世界中の子どもたちに、夢と希望と感動をとどけてくれたアニメ「ドラえもん」。
この日本の国民的アニメでよく出てくる“あの場面”をめぐって、いま抗議活動が起きているのをご存知だろうか。
それは、のび太がしずかちゃんのお風呂をのぞくシーン。
のび太とドラえもんが「どこでもドア」に入ると、なぜかしずかちゃんがお風呂に入っているところにダイレクトリンクして、「キャー！のび太さんのエッチ！」となるあの場面だ。
でもそれは決して「いたずらで済まされる行為」ではなく、「お風呂を覗く行為は性加害であり」と主張する人がその場面を取り除くために署名活動をはじめた。
被害を受ける側の女性にとっては心に深い傷を負い、男性と関わったり、お風呂に入ったりすることに対して一生続く恐怖を植え付けられることもあるような行為です。
こんな行為を子ども向けアニメで見せることは「性加害を軽視することに繋がる」として、上の署名では次の要求をする。
・これから新しい話を作成するときにはお風呂のぞきのシーンは入れない。
・これまでの話を放映するときには、このシーンをなるべく避ける。
・やむをえずこのシーンをテレビで流すなら、本来は犯罪で許されない行為であるという注釈を入れること。
あれを「あんなこといいな、できたならいいな。」の範囲内でOKという人もいれば、女性への軽視や蔑視、差別などの意識を育てて将来的にはセクハラやDVにつながりかねないと危惧して禁止を求める人もいる。
あるアメリカ人がたぶん面白がって、これを取り上げた海外メディアをSNSでシェアしてた。
Petition Started To Stop ‘Doraemon’ From Constantly Showing Shizuka In The Bat
ではこのニュースに寄せられた外国人の声を見てみよう。
・the same people are totally ok with Cuties, Big Mouth and bath scenes in Inuyasha 😃
これに署名する人たちはキューティーズやビッグマウス、犬夜叉の入浴シーンはまったく気にしないんだよ。
＊ビッグマウスはアメリカのアニメ。
・this is a Culture brother
これは文化だよ。
・Every anime have fan services.
どんなアニメにもファンサービスはある。
・Why Nobita is still young.
なんでのび太は成長しないんだろ。
・I bet these are the same people who enjoyed “Cuties”
こういう人たちは間違いなく、「キューティーズ」を楽しんでいるね。
・American problems. People in japan and other places have no problem with this, maybe because they don’t have such an unhealthy society as americans do.
これはアメリカの問題。
日本や他の国の人にこのシーンは問題ない。アメリカのような不健康な社会ではないからだろう。
・Everytime Nobita sneaks into Shizuka’s bath:
のび太はいつもしずかちゃんのお風呂に忍び込む。
・I never seen Nobita in bath in Indonesian version 😅
インドネシアのドラえもんでは、のび太がお風呂にいるのを見たことない。
・they should censor how nobita being lazy, how nobita being bullied
のび太がどれほどなまけ者か、どれだけいじめられているかを検閲したほうがいい。
・but that’s every japanese boy’s dream
でもあれは日本の少年たちの夢だよ。
ここまで読んできて「Cutiesってなに？」と思わなかっただろうか。
これはフランス映画で、イスラーム教徒の家に生まれた少女がダンスを通じていろんな少女たちと出会い、変化していくというストーリー。
その内容はいいんだが、ことしの夏にNetflixが公開したポスターが大炎上。
しずかちゃんぐらいの女の子が性的に描かれていたことで全米が激怒、「解約祭り」に発展してNetflix側が謝罪に追い込まれた。
コメント欄を見ると「disgusting」（最悪、おぞましい、本当にムカつく）という単語を使って非難する人が本当に多い。
しずかちゃんのお風呂シーンなら「japanese boy’s dream」で済むかもしれないけど、これは生々しくて本当に「disgusting」。
外国人のコメントを見ていて、ドラえもんの「お風呂のぞきシーン」について日本と欧米では視点が違うと思った。
日本でこれを問題視する人は女性への軽視や性差別を助長すると怒り、欧米では児童ポルノを連想する人が多い。特にアメリカ人。
このシーンをセクハラやDVにつなげるコメントはひとつも見なかった。
日本に比べると、児童ポルノに対する欧米人の嫌悪はすさまじく強いし、社会的にも大きな問題になっているからだろう。
と書いてきて、いま思い出したことがある。
AKB48の「ヘビーローテーション」を見て、「これは児童ポルノだ。うちの国ならきっと無理」と言ったアメリカ人がいた。
日本でも一部で批判はあったけど、謝罪や動画の削除が必要なほど大きな動きにはならず、いまでも普通に見ることができる。
でも「Cuties」のポスターはどうだろう。
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