地下アイドルというのはボクの守備範囲に入ってないから、基本的には別世界の話で関心はゼロなんだが、最近『プランクスターズ』という地下アイドルを知った。
朝のニュース番組に報道された時のプランクスターズです
pic.twitter.com/GpFWNHthei— プランクスターズ | official (@planckstars) May 16, 2021
このグループを知ったのは、メンバーの田中いろはさんが芸能活動の休止を発表したから。
「この度、メンバーの田中いろはですが」で始まる、公式ツイッターで公開された休止理由が前代未聞すぎる。
理由としましては、プランクスターズのライブスタイルがどうしても汚く気持ち悪く生理的に無理、又同等にプランクスターズのヲタクが気持ち悪いと感じるようになり精神的に限界がきてしまい
「自由奔放悪ガキアイドル」のこのグループは過激さが売りで、ライブでは上半身裸になった観客がメンバーを持ち上げることもあるとか。
公式ツイッターを見ると、推しメンバーと2分間のビデオ通話ができるというサービスが1枠5000円であって、そこにあった注意は「陰部の見せつけはNGでおねがいします」。
「ヲタクが気持ち悪い」はこういうことの積み重ねだったか。
これにネットの反応は?
・ワロタ
そりゃキモいやろ
・オタクが支えてくれてるのも解らんのか
・彼氏いませんとオタクあいてにうそついて
お金巻き上げて、イケメン社長やプロスポーツ選手と結婚するのが
流れだと思ってたけど
・休止の理由がコロナ感染の恐れより、キモヲタの気持ち悪さってのがw
・ヲタの厚意で生きてるのにヲタを許せないのなら休むじゃなく身を引け
・YUIMETALも同じ理由だったりして
でも、復帰時期は9月ごろというからこれはネタで、このアイドルとオタクどもの世界では何の問題もない文章という気もする。
日本のオタクは極東の島国にいる独特の存在だから、英語にすることは不可能。
だからいまでは「otaku」として米国社会に定着していて、アメリカ人の視点(American perspective)から、オタクのライフスタイルを紹介する『オタク USA』なんて雑誌まである。
Otaku USA is a bimonthly magazine published by Sovereign Media, which covers various elements of the “otaku” lifestyle (such as anime, manga, video games, cosplay and Japanese popular music) from an American perspective.
アメリカ人によるアニメやマンガ、ゲームなどのレビューや解説があって、アメリカ人が好きそうなアニメやコスプレアイテムなんかを紹介しているらしい。
これは日本のオタクに近いけど、価値観や発想は違っている。
日本にオタクを対象にした専門誌ってあったっけ?
日本人と外国人ではテイストが違うから、日本より海外での評価が高いようなアニメはよくある。
知人のドイツ人は「エルフェンリートはヨーロッパでよく知られたアニメ」と言うけれど、これを知っている日本人はどれだけいるか。
アラビア世界には日本のアニメやマンガが好きな「アラブオタク」がたくさんいる。
オタクはもはや世界共通語。
アラブオタクは英語なら「Arab otaku」、アラビア語なら「اوتاكو العرب」と書くらしい。
エジプト人のアラオタさんとネットでやり取りをしたときには、こんなメッセージをもらった。
「We, the Otaku dream of visiting Japan, but I am already dreaming of this, so I study Japanese」
アラオタの夢は日本に行くことで、そのためにこの人は日本語を勉強している。
これは日本語にしたら「親日家」だろう。
アニメやマンガが好きという点ではオタクでも、日本のオタクと違ってすごくポジティブな印象。
「その本場の国へ行くことが夢で、その実現のために勉学にはげむ人」と聞いてオタクを連想する日本人なんてきっといない。
まぁその夢の国とは、「ヲタクが気持ち悪いと感じるようになり」という理由でアイドルが活動休止を宣言するような国なんだが。
これはまえにフィリピン人がSNSに書き込んだ文章。
「most otakus are toxic to BTS fans. 」
ほとんどのオタクはBTSファンにとって有害である。は?
ここでいうオタクとは日本文化のファンのことで、彼らはフィリピン社会では、BTSに代表される韓流ファンの“敵対者”になっているらしい。
これは日本とは違う。
文政権の活躍で日本では「韓国嫌い」が増加していて、いまでは社会のいろんな層にいる。
韓国文化が嫌いなオタクも当然いるけど、韓国のマンガやアニメが好きなオタクもいる。
韓国人との協力体制で作られている日本のアニメもたくさんあるのだから、オタク界を全体的に見れば、韓流ファンと敵対しているとは思えない。
ということで日本のオタクは海外中に広がり、現地化して元のものとは離れていっている。
でも、日本でいう「キモオタ」に相当するような人やことばを海外で見たことがない。
ネットでは英語なら「neckbeard」や「creep」という人もいるけど、やっぱり日本でいうキモオタとは違う。
キモオタはもう「kimoota」しかないけど、これが海外で広がることはなさそう。
一般の日本人の感覚なら、前向きで努力家っぽいアラブオタクが好印象で、日本のキモオタがいなくなってもほぼ誰も困らない。
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> 日本にオタクを対象にした専門誌ってあったっけ?
わはははは、専門誌はないかもしれませんが、このブログがそうだとばかり。(冗談です)
> でも、日本でいう「キモオタ」に相当するような人やことばを海外で見たことがない。
今回の記事を読んだ限りでは、海外の普通の Otaku も、充分に「キモオタ」相当のレベルではないかな?
>でも、日本でいう「キモオタ」に相当するような人やことばを海外で見たことがない。
>ネットでは英語なら「neckbeard」や「creep」という人もいるけど、やっぱり日本でいうキモオタとは違う。
「キモオタ」で思い出すのは、Kinky Kids(キンキ・キッズ)ですね。これを日本語に翻訳すると「キモオタ」であると、ずっと信じていた米国人がいましたよ。いちおう「それ誤解だから」と教えてあげたけど。