【隷属か自強か】強大な中国を前に、いま選択を迫られる韓国

 

韓国・産業資源部の長官(大臣)だったチョン・ドクク氏が全国紙・朝鮮日報で、中国に対するこれまでの韓国の見方は間違いだったと指摘し、これを変えなければ、“隷属関係”は次の世代まで受け継がれると警告した。(2021/08/28)

韓国元高官「今のように原則なく中国に従順でいたら、恥辱的な隷属の道へと向かうだろう」』

北京大学の教授や中国社会科学院研究顧問を務めた経験があり、中国事情に精通しているチョン氏は、中国が世界的な成功を収めた韓国文化(K文化)にシットしていると言う。

「中国共産党にとって、西欧民主主義移植の代表的成功事例である韓国とK文化は常に『目の上のこぶ』だった。」

チョン氏いわく、これまで中国は経済的な必要性を感じて韓国を利用してきたが、いまは半導体を除いて韓国に未練はない。
経済力と技術力を身につけた中国が「隠してきた爪をあらわにしているのだ」というのがnow。
それで韓国国民に、中国を”仮想敵国”と見るべきと大胆な提言をおこなう。

「中国は目標と夢を実現する過程でいつでも韓国の生存権を脅かす仮想の敵になり得るということを念頭に置いておかねばならない」

 

最近の韓国は台頭する中国の圧迫を感じていて、国民の77%が「中国は嫌い」と答えたアンケート結果もあるほど。

別の全国紙・中央日報もチョン氏のインタビュー記事を載せ、韓国人に意識改革の必要性をアピールした。(2021.08.24)

「もう中国と無条件で仲良く過ごそうという考えは捨てなければ」

「中国の外交戦術は無慈悲だ」と話すチョン氏は、中国とうまくやっていくには「仲良し」になろうとする考え方はダメで、韓国が総合的な国力を向上させる「自強」を目指すべきと提案。
具体的には次の4つの力だ。

経済力:半導体のように中国が追いつけないよう超格差を維持する。
軍事力:全面戦争は別として、局地戦では中国に勝たなくてはならない。
外交力:国益を守るために韓米同盟、日本、ロシアなど全てを活用する。(以夷制夷)
文化力:韓国が中国に対し、文化的・倫理的優越性を備えることが重要。

こうした「自強」によって中国が韓国を必要とし、恐れるようになればうまく共存できるし、そうでなれば次の世代まで「隷属あるのみ」という。
なんという究極の二者択一。
にしても韓国さんは相変わらず、「倫理的優越性」が大好物のようす。

 

これは他山の石じゃない。
この内容は韓国だけでなく、これからも中国と付き合っていかないといけない日本にも当てはまる。
もっとも日本は韓国とは立場や経済力が違うから、「自強」かさもなければ「隷属」かという両極端な発想はイラナイとしても、無条件に仲良しになることを考えたら中国との関係はうまくいかない。
日本が優位な部分を保つことで、中国が日本を必要とし、対等な立場での共存・共栄が可能になる。
力がなければ舐められるから、中国が畏怖を感じるほどの差をキープしているとよろし。
その点で、日本の科学者が中国に引き抜かれるのが不安だ。

 

さてこの人物はイタリアの政治思想家でマキャベリ(1469年 – 1527年)という。

 

 

マキャベリは国のトップに立つ人間(君主)の心がまえとして、市民に愛される君主と恐れられる君主を比較し、

「君主は愛されるよりも恐れられよ」

と言った。
ヒトはしょせん利己的で偽善的だから、従順なように見えても、利益がなくなればすぐに反逆する。
しかし、自分が恐れを抱く君主にはそのようなことはしない。
だから君主は、愛されるより恐れられるほうがはるかに安全だという。

このマキャベリズムはいまも有効だ。

 

 

こちらの記事もいかがですか?

今度は中国と歴史認識バトル:「韓服は中国衣装」に韓国激怒

英会話を学ぼう 153 「平成ありがとう」に韓国で批判殺到

【飲水思源】経済成長に協力した日本へ韓国がしていること

日本と韓国がマジで国交断絶したら、具体的にどうなるのか?

「日本人に正しい歴史を教え、謝罪させたい」と言う韓国人と出会ったら?

【韓国人の認識】中国・米国・日本すべてに敵対意識が増幅

TWICE余波:「異常な反日」からの韓国人と日本人ファンの争い

 

2 件のコメント

  • 他山の石とは、他所のできごとや評価が自分の知徳をみがく助けとなることを表す語です。
    そのため、他山の石じゃない→他人事じゃない といった具合で改変が必要かと思います。

  • コメントありがとうございます。
    これは見方によりますね。
    まず「他山の石」はこんな意味です。
    「他人のつまらない行動や、自分とは直接の関係がないものごとも、自分の行動の参考にできることのたとえ」(故事成語を知る辞典)
    日本は韓国ほど中国に依存していませんし経済力も違いますから、隷属するという危機にはないと思います。
    ですが、この話は日本の参考にできると思うのでこの言葉にしました。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。