4月6日の記念日はとても分かりやすく「しろの日」。
この日は「白の日」だし、城の日もある。
日本三大名城の一つ、姫路城のある姫路市がこの日を制定したらしい。
さて日本と中国では同じ漢字でも意味が違う場合がよくあって、たとえば「手紙」は中国語では「トイレットペーパー」で、「湯」はスープの意味になる。
むかし読んだ本で、日本で「男湯」と書いてあるのを見て一瞬、「男のスープ?」と思ったという中国人さんがいたという話があった。
「白」は日中で同じだから問題ないけど、「城」はちょっと違う。
城を機械翻訳すると、日本語から英語では「castle」となって、中国語から英語だと「city」となる。
白水社の中国語辞典によると城の意味はこの3つ。
・(都市を囲む)城壁
・(城壁に囲まれた)都市
・都会,町
この西安のように昔の中国の都市は、敵から攻め込まれないようにグルリと周囲を壁で囲んでいた。
そしてその城壁や、内側の人が住む空間を中国では「城」と言った。
この発想を国全体に広げると万里の長城になる。
「長い城」というのは壁のことで日本語の城とは違うから、これを「ロング・キャッスル」と訳すと意味がわからなくなる。
中国人が作った「城」という漢字について、なんで日中では意味が変わるのかというと、日本人は中国語でいう城を採用しなかったから。
歴史作家の陳舜臣氏がこう書いている。
日本は中国からさまざまな文物を摂取したが、ついに採り入れなかったものに、科挙や宦官などいろいろあるが、町ぜんたいを城壁で囲む城郭都市の形式も、その一つであった。
日本で城といえば、領主とその部下のサムライのたてこもる場所にきまっていた。ところが、中国では町がすなわち城なのだ。「日本的 中国的 (祥伝社) 陳舜臣」
日本は城郭都市という中国の都市構造を採り入れなかったから、城という漢字はこんな天守(天守閣)のような日本独特の建築物を意味するようになった。
では、日本の城(castle)は中国語でどんな漢字になるのか中国人にきくと、その場合は「城」でいいと言う。
こんな建物は中国にないから、日本語の漢字をそのまま使っているらしい。
日本は漢字や政治制度(律令制)などを中国から積極的に受け入れたけど、科挙や宦官、城郭都市形式などは採用しなかったように、中国にあるものなら何でもOKというわけではなかった。
隋や唐で遣唐使などがいろいろ学んで日本へ持ち帰っても、主体性をもって取捨選択して日本に必要なものだけを受け入れていたのだ。
古代の日本が中国のコピーでなかったことは「城」を見てもわかる。
おまけ
中国の有名な城郭都市・平遥
日本のお城
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