日本のアイドルがユーチューブで生配信中に差別発言をしてしまい、事務所が謝罪し、本人はしばらくのあいだ芸能活動を停止することとなった。
という話をきのう書いた。
それと同じころ、韓国のアイドルはこんな失敗をしたらしい。
AFPの記事(2021年02月03日)
ソウォンさんが先週末、その数枚の画像を投稿すると、オンライン上で怒りの声が上がった。
韓国アイドル、ナチス軍服のマネキンと撮った画像投稿 事務所が謝罪
ソウルのカフェにナチス・ドイツの軍服を着たマネキンがあって、有名ガールズバンドのリーダーがこのマネキンを抱擁してその写真をネットに投稿しところ、怒りの声が上がったという。
話はナチスに関することだ。
写真の高速削除だけではダメで、「重大な責任」を感じた所属事務所は「史実と社会問題への十分な配慮を怠った」として公開謝罪した。
この出来事についてフランスAFP通信はこう書く。
アジアでは、第2次世界大戦中の欧州での残虐行為に関する知識が限定的にとどまる場合もあり、時に意味を知らないままナチスのシンボルが掲示されていることもある。
ここで指摘されているとおり、確かにアジアはナチスに鈍感だ。
600万人のユダヤ人が虐殺されたホロコーストはヨーロッパの出来事だし、欧米に比べれば、ユダヤ人の社会的影響力は東・東南アジアではほとんどない。
タイを旅行中、首都バンコクの有名デパートで、ナチスのシンボルである「かぎ十字」がデザインされたTシャツが堂々と店頭に並んでいるのを見てビックリした。
今回の件もソウルのカフェに、ナチス・ドイツの軍服を着たマネキンが置いてあるというのがそもそもおかしい。
かぎ十字(ハーケンクロイツ)
以下、ユダヤ人が殺害されていたナチスの収容所を連合軍が解放したときの様子
連合軍が到着した時には、おびたただしい数のユダヤ人の死体が地面に放置されていた。
毒ガスで殺害されたユダヤ人
死体はここで焼却されていた。
画像は「NHK 映像の世紀 第5集」のキャプチャー
アジアはこんなホロコーストとはほぼ無縁だったから、ナチスについての理解や知識は少ない。
だから、「何やってんだ!」と指摘されるまで、自分たちの行為に気づかないことがある。
ここ数年の日本をみても、欅坂46がナチスの軍服を連想させる衣装を着たり、「しまむら」がかぎ十字風のネックレスを販売したりして、いずれも謝罪&削除に追い込まれた。
日本人が犯した「ナチスの失敗」。しまむら・欅坂46・Jリーグ
問題となった欅坂46の衣装を知り合いの外国人に見せたところ、アメリカ人・イギリス人・リトアニア人などの欧米人は「これはいけない!」とすぐにその”ヤバさ”がわかった。
その衣装を画像検索して見てほしい。
これを見ただけでは、普通の日本人にはどこがどう問題なのかなかなか分からないと思う。
韓国のアイドルも、それがナチス・ドイツの軍服と気づかなったのだろう。
これからますます国際化が進む日本では、欧米人と付き合うようになる日本人も増えていくはず。
そのときには英語のほかにも、ナチスやホロコーストについても知っておいたほうがいい。
ことばで失敗しても自分が恥をかくだけで済むことが多いけど、このタブーに触れたらそうはいかない。
こちらの記事もいかがですか?
日本人も’挙手’に注意!ナチス敬礼で中国人観光客がドイツで逮捕。
海外旅行の注意、マナーとタブーの違いとは:「一線」を越えないように
今でもソウルをはじめとして堂々とナチス旗やハーケンクロイツ、ヒトラーをモチーフにっした看板を掲げたバーは当たり前のように存在するし。
>
「韓国のアイドルも、それがナチス・ドイツの軍服と気づかなったのだろう」
絶対にあり得ないでしょ。散々に旭日旗を戦犯旗だナチスと一緒だと騒いでいるのに腕章がなくても知らないとは言わせない。
軍服だけでナチスとわかる人は日本でも少数だと思いますよ。