.7％と、安倍前首相は韓国では全国民の敵と言っていいほど。

６年前には中央日報にこんな見出しの記事もあったことだし。（2014.02.12）

韓中の“公共の敵”安倍首相はなぜ人気？…「強い日本」に若者も熱狂

いまは菅首相になったけど、日本政府に対する韓国国民の見方はこれと大きくは変わらないだろう。

次に、日韓関係の悪化についてその責任をたずねると、「両国にそれぞれ半分ずつ責任がある」という回答が最も多く、日本で39.8％、韓国では75.1％という結果。
悪化原因を自国に求める割合が、韓国で日本の２倍ほど多いというのは正直、意外だった。
日本でこの割合が少ないのは、韓国による２つの約束破り、慰安婦合意と日韓請求権協定を白紙にしたことに不満や怒りを持っている人が多いからだろう。

では日韓の国民が相手国をどう見ているかというと、日本で韓国に「好感を持っている」という人は10.8％、韓国で日本に「好感を持っている」は15.0％と韓国のほうがやや高い。
でも、日本に「好感を持っていない」という韓国人は64.2％で、これは日本より高いという。（日本の数値は書いてない）
相手に対する印象が好き・嫌いの両極端に分かれているところが、韓国人のハッキリした性格をよく表している。

では最後に、10年後の日韓関係の展望について。
そのころには、政治的に両国関係が改善しているという人は日本で10.8％、韓国では22.6％という結果。
経済関係について楽観的な見通しを持っている日本国民は8.8％で、韓国国民は28.8％。
文化関係の展望では日本で13.7％、韓国で34.6％が改善するとみている。
あと10年もすれば、政治・経済・文化の面で両国関係は改善していると、楽観的に考える人が日本に比べて韓国ではたくさんいる。
今後の見通しについては全体的に、日本人は悲観的だけど、韓国人は楽観的だ。
これも両国の国民性を示していると思う。