【戦後最悪の関係】反日不買運動の裏では、意外と韓日友好

 

昨年の2月以来、ようやく日本と韓国の外相が向き合って話をした。
その結果、いまの日韓ではまったく話がかみ合わないことがわかった。

時事通信の記事(5/5)

徴用工、慰安婦で平行線 処理水批判に茂木氏「懸念」 日韓外相

慰安婦・元徴用工の歴史問題に加えて最近の韓国は、国際原子力機関が認めた福島原発の処理水放出まで批判するようになり問題は山積。
そんな状態で外相同士が会ったところで、互いの主張を言い合って「やっぱり歩み寄りは無理」と確認して終わるしかない。

これは『戦後最悪』といわれる現在の日韓関係をそのまま反映している。

これとちょうど同じ日、朝鮮日報が2年前からつづく反日運動の“成果”を伝えていた。(2021/05/05)

反日不買運動の影響で日本製ビールや日本酒の輸入が急減 

2019年の夏、日本政府が対韓輸出の管理厳格化を発表したとたん韓国世論は沸騰し、全国的な『反日不買運動』がはじまった。
日本の酒やビールがその影響をモロに受けて、日本からの輸入は激減。
2年前に比べ、きょねんの日本からのビール輸入量は85.9%も減少したという。

「日本には二度と負けない!」と大統領が国民に訴えて「日本の経済侵略」とメディアが一斉に報じて、あれだけ激しい反日の嵐が吹き荒れたのだから、この結果は確定された未来だった。
むしろ売れ行きが伸びたら、それこそ理解できない。

 

でも一方で、韓国にはこんな一面もある。

中央日報日本語版の記事(2021.05.06)

「注文は必ず日本語で」…韓国全州の居酒屋、議論の末に結局閉店

日本で20年以上生活していて、日本人からとても多くの支援を受けたという韓国が帰国後、日本の言葉や文化、食べ物を多くの人に伝えようと日本の居酒屋そっくりの店を開いた。

韓日友好を願うオーナーの気持ちは素晴らしい。のだが、日本語で注文しないと罰金500ウォン(約50円)というのはやりすぎでは?
でもこれは、ドアを開ければ日本の居酒屋と同じ体験ができるというコンセプトによるもので、オーナーは客に日本語を使ってほしいと思っただけで、実際に罰金を取ったことはないという。
それに困ったときに困らないよう、テーブルには「お願いします」「ください」「ひとつ」「おいしかったです」といった日本語が提示されていた。
日本の食べ物と飲み物を提供するというから、日本の酒やビールを出していたのだろう。

でも、この店がネットで全国に知られると、韓国語だと罰金500ウォンという規則が特に問題になり、「日本語で商売するなら日本に行け」といった批判が続いて、オーナーは健康上の問題から6年間営業してきた店を廃業することにした。
この場合の“健康”とは精神面かもしれない。

 

しかし、2年前から激しい反日不買運動があって、最近はコロナのせいで韓国の飲食店がバタバタつぶれているのに、この店はよく6年間もやってこれたな。
ネットで叩かれなかったらもっと長続きしただろうし、ということは、実は店の“ファン”もけっこう多かったのでは?

政治では話し合いじゃ話にならないし、民間では反日不買運動が展開されていて、それを「韓国の文化」と呼ぶ経済人もいる。
そんな鬱ニュースの陰で、日本語オンリーで『日本空間』を再現した居酒屋が営業していたというのはかなり意外だ。
そういえばソウルへ行ったときに、カケハシという日韓交流カフェを利用したのを思い出した。
そこで日本語を学んでいる韓国人と出会っていろんな話をして、カフェの営業時間が終わったから、彼いち押しの屋台で深夜まで話をしたっけ。
いまネットで見たら、こっちはまだ存続している。

 

でも、日本でこういうことがニュースになることはまずない。
歴史認識や政治問題のダークなものがほとんどで、そうすると韓国の反日面が強烈に印象づけられてしまう。
韓国社会に反日感情が存在するのは確かで、それが政治や国民を動かしているのは間違いない。
でも目立たないけど、同時に“日本好き”がいたり、地方自治体によるイベントではなく、民間の自発的な交流が行われていることはもっと日本で知られていい。
こういう機会や人がなくなると、両国関係は『戦後最悪』を下回って未知のゾーンに突入する。
日本でも韓国文化は一定の人気があるし、反日面が減少すればそれだけ韓国への印象もよくなるはず。反日を扇動する人間と日本が好きな韓国人は分けて考えないと、貴重な味方を敵にしてしまう。
それは日本にとってマイナスしかない。

 

 

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3 件のコメント

  • > 反日を扇動する人間と日本が好きな韓国人は分けて考えないと、貴重な味方を敵にしてしまう。
    > それは日本にとってマイナスしかない。

    ふーん、そうですかねぇ。具体的にはどのようなマイナスになるのですか?
    むしろ私は、そのような「国際社会における民族対立の厳しさ」を身をもって知ることは、ある意味、日本人にとってプラスになるように思うのですが。
    全世界の人から好かれようなんて、あり得ないですよ。世界への影響が大きい経済大国の一つであるのに。

    でも韓国人にとっては、日本人が敵になることは大きなマイナスでしょうね。ただし彼ら自身は、そのことに気づいてない人が大半であるようですが。

  • マイナスでいいと思います。
    日本からたくさんの支援と協力があったことを無しにしているのは韓国です。
    日本のことを盗人たけだけしいと言ったのも韓国です。
    民間の日韓交流を先に切ってきたのも韓国です。
    まあ今のご時世国交断絶はできないので貿易は縁は切れないと思いますが。
    ちなみに日本との貿易赤字が減ったそうなので韓国には良かったんじゃないですか?
    日本も韓国も大多数はどうでもいいと思っている人の方が多いでしょうし。

  • それよりもむしろ心配なのは台湾と共産中国の動向です。今後の日本は親中か、対中か。
    でも火種は、極東アジアよりも先にヨーロッパで始まりそうです。英国がEUから抜けた理由の一つは、親中国路線のメルケル・ドイツはじめEU諸国の考え方に、警戒感を感じてのことでしょう。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。