啓蟄(けちちつ)や白露(はくろ)と言われても何のこっちゃ分からん日本人は多いだろうけど、夏至を知らない人はいないはず。
この3つは二十四節気という季節区分のひとつで、2021年の夏至はきょう6月21日。
一年の中で最も昼が長い夏至の日、日本では餅を固くして食べる「歯固」という習慣があったことにちなんで、「スナックの日」という記念日になっている。
ということで話は「ところてん」ですよ。
蒸し暑い夏の日にひと時の清涼感をもたらしてくれる、日本のあの夏の風物詩はすでに海外デビューをはたしていて、英語版ウィキペディアには「トコロテン」の項目がつくられている。
その説明には、ところてんは江戸時代には庶民のスナックとして人気で、作りたてが食べられるように工場(作業場)の周りで売られていたとある。
Tokoroten was a popular snack during the summertime in Edo (Tokyo) during the Edo period. It was originally made to be eaten immediately and was commonly sold around factories.
さらに17世紀には、凍ったところてんから寒天の製法が発見されたという記述もアリ。
それについてくわしいことはこの記事を。
*ふつうの日本人より日本のことを知ってる外国人がたまにいる。
ウィキペディアが登場してからそういう人が飛躍的に増えたはず。
国際化の時代、日本人ならまずは日本の文化や歴史を学ぶことが必要だ。
ところてんの材料や歴史はWikipediaに書いてあるとして、この食べ物はいま海外でどう紹介されているのか?
外国人にとってところてんの魅力とはなにか?
「favy」という海外メディアの記事を見ると、この日本の「ゼリー・ヌードル」をヴィーガンにすすめている。(November 06, 2018)
Tokoroten: A Vegan Japanese Jelly Noodle Summer Dessert And How To Make It!
「Unlike gelatin, it isn’t made of animal products so it can be eaten by vegetarians as well!」
ゼラチンと違って動物由来の成分が一切ないところてんは、ヴェジタリアンでも食べることができる。
「肉だ。肉を食え。肉肉肉。肉を食っていれば、人間は幸せになれるぜ」という肉食天国の日本とちがって、欧米・インド・台湾などではヴェジタリアンやヴィーガン(卵や乳製品も口にしない完全菜食主義者)が珍しくない。
それにヒンドゥー教徒は牛肉、イスラム教徒は豚肉を食べられないなど、特定の肉の摂取を禁止されている人も世界にはたくさんいる。
その観点からすると、ところてんは主義や宗教を超えて、誰もが安心して口にできる国際食と言うことができる。
それと外国人にとって、コレも大きなアピールポイントになる。
「Tokoroten contains 2 cal per 100g so it is very diet friendly! It is said to contain 99% water, so it a great snack to have while on a diet.」
100グラムで2カロリーしかないところてんは、とても「ダイエット・フレンドリー」な食べ物だから、減量中のスナックにこれは最適。
その必要に迫られていた知人のアメリカ人女性が、アイスクリームの代わりによくところてんを食べていた。
給食のメニューでピザとコーラが出てくることもあるアメリカでは、肥満は最も深刻な社会問題のひとつ。
自分好みのシロップやソースをかけて食べるところてんは、アメリカ人にもきっと受け入れられると彼女は太鼓判を押す。
でも海外では、海草が一般的な食材になっている国は本当に少ないのだ。
ネットで見た感じ、アメリカでところてんを売ってる店はなさそうだし、アジア食料品店「テングサ」を購入して自分で作ることをすすめるサイトもあった。
そこまでのハードルをクリアしてところてんを作る人は本当にマレで、普通は「じゃあアイスクリームで」となるはずだ。
江戸時代には庶民のスナック、現代の日本では夏の風物詩になっているところてん。
ヴィーガン・フードで、ダイエットにもフレンドリーという外国人に受けるポテンシャルは秘めているが、世界でそんな地位を手に入れるのは無理みたい。
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